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 SPAC ふじのくに せかい演劇祭2024 ふじのくに野外芸術フェスタ2024「白狐伝」

 @静岡 駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場(2024/05/03-06 4ステージ)

 演出・台本:宮城聰 作:岡倉天心(「THE WHITE FOX」) 音楽:棚川寛子
 美術デザイン:深沢襟 照明デザイン:花輪有紀 音響デザイン:澤田百希乃
 衣裳デザイン:清千草 ヘアメイクデザイン:梶田キョウコ
 演出補:中野真希 舞台監督:小川哲郎 演出部:杉山悠里
 照明:吉嗣敬介、水野ヒカル 音響:大朏実莉、牧嶋康司(エス・シー・アライアンス)、
 望月愛美(エス・シー・アライアンス) 人形デザイン:吉田裕梨
 美術担当:佐藤洋輔、森正吏 衣裳制作:清千草、牧野紗歩、池田佑菜、石川光輝、
 高橋佳也子、マドレーヌ・テシエ(インターン) 字幕翻訳(中国語・韓国語) ブレイン
 ウッズ 株式会社 字幕制作(英語) :Ash 字幕・演出助手:大石多佳子
 二幕コルハガウンデザイン:高橋佳代 シアタークルー(ボランティア) 五十嵐悦子、
 平塚敬子、宮原順子、武藤月子 制作:大石多佳子、佐藤飛子

 出演:美加理、葉山陽代に代わり 宮城聰、池田真紀子、内山怜菜、大内米治、
 大高浩一、加藤幸夫、河村若菜、貴島豪、榊原有美、桜内結う、鈴木真理子、
 舘野百代、寺内亜矢子、藤見花、布施安寿香、本多麻紀、森山冬子、吉植荘一郎、
 若菜大輔、渡辺敬彦

 [M=Mover (動き) /S=Speaker (語り)]
 美加理:[コルハ(M)・葛の葉(M)]
 葉山陽代に代わり宮城聰:[コルハ(S)・葛の葉(S)]
 大高浩一[保名(M)]
 若菜大輔[保名(S)・演奏]
 貴島豪[悪右衛門(M)・演奏]
 吉植荘一郎[悪右衛門(S)・演奏]
 池田真紀子[侍女(M1)・狐(S1)・巡礼(M1)・演奏]
 内山怜菜[兵士(M4)・狐(S5)・巡礼(M7)・演奏]
 大内米治[兵士(M1)・演奏]
 加藤幸夫 [兵士(M3)・演奏]
 河村若菜[兵士(S2)・狐(M6)・演奏]
 榊原有美[侍女(S1)・狐(M1)・巡礼(S1)・演奏]
 桜内結う[侍女(S5)・狐(M5)・巡礼(M3)・演奏]
 鈴木真理子[侍女(M3)・狐(S4)・巡礼(M5)・演奏]
 舘野百代[兵士(S1)・狐(M2)・巡礼(M6)・演奏]
 寺内亜矢子[侍女(S4)・狐(S2)・演奏]
 藤見花[侍女(M4)・狐(S6)・巡礼(M8)・演奏]
 布施安寿香[侍女(S2)・狐(M3)・巡礼(M2)・演奏]
 本多麻紀[侍女(S3)・狐(M4)・巡礼(S2)・演奏]
 森山冬子[侍女(M2)・狐(S3)・巡礼(M4)・演奏]
 渡辺敬彦 [兵士(M2)・演奏]

 2024/05/06(月・祝)曇 7:02-8:26PM(1'19)前方上手 客席ほぼ満員(570人?)
 客層:2世代、大人より 女性過半数。
 客入れ:感染対策 特段なし。当日パンフ B5 半折り7ページ。雨天時用ビニール
 シート、使い捨てカイロ配布。防寒着、カッパの人も結構と言う手練れ。
 今日はさほど底冷えせず助かり。カーテンコール1回後、急死した葉山陽代さんの
 追悼、代表作の曲演奏で2回目に替え。

 プレトーク8分 大岡淳(SPAC文芸部)
 岡倉天心の業績、人生の光と影、取り分けて女性関係。その女性達の影が見え隠れ
 する、そこには早くに亡くした母親が居るのではないかと。大岡淳劇場とばかり、
 ノリノリで解説。、
 プレパフォーマンス「ミニびゃっこでん」6分
 次いで、演劇先行学科一期生の高校生による、前日段導入。
 出演:静岡県立清水南高等学校芸術科演劇專攻(大木里桜、太田小春、加藤凜子、
 立川鈴奈、田中那夏、橋本莉心、藤浪栞奈、山村夏帆)
 演出:宮城嶋遥加 指導:片岡佐知子

 舞台。中央はシースルー、公園庭園が見渡せ。上手下手に囃子方、葛の葉を染めた
 大のれんを掛け。舞台面には漆塗り風の調度2、池の小書き割り1。
 お話。超自然な力を持つ白狐コルハと人間が織りなす悲劇。森に住む白狐コルハは
 領主・保名に命を救われる。恩返しに人間の娘に姿を変え、子供をますが、保名と
 その妻・葛の葉との後の幸せのため、その子を置いて元の森に帰ることを選ぶ。

 異類婚姻譚なロマンチックで切ない恋物語。手練れの人間浄瑠璃に、工夫のモブを
 加え。ユニゾン人形は整然と兵士らしくもコミカルさ添加。台車移動のキツネ連は
 飛ぶが如くまた賑わい。音楽はリズム楽器にコーラスを重ねて涼やか。歌舞伎の
 「葛の葉子別れ」では曲書きの技が前面にでちゃうけど、こちらは白狐コルハの
 悲嘆が赤裸々に表され。もんどりうち、身を絞るようにしての別れの置き文を残す
 美加理が痛烈。言葉を超えて迫り、胸を打ち。そこから、野外らしく奥行きを生かし
 遠くの白狐コルハが保名と再び相見舞えるラストは夢のよう。辛い現実、夢のラスト
 と演劇の素敵なところ。葉山陽代さんから替わっての宮城さん。説教節を詠い聞かせ
 地で二役を語り演じると、変幻自在、ミヤギサトシショー健在。

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