＠吉祥寺 吉祥寺シアター（2012/3/15-20 8ステージ）
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
全指定 一般：前売3500円 当日3800円
アルテ友の会特別価格3000円 15､16のみ、友の会特別割引価格2500円
脚本・演出・舞台美術：小池竹見 音楽：佐藤こうじ（Sugar Sound）
照明：斎藤真一郎＜ A．P．S．＞ 音響：島貫聡 衣装：小原敏博、小林由香
舞台監督：村岡晋 宣伝美術：高橋歩 印刷：リトルウイング
協力：ALBA、エビス大黒舎、クリオネ、アスタリスク 制作：Little giants
企画・製作：双数姉妹 助成：平成23年度トップレベルの舞台芸術創造事業
主催：双数姉妹、（公財）武蔵野文化事業団
出演：
佐藤拓之：夫
井上貴子：姉
熊懐大介：弟
辻沢綾香：秘書
吉田麻起子：妻
小林至 ：同僚
中村靖 ：係員
青戸昭憲：係員
今林久弥
河野直樹
小池桂子
浅田より
野口かおる
2012/3/18（日）曇 6:05-8:07PM（2'02）後方上手 客席満員（160人）
客層：20-30歳と中年層、男女半々。
客入れ：最前B列。舞台周囲をぐるり、2，3Fも使うので後方席が見易いと思うねこ。
折り込みチラシそれなり。パンフ A5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。
「大相撲 歴代優勝力士」資料同梱。上演中出せるようにしておくと、より楽しめ。
物販。台本なし。ポスター500円。福袋1500円。カーテンコール1回。
実験的アバンギャルド演劇で旗揚げした双数姉妹、21年目の本作品で全体活動休止
とか。
舞台。場内薄暗く、年寄りには怖いですよ客席（丁寧に声かけ誘導あり）。
客席との高低差がなし、中央の濃密な闇を囲んで、調度類が置かれ。テーブル、
衣裳ラック､ゴミ箱、センターにソファ、ベット、ラック、冷蔵庫、棚、キャリー
バック。いずれも雑然と物が散らかった状態。中空に自転車、縫いぐるみ、ギター、
扇風機などが浮遊。正面2Fバルコニーにカウンターと赤いランプ。
お話。会社同僚に岡惚れされた人妻は便乗した車の事故で死亡。あの世にまで
男と一緒という嫌な顛末。そこでは本当の死を勝ち得るためのレッスンが日々
行われ。いわく主体はない、私はなく全体である、そうしてお前達は消えていくの
だと。言ったことをすべて嘘呼ばわりされる、言葉の意味を失っていく、ことごとく
指名匠の通りに学ぶ従うなどの全員参加エチュード、これが結構難行苦行。
その頃、人妻の夫・歌以外はエキスパートは妻を蘇らせるべく、死の世界から
弟を連れ帰った姉の元を訪ねていた。
絶対死を想する滅私、奉公なエチュード仕立てのアバンギャルド演劇。死んだ妻を
愛するあまり地獄に赴くオルフェイスの悲劇。諦められない、死ぬことができないな
地獄の沙汰を発想する諸事あれこれ。舞台は闇に包まれたあの世、正面のソファに
ふんぞり返る、地獄先生（野口かおる）の指導の下、上気に書いた、滅私のための
レッスンあれこれ。即興結構と推定の自己紹介を全否定質問で追い詰めるとか、
連綿。不条理に荒くれる先生より、容赦ない稽古ぶりがまあ怖い。
地獄までストーカーに追われるオルフェイスの妻役の人妻、死だけはどうしようも
ない万能社長な夫、社長に秘かな愛してそれっきりの秘書もまた地獄。ええ加減な
地獄の係員、生きているような死んでいるような弟（フライング趣向で半端さ醸し）
とライトタッチの姉の浮遊感がおかしみ醸して、軽重バランス。
もやもやした終演後に現れる、思いがけない地獄にちとびっくり。奇抜装置の
双数姉妹らしいところ。
役者。淡々とした懐石料理演技が続く中、勇ましい焼肉ぶり言動の野口かおるさんが
口恋しく旨い。セクシー佐藤､毒舌今林もまたスパイシー。
[月間一覧］