＠初台 新国立劇場・小劇場(2011/4/15-5/1 17ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 A席5250円 B席3150円 当日Z席あり
作：サミュエル･ベケット 翻訳：岩切正一郎 演出：森新太郎[演劇集団円]
美術：磯沼陽子 照明：笠原俊幸 音響：藤田赤目 衣裳：koco
ヘアメイク：佐藤裕子 演出助手：内藤裕子 舞台監督：田中伸幸
芸術監督：富田慶子 主催：新国立劇場 制作担当：三崎力
出演：
橋爪 功：ヴラジミール
石倉三郎：エストラゴン
山野史人：ポッゾ
石井愃一：ラッキー
柄本時生：少年
2011/4/17（日）晴 1:00-3:43PM(79/休15/68)木側最前列 客席ほぼ満員（260人？）
客層：中年層最多に幅広く。女性6、7割。
客入れ：当日券Ｚ席以外は売り切れ。劇場前後を全部使ったセンターステージ。
目が開うと恥ずかしい、対面客席は4列ずつ。バルコニーはぐるり四方囲み。地震時
注意は待機願い。折り込みチラシ少々。パンフなし。物販。パンフ B5 40ページ
800円。原作戯曲ほか、グッズいろいろ。カーテンコール2回1分。
古典を最新翻訳と演出で再発見しようシリーズ最新。言わずと知られた不条理
悲喜劇。
舞台。黒い道がずどーんと劇場貫き。両端にはトンネル。枯れても艶めく木が脇に
一本。
お話。ボロ服の浮浪者達がゴドーという人物を待っている。ひたすらに喋り続け、
暇を潰さずにはやっておられない。そこに考えることができる奴隷と、そんな彼に
辛く当たる主人がやってくる。その後使者の少年がきて、ゴドーさんは今日はこられ
ないが、明日はくると伝言を告げる。
巨大な空間と長大な時間をもろともしない、親父俳優達の「暇を生き抜く」演技力を
堪能するねこ。必死で暇を潰すだけが人生だ、てな作品の真意をくみ取り、楽しそう
に演じている姿が○。とりわけ、橋爪さんの自由さが清々しくて素敵。ゴヤの風刺画
から抜き出たような、石井愃一・ラッキーの姿と、考える演技には圧倒され。翻訳は
より現代口語にくだけて、納得のいく自然体仕上げ。演出は俳優を縛らず、でも
時々150％な無理を強いて、飽きさせずなさじ加減○。
荒涼とした舞台、置き去られて待ち続ける希望と不安を、311震災の今とどうしても
重ねてしまい。叫びで満ちる世界を、習慣で消音するなんて台詞にどきりとしたり。
空に浮かぶ月の張りぼてが慎ましくも美しく。変わらぬものがある安らぎもまた感じ。
うーみ、普遍なさまざまを見て取れる、これぞ名作と得心したりするねこ。
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