＠静岡 静岡芸術劇場(2019/01/14,19,20,26,27,2/2,3 7ステージ)
http://spac.or.jp/theatre_theatre
全指定 一般4100円 ペア割引3600円 グループ割引3200円 ゆうゆう割引3400円
学生割引［大学生・専門学校生］2000円［高校生以下］1000円 障がい者割引2800円
作：レオノーラ・ミアノ 翻訳：平野暁人 上演台本・演出：宮城聰
音楽：棚川寛子 美術デザイン：サラディン・カティール
照明デザイン：吉本有輝子 衣裳デザイン：駒井友美子 小道具デザイン：深沢襟
ヘアメイク：梶田キョウコ
舞台監督：山田貴大 演出部：武石守正、秡川幸雄、折本弓佳、山崎馨
照明操作：樋口正幸、花輪有紀 音響：山﨑智美、澤田百希乃
美術担当：佐藤洋輔、渡部宏規 ワードローブ：高橋佳也子、川合玲子
演出補：中野真希 技術監督：村松厚志 監修：芳野まい
英語字幕翻訳：スティーブ・コルベイユ 英語字幕操作：大石多佳子
制作：米山淳一、西村藍、大石多佳子
宣伝美術： 阿部太一（TAICHI ABE DESIGN INC.）
製作：SPAC-静岡県舞台芸術センター、コリーヌ国立劇場
助成：文化庁文化芸術振興費補助金（劇場・音楽堂等機能強化推進事業）
独立行政法人日本芸術文化振興会、在日フランス大使館／アンスティチュ・
フランセ日本
出演：
鈴木陽代(スピーカー/語り）：イニイエ（万物の創造神）
美加理（ムーバー/動き）
阿部一徳：カルンガ（世界を行き来する神 イニイエに仕える）
本多麻紀：マイブイエ（地上に生まれ出る魂 ストライキを起こす）
寺内亜矢子
石井萠水
山本実幸
大高浩一：ウブントゥ（生まれ変われずさまよっている魂 マイブイエと出会う）
永井健二
吉見亮
横山央
たきいみき：オフィリス（一千年の罪人 巫女）
大石宣広：ムエニ・コンゴ・マカバ（一千年の罪人 コンゴ国王））
加藤幸夫：ダメル・ビゲ（一千年の罪人 カディオールの統治者）
牧山祐大：ジャネア・ビッグ・チーフ（一千年の罪人 海外沿いの地を治める）
大道無門優也：ラスカル（一千年の罪人 奴隷から人身売買人）
2019/01/19（土）晴 2:02-4:15PM（2'10)前方中央 客席7、8割(300？人）
客層：大人よりに3世代。子供連れもあり。女性過半数。
客入れ：最前Ｍ列（2列目）。折り込みチラシそれなり、袋つき。パンフ B5縦折り
6ページ。物販。中高生向け公演パンフ200円。カーテンコール3回3分。
開演前プレトーク フランスの公立劇場からのオファー。演出家が決まらず、
作家から宮城聡の名前がでて、劇場側からかなり驚かれたよう。理由は神話の世界の
物語として描けるから。予備知識。アフリカにも輪廻転生があり、独特なのは
生まれ変わりは人間のみ／同種族であること。物語には神様と魂しか出演しない。
魂は三つ、輪廻する、成仏できない、罪人。物語説明。
宮城は断罪するのではなく、魂を静める、慰める舞台にといっていた。
舞台。手前にオケピ、舞台上空に大きく二つの円（月）。両袖に天井からの
麻？とメタルロープの列。
お話。アフリカ。女神イニイエは使者のマイブイエを通じ、「始まりの大陸」で
新生児に魂を授けてきた。マイブイエは、奴隷にされ、海の藻屑となり、さまよい
続ける魂ウブントゥで出会う。彼らから自分たちに非業の最期を強いた当事者から、
真相を聞きたいと訴えを聞く。女神の計らいで奴隷貿易の大罪人(一千年の罪人）が
真実を語り出す。自国を守るため、キリスト教に改宗して奴隷貿易に加担した
支配者、ヨーロッパと戦う武器を得るため捕虜を売った王など。イニイエは
ウブントゥの憤る魂は鎮められるのだろうか。
甘くない神様。厳然として心かき乱すが、気づきを与え、勇気づける。
アフリカ大陸で奴隷売買に関わったものの真実の声を晒す、夢のお白砂芝居。
暴力性は廃し、断罪でなく、償いを働きかけるものとし。複雑なしがらみから、
当事者の人間性を言葉と心を濾過するよう。非道といわれた政治家、聖職者も
人民を思わぬものはいなかったことに感じ入るねこ。ベテランはむろん、若手も
個々に役柄を力強く担う。気概と成長の様が本舞台の願いと重なるようで
じんわりするねこ。イニイエ・美加理が人間以上の存在感で成仏しそう。巫女・
たきいみきな。張り裂けそうに身もだえる様に心痛く。
闇を背景にした淡い明かりが静かで美しい、成仏同文。パカッシブなリズムが
途切れない音楽に、永遠を思ったりするねこ。
トーク 4:29-5:05PM(36）超満員50人
ゲスト：仲本千津（社会起業家／RICCI EVERYDAY代表取締役）、宮城聰
司会：大岡淳（SPAC文芸部）
アフリカに関わっている人をゲストに呼んでいる。
仲本（感想）ウガンダで暮らしている、紛争で隣人に親戚を殺された、が日常に
ある。過去の争いを乗り越えて、今があるのだと実感する。裁くか赦すかが
普段から。重なるところがあり勉強になった。
（植民地政策で生まれた南北対立と紛争について）宮城（のっぴきならない対立が
ある芝居を当時国のフランスで上演して）移民たちが暮らす「縁」の劇場でも
観客は白人ばかり。今回は珍しく、5％位のアフリカ系観客がいた。白人客も
覚悟ももってというか意識高い系。アフリカ系の人たちは固有の苦難の歴史を
ユニバーサルにしたいと思っている。終演後に笑顔で話しかけてきたのは
アフリカ系の人達だった。
仲本（アフリカで起業した経緯）イギリス統治下でインド人が運営してきた。
第三者である日本人には好意的。日本人ならでわの細やかな物づくりを広めたい。
アフリカ人はすぐ壊れても修理すればいいというが。
宮城 それは豊さといえる。芝居もそう。
仲本（モチベーション）シングルマザーや、元少年兵だった人達の生活が変わって
いくのをみていくこと。
宮城（モチベーション）自分が変われるという夢が捨てられない。自分がもっている
ツールで料理することができないこと、素材との出会いに向かい合うには、
新しい自分でないと続けられない。今の自分が嫌なのだと思う。
奴隷制度のことは自分とは一番遠いこと。今回、僕は知ることができる、劇団員も。
やらないよりやった方がいい。知ろうと思っている状態なら手がけられる。
仲本（今回の舞台を薦めるとしたら）人間として赦す、時代と向き合うきっかけに
なれば。紛争を経験した国から、新しいものを満たすのが会社のテーマ。
平和な暮らしが続けられれればいいなと。
司会 なんて偉いんだと驚嘆して、静岡はたまに突然変異のようなすごい人がでる。
宮城 ミアノさんがいっていたこととシンクロする。（僕の解釈だが）奴隷制度が
持ち込んだのは、分断と相互憎悪。憎悪は代々受けつながれていく。ミアノさんは
新しく生まれる赤ん坊にはまだ憎悪はなく真っ新、その中へ愛をと、そうすれば
世界は変わっていくと。
[月間一覧］