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　新国立劇場「テーバイ」

　＠初台　新国立劇場　小劇場（2024/11/07-24 16ステージ）
　全指定　A席7700円 B席3300円 開幕3作品通し券21700円　Z席1650円

　原作：ソポクレス「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」「アンティゴネ」
　翻訳：高津春繁（「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」）、
　呉 茂一（「アンティゴネ」）による
　構成・上演台本・演出：船岩祐太[演劇集団 砂地] 　美術：土岐研一
　照明：松本大介　音響：信澤祐介　衣裳：山下和美　ヘアメイク：高村マドカ
　アクション：亀山ゆうみ　演出助手：朝倉エリ　舞台監督：野口 毅
　出演：（場）
　植本純米：クレオン(�T) (�U)(�V)
　加藤理恵：アンティゴネ(�U) (�V)
　今井朋彦：オイディプス (�T)(�U)(�V)
　久保酎吉：羊飼(�T)、テセウス(�U 隣国アテナイ統治者)、番人�@(�V)
　池田有希子：イオカステ(�T)、テーバイの兵士�A(�U)、エウリュディケ(�V)
　木戸邑弥：男�A(�T)、ハイモン(�U)、コロノスの男�B(�T)
　高川裕也：テイレシアス(�T予言者)(�V)、使者(�T)、テーバイの兵士�@(�U)
　藤波瞬平：男(�T)、ポリュネイケス(�U)(�V)、コロノスの男�B(�U)、
　　アテナイの使者(�V)、番人�A(�V)
　國松 卓：神官(�T)、コロノスの男�A(�U)、評議会の男(�V)
　小山あずさ：イスメネ(�U)(�V)

　2024/11/08(金)晴 6:30-9:13PM(93/休15/53)1F最前方　客席6割？(200人？)
　客層：2世代　ベテラン中心　男性過半数。
　客入れ：感染対策　手指消毒任意。最前B2〜14列、Zバルコニー席は40弱。
　当日パンフ 相関図と写真付き配役がロビー置き。物販。パンフ B5 800円。
　カーテンコール2回1分。

　長期「こつこつプロジェクト」船岩祐太主導作品。
　舞台。静謐な黒の抽象空間に近代の執務調度や異形オブジェ置き、無言のムーディ。
　一場と三場。光沢ある黒リノリウムの床、正面中央に重厚な両開きドア、下手に
　王様の書斎机、中央床に丸い紋章、下手奥にタイプライター置いた書記机、手前に
　水差し、花束置いた小テーブル。椅子がいくつか点在。二場。いわくありげな石が
　鎮座する霊場。

　お話。ギリシャ悲劇・テーバイ王家の物語を一気見できるお得な構成。オイディプス、
　アンティゴネのすったもんだから、これまで脇役ぽかった統治者クレオンの苦闘に
　焦点を当てる趣向。

　今に刺さる、新しい視点で描く古典劇。面白い。等身大の人物描写、近代〜現代の
　装い、もの言いで親近。大きなモノ(神様関係やモンスター、あと血脈）に理不尽な
　目に合う人とその家族の悲劇をより際立たせ。二場のアンティゴネには父を介護する
　娘の生々しい心情を滲ませたりもし。国家と個人の関係を痛く風刺。国家安寧繁栄の
　ために個人を切り捨てるクレオンと、理解を示した上で人として疑念と憤りを隠せ
　ないアンティゴネと家族。現代の紛争や政治へ世界の人々が感じてる気持ちを代弁
　してくれ。私人クレオンの苦闘も言葉にならず表して、多義性もたせ。原作から
　離れているようで深掘りしてて見事と思うねこ。削いでパートカラーに印象的な美術
　、一方、二場での爆発するようイメージは蜷川幸雄演出を彷彿させて印象に残り。
　役者。若手中堅とも実在感ある演技で見応えあり。緊迫感ある場が続くけど、緩急等
　でおかしみ醸したりと味わい。

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