＠初台 新国立劇場小劇場(2014/11/5-24 21ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/
全指定 A席5400円 B席3240円
作：モーリス・パニッチ 翻訳：吉原豊司 演出：ノゾエ征爾[はえぎわ]
美術:杉山至 照明:服部基 音響:井上直裕 衣裳:駒井友美子 ヘアメイク:川端富生
演出助手:渡邊千穂 舞台監督:村岡晋
出演：
温水洋一：ケンプ
江波杏子：グレース
2014/11/05(水)晴 7:02-9:34PM(1'12/休17/1'02)ロビー側前方 客席7割(250人?)
客層：シニア中心、初日につきスーツ関係者多め、男性過半数。
客入れ：センターステージを挟んで6，7列のスタジアム客席。バルコニーは四方
ぐるり囲み。折り込みチラシそれなり。パンフなし。物販。パンフ B5 800円。
カーテンコール1回1分。四方へ礼。
「二人芝居 ─対話する力─」シリーズ第二弾。カナダの作家作品。Vigil＝夜通しの
看病が原題。
舞台。島舞台の中の島。橋がかりの溝内に寝室。ベット1、対面にソファ椅子、
背景に全面ガラス窓の壁が吊られ。反対面に床と同じ木地のボックス数個。
天井に枯れた枝。思いがけない使われ方をし。全体は休憩中に180度入れ替えし。
お話。何十年も音信不通の男の元、伯母さんからしの危篤の通知。取るものも取り
あえず駆けつけた彼だが。老女と中年男の1年に及んだ共同生活スケッチ。
演技スタイルはスタンダードも、演出はあれこれとユニークな驚きをちりばめ。
冬から春に至るように、解けていく2人の生活変化を毒気も孕んだシニカルコメディ
として描き。孤独と絶望、老いと死をテーマに結構厳しい季節を過ぎつ、切なくも
終にハートウォームへと至るラストに感涙ねこ(マッチした客出し音楽に微笑み）。
演出。ギネス級に明暗転を繰り返し、小さいシーンを連ね重ね。ワンショットで
終える時もあって、もう音楽？、ＰＶ？にリズミカル。暗転中はジャズ、ボサノバ他
スムースなラウンジ音楽を流し。前半とかドライな芝居の後、リッチな潤いを与え
たり。とっても小気味よく、しだい満たされていく2人の心象にもあって○。
この他後半につれ、仕掛けがいくつか登場する思いがけない面白シーンあり。
2人芝居なんだけど、発話のほとんどはケンプ・温水さんのものというのもユニーク。
語りまくるわけだけど、結構偏屈な大人子供キャラで、ありさま自体が喜劇的。
ユーモアとペーソス、ブラックな毒吐きと目まぐるしくて、まあ面白い。
相手役のグレース・江波さんは、目線の動き等仕草や態度で受け答え。きりっとした
佇まい、慈愛と茶目っ気を潜めた空気感が魅力。ベテランならではの確かなキャラ
造形なり。