タ・マニネ「浮雲」
＠渋谷・シアターコクーン(1995/7/7-23 19ステージ)
全指定前売り当日共 7,000円 コクーンシート3,500円
原作：林芙美子 作・演出：岩松了
出演：
富岡（不倫男）：小林薫
ゆき子（富岡の恋人）：風吹ジュン
日高（すが子を大事に思う男）：勝村政信
すが子（後家のフーテン娘） ：吉添文子
篠井（女教師）：栗原一実
みどり（篠井に思いをよせる女生徒）：前田昌代
田村（すが子と純愛？）：戸田昌宏
蒲団屋（蒲団屋） ：岩松了
若い男（蒲団屋の店員）：高橋勝
登戸（後家に横恋慕男）：不破万作
のぶ（富岡に思いをよせる後家）：吉行和子
1995/7/14(金)7:00-9:30PM 曇 １Ｆ中段中央から 客席７割
お話。日本が戦争中、インドシナで不倫の男女。敗戦直前、病気の妻とその夫は
ぼろぼろになって、屋久島にながれつく。舞台はここから。看護の後家、その娘
と男友達。後家にいいよる脂ぎりおやじ。泥沼な世界はとどまらなくて。
原作の最後が今回の場面。だいぶ脚色あるそうです。
たまらない岩松世界。微笑ねこ。人生につかれた、行き場ない不満かかえた
人物達。一筋縄じゃない複雑さと隠された影。例えば、娘（吉添文子）。通わぬ母の
愛情に飢え、男に寂しさ紛らそうとする。それは本意ではないが嫌いでもない。
純な愛情を、別の男と通わせているが、互いに結ばれるをよしせず、思ってくれる、
また別の男に体を預けるが、上の空。てな（かな？）具合。よーするによく解かり
ません。
過剰にヒステリックな演技が、いつものように突発展開。ぐちゃぐちゃで見た目
さっぱりの不幸がとまらない。互いに気付かない身勝手、いざ接点を持とうとしても、
×の哀しさ。もう、たまらないねこ。舞台、鬱蒼とした屋久杉の巨木が背景。深々・
意味深で、◎。
小林薫の１５年ぶり舞台が呼び。これから、「たまにね」舞台をかけるらしい。
もっとも、タ・マニネは、古代ウテナイ語？で「演説」「井戸」の意（パンフ）？？だそう。
二枚目がぼろぼろに朽ちる感じ、もっとあると良かったのになあ。
吉添文子は、主役の風吹ジュン食ってます。存在感、◎。勝村政信は、岩松世界
とは、また違う。根は誠実って感じあってる。吉行和子は器用。巧いです。
パンフの包装凝ってる。段ボールに挟んで、封印。それを新聞紙（ベトナムから取り
寄せたらしい）でくるんで、「泥沼素敵」の○シールで留。リトグラフかなんかみたい。
で、「浮雲アルバム」の巻頭は、平田オリザ氏の「いま、なぜ、浮雲か」の「解説」。
青年団のこんどの芝居や与那国島に行かれることと、南が舞台のこの芝居。
不思議関連。
当日券、ありあり。開演直前でも可。でも、７０００円。コクーンシート(3500円)の
当日券分は、売り切れでした(･_･)。
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