[前頁] [ホーム] [一覧] [次頁]

 白石加代子「百物語シリーズ 第二十八夜 剣客商売 天魔/幻談」

 @神保町 岩波ホール(2010/12/25-26 2ステージ)
 http://www.iwanami-hall.com/
 全指定 4500円
  全国ツアー

 構成・演出:鴨下信一 照明:黒尾芳昭 音響:清水麻理子
 衣装:江幡洋子、池田洋子 結髪:笹部純、中山有紀 舞台監督:太刀岡正
 写真:田中亜紀 宣伝美術:いちのへ宏彰 制作:ジェイ.クリップ
 企画:笹部博司 主催・製作:メジャーリーグ 後援:岩波ホール
 文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業)
 出演:白石加代子 

 91話 池波正太郎「剣客商売 天魔」1'04

 休憩20分

 92話 幸田露伴「幻談」40分

 2010/12/26(日)晴 7:01-9:05PM(内訳上記)中段下手 客席ほぼ満員(210人)
 客層:中年層中心に女性9割。
 客入れ:新グッズなし。次回公演 第二十九夜 9/3-4@岩波ホール。
 カーテンコール1回。

 池波正太郎「剣客商売 天魔」
 前説でシリーズの主人公、人気の源泉について。

 舞台。平台に箱状机。衣装。町娘然な着物。
 お話。少年時代に剣術を教えた男が長じて、冷徹な殺人剣で道場破りを繰り返す。
 最終的なねらいは師匠を殺傷。そんな最悪な剣客を倒すことができるのか。

 化け物が化け物を演じる面白さ。語りのうまさはさすがだけど、状景がみえがたいと
 いうか、血の匂いがしない、艶っぽさがないのがもひとつ。原作との相性悪いの
 かしらん。

 幸田露伴「幻談」40分

 口述筆記なのに屈指の名文という、恐ろしい作品など前説。

 衣装。藍にさしこと珍しいとかの着物。
 お話。土左衛門がつかんでいた釣り竿が思いがけない逸品。持ち帰った男が再び船で
 釣りに乗り出す。と、手が帰せといわんばかりに現れ、思わず投げ帰してしまう。

 シリーズ中ベストの一つ、深い余韻を残す名朗読。抑制した動きと口調で、底が
 知られない、得体のしれない恐怖を炙り出す。人がよい粋な人間が抱いた黒い欲望を
 映して、ゾッとさせ。川辺の状景が浮かぶ本と語り○。

[月間一覧