＠池袋 シアターKASSAI(2011/3/30-4/10 14ステージ)
http://www.kassaikikaku.co.jp/
全自由 前売予約・当日共3000円 学生1900円
脚本：三好十郎(青空文庫) 演出：黒澤世莉
舞台監督:藤本志穂 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.)
照明操作:吉村愛子(Fantasista?ish.) 衣裳:阿部美千代 宣伝写真:松本幸夭
宣伝美術:立花和政 演出助手:北見有理、石高由貴 制作:北浬芙未子
アフタートーク
31(木) 吉田小夏(青☆組主宰)
1(金) 小栗剛(キコ主宰)
5(火) オノマリコ(趣向主宰)
6(水) 徳永京子(演劇ジャーナリスト)
出演：
猿田モンキー ：柴田欣一郎(父 大学教授)
菅野貴夫[時間堂]：誠(長男 マルキスト）
酒巻誉洋 ：欣二(次男 チンピラ)
高島玲 ：双葉(次女 家を守る）
鈴木浩司[時間堂]：富本三平(居候 母方の叔父)
小田さやか ：圭子(亡くなった長女の友人)
浅井浩介[わっしょいハウス]：清水八郎(学生)
百花亜希 ：せい子(居候 夫に暴力を受け、身を寄せている)
武井翔子 ：お光(大工の娘 取り立てに来る)
小川あつし ：浮浪者
2011/4/9(土)曇 2:03-4:32PM(2'29)前方下手 客席満員(50人)
客層：20-30歳代中心 男女半々。眼鏡率高め。
客入れ：池袋徒歩10分弱、昨年できた路地裏 新劇場。番号順に呼び出し、開場時
10人ほど。桟敷1、ひな壇に椅子6列。具体的な空席誘導あり。折り込みチラシ
それなり。パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。次回公演。吉田小夏
書き下ろし新作「星の結び目(仮)」。物販。台本1000円、Tシャツほか。
カーテンコール1回だったかな。
オリジナル作品上演が満足できるものではない？と見送り、三好十郎作品に
切り替えての公演。
舞台。素の劇場をなにもない洋間に見立て。中央奥側にベニヤ仕立ての簡素な
黒いテーブルと椅子。頭上に不釣り合いなシャンデリア。壁際に座卓と座蒲団、
茶器棚、火鉢バケツ、間に平積みの専門書。上手客席手前の出っ張りは防空壕入口。
正面下手は畑がある裏庭、手前に玄関。
お話。終戦直後、荒廃した東京でかろうじて残った一軒家に身を寄せる人達。
戦争責任が誰にあり、自分達がどうあるべきか、机上の議論を激しく戦わせる男達
生活を如何にし、愛する人と家族を守ることに心を砕く女達。そしてただ放心状態
の不良者。解体した世界でともに空きっ腹を抱えて、途方に暮れる彼らの滑稽で
傷ましいありさまを描く残酷劇。
時代を超越して、否応なく今に直面させられる、ド・ストレートプレイ。ガツンと現実に
ぶち当たりながら希望を見いだそうする三好十郎の原作を、素材のままに提供。
アンバー単色の照明を闇に刺し、水音の和らぎなど効果は控えめに、役者芝居は
戯曲とがぶりよつ。覚悟と緊迫が強いられ、心を決まると時に快感だけど、なんらか
の起伏工夫が今上演するならほしいねこ。そんなこと言ってられない、災禍真っ最中
の「今」が嫌でも思わされて、うーんではあるけどねこ。
役者。花束か敢闘賞を贈りたい。役と作品に素直に向き合って、滅私奉公に演じてて
泣けてくる。バカ真面目に加走しがちな男どもを見守る女優陣のすっとした佇まいが
素敵。とりわけ、健気な次女双葉役・高島玲さんには心がほぐれ、しばしばもらい泣き。
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