＠初台 新国立劇場小劇場(2010/11/9-28 21ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 A席5250円、B席3150円
作：テネシー・ウィリアムズ 翻訳：常田景子 演出：松本祐子[文学座]
美術：松井るみ 照明：沢田祐二 音響：高橋巌 衣裳：前田文子
ヘアメイク：川端富生 歌唱指導：伊藤和美[時々自動] 演出助手：城田美樹
舞台監督：加藤高 制作担当：太田衛 芸術監督：宮田慶子
主催：文化庁芸術祭執行委員会、新国立劇場
出演：
寺島しのぶ：マーガレット(ブリックの妻)
北村有起哉：ブリック(次男)
銀粉蝶 ：ビッグ・ママ(母親)
木場勝己 ：ビッグ・ダディ(家長)
広岡由里子：メイ(グーパーの妻)
三上市朗 ：グーパー(長男)
市川勇 ：トゥッカー師(牧師)
三木敏彦：ボー医師
頼経明子：スーキー(家政婦)
鎗田千裕(文屋愛海)：ディクシー(長男夫婦の子供)
藤崎花音(中道美柚)：トリクシー(同上)
古口貴子(北村海歩)：ポリー(同上)
井上怜(山下翔) ：バスター(同上)
鈴木孝正(川上瑛生)：サニー(同上)
2010/11/14(日)晴 1:00-3:47PM(53/休16/1'37)最前方上手 客席満席(360人)
客層：20台後半女性と中高年男女中心の大人客席。女性過半数。
客入れ：当日券売り切れ。B3+C6+D6列、あとバルコニー。折り込みチラシそれなり。
パンフなし。物販。パンフ B5 44ページ 800円。緩やかに値上げ、変わらず内容
充実。ミニ猫トートあり。ロビーのテーブルが倍に増席され。
カーテンコール2回1分。ギブス衣裳の有起哉さんに気を回して2回止まり？。
1950年代初演、作家の代表作。温故知新シリーズ第2弾。
舞台。本物調度のお屋敷をシースルーするワイヤフレーム装置。壁は白、カーペット
はサーモンピンク、調度はロココ。斜＋八百屋に置かれ床、中央にダブルベット。
壁際にソファ、酒瓶とグラス、反対面に化粧机とバスルーム。正面、蓄音機と両脇に
バルコニーへ開く観音グリルドア。下手に廊下と隣室ドア、客席手前で折れて舞台下
に降りる階段。ここらの壁はなく、柱のフレームで枠組みされ。盗み聞きしてる姿が
丸見えの仕掛け。
お話。知らぬは本人ばかりなり、余命いくばくもない家長亡き後の遺産相続、心の傷
を負いアル中の長男の救済と再起 の2大問題が軸。欲望と執着、そして孤独をテーマ
にした家族劇。
前のめりの気迫を饒舌な台詞にのせ、切実で滑稽な大シニカルコメディを一層展開。
止まれ、繰り返す奔流会話の狭間に、痛みと慈しみの真情をしゅんと浮かばせて、
しみじみ沁み。前半は寺島しのぶが北村を喋り倒し、後半は木場が懸命に北村に語り
かける図。膨大で繰り返しが多い台詞に呆れつ、哀しさと可笑しさないまぜねこ。
アメリカ南部な熱気とかムードや形のこだわり無く、切羽詰まった人達そのものを
冷静に活性化して描き。おかげで思いのほか、すっきりとみれたねこ。シースルーの
装置でのぞき見行為、判りやすい笑い添えて○。
役者。寺島・マギー。欲深もけなげで人間味あり。木場・パパ。怒れる木場を久々。
銀粉蝶・ママ。嵐な勢いしばしば。惚け顔の結構冷静。北村・夫。困った人をポキン
金太郎とぶれなく演じ。
[月間一覧］