＠下北沢 小劇場楽園（2022/01/21-23 4ステージ）
全自由 一般3500円 高校生以下1000円 当日券500円増
＠京都 京都芸術センター講堂 12/17-19 5ステージ
作・演出：大原渉平 音楽・演奏：吉見拓哉 舞台監督：脇田友(スピカ)
照明デザイン：吉田一弥 照明(京都公演)：木内ひとみ 音響：江口佳那
文芸：稲垣貴俊 フライヤーイラスト：森裕介 宣伝美術：大原渉平
制作：飯塚なな子 当日運営(東京公演)：及川晴日
主催：京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会) 京都公演 劇団しようよ
京都芸術センターCo-program2021カテゴリーA「共同制作」採択企画
出演：
夏目慎也[東京デスロック]：男（無職 母を介護中）
西村花織[劇団しようよ／劇団飛び道具]：男の妹
大柿友哉 ：妹の旦那
南波圭[なんばしすたーず／ 青年団]:レイコ先生（セミヘブン セミナー講師）
波多野伶奈：女性生徒（男の元教え子）
前田隆成[ハコボレ]：トム君（セミヘブンから来た先死様）
2022/01/23(日)晴 3:03-4:39PM(1'35)下手ブロック前方 客席ほぼ満員(45人)
客層：2世代、20-30才代中心、男性過半数。
客入れ：開場時10人弱。感染対策。検温、手指消毒。下手5、上手4列の通常客席。
下手最前の関係者席は演出上使用。当日パンフ A4縦折り 4ページ。物販。上演台本
700円ほか。なお、京都公演後戯曲は無料公開中。カーテンコール1回後規制退場。
3年振り新作本公演。東京公演も久々。
舞台。白い木製椅子2、大きなキャンバスが吊られ1。客先側にギターと歌で劇伴の
吉見さん、効果的な音、フレーズを出して○。
お話。人間の命をクラウドにアップロードできる世界。あの世とこの世の狭間で
その世＝セミヘブンと言われ、その手続きはパア、望むならダウンロードして、
本人（アバター？）と会うことができる。認知症の母親を介護する中年男性は、
訳あって無職、妹夫婦が生活費を工面してくれている。終に経済的理由から母親を
パアすることを迫られるが踏み切れない。
突飛なＳＦ設定もしごく現実的で身につまされ、死がない世界から生を激しく
逆照射して、ガツンとくる力作。母で無くなっていく母と子の日常的な悲劇に
止まらないのが本作の凄いところ。中年男性の不祥事、教え子の子宮内で癒されたい
子宮回帰願望からの更衣室で下着愛玩行為は、疎まれて育ったトラウマと認知症で
母に忘れられることが発端。時を経て偶然、元教え子をダウンロードしてしまい、
子宮願望再発、もはや駄々っ子なおじさんと化してしまう場面は壮絶な喜劇となり。
幸せも哀しみもない先死様である教え子はできるだけ叶えてあげるが、不祥事がもと
で望んで死んだ＝パアしたこと、生前は憎んでいたことを同時に告げて、男を地獄へ
たたき落とすという最悪。さらに妹夫婦が子供になしたことを告白して最悪の最悪。
結果、死に場所をもとめて母子がさすらう終盤、吉見さんのThe End of the World♪
伴奏とも堪らなく虚しく哀しく沁みて、母の失禁＝生の証に我に帰り帰宅と、味の
ある関西ブルースのように終幕。この中年男性役・夏目さんがいままで観た中で
最高の演技。全身全霊でかっこ悪くて惨めで哀しくて正直でバカで優しくて素敵。
花束をあげたいねこ。
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