東京懐古旅団「星と風と空のレール」
＠都電荒川線／6000型車両6152号 （都電王子駅発→都電王子駅着）
(1997/2/8,9,11 3ステージ) 当日指定席1000円
作・演出：松本ソレノ
出演：水樹、山下ひろと、川上春樹、高山昌子、尾崎徹、竹内正則
1997/2/11(火)雨 5:35-6:30PM 車両王子側前方より 客席満員(43人、立見あり)
客層:20才代中心。関係者か、おじおばさんも。男性がやや多めかな。
走行するちんちん電車：荒川線車内での公演。初見の劇団。プラネタリウムでの
公演を去年やったとのこと。キャラメルボックスの新幹線車内公演とか、有名だ
けど、こっちはもっとこじんまりなご近所企画。チケットを安く1000円とした心
意気や、カラープリンタ出力のパンフに書かれた都電への思いに好感ねこ。
5:10PM 王子駅三ノ輪方面ホーム。チラシをもった一団が既に。首からボード下
げたお姉さん（昔の鉄道工員？みたいな服。紙と顔はちょっと白塗り）が受付。
ロボット振りの白塗り車掌が、ロボ声で注意してる。胸の液晶モニタには下町ロ
ードムービー風ビデオ。でも、一般客のじゃまはあなただよん（笑）。整列して
待つ間、なんだなんだ状態の周囲。通りすがりの女子高生一団なぞ興味津々に見
てる。電車から降りた子供はびっくり。じいさんはなんですかなと質問。はずかしい
けど、いい。
5:35PM 向かいのホームに件の車両登場。わー、木造車両。昭和20年代製造。
現役では最古の車両らしい。丸い外装がレトロ。やじうまのお姉さんも思わず
歓声。パンタグラフからは火花ばしばし。貸し切りの看板。なんかうれしい。中では、
気持ち白塗りの役者達が静止状態。ポイントから戻って、ホームへ。
ホームから順番に乗車。ワニスを塗った車内。昔の車両の写真が掲示。向かい合
わせの通常座席部、中央が舞台。お客は両端の座布団席に着席。ごとんごとんと
走り出す。ちょうど、暮れ方。しだいに暗くなる空と栄える商店街、民家の明かり。
通り過ぎるホームでは何事顔の人達。踏切の音と赤いライト。ちんちん通り
商店街。自動車通過待ちで停車。窓に雨だれ。お芝居の外の景色は過ぎていく。
お話。母子家庭のぱたぱたした日常。なぜかおかあさん役（男優）は、ちゃぶ台
を頭にのっけてる。車掌とお客のなんでもなげな会話、駄洒落なやりとり。時折
、窓を明け、風に問いかけたりな詩的な場面。メークや口調もあって、維新派を
彷彿。不思議な懐かしさあり。全体、くすくす笑いある気の置けない親しみやす
さが○。しょうもない駄洒落にも、いつになく微笑ねこ。役者では、少年ぽさが○
な水樹？さん（維新派の石本由美さんタイプ）が好き。
6:05?PM 三ノ輪駅に到着。折り返し点。車掌と運転手はお客の中を通って入れ代
わり。ロボ車掌が故障したりな、バタバタ場面をはさんで出発。景色が後ろに流
れていく。
後半、家族達がすでに死んでしまった者達とわかったり、実際、帰り道なことも
あって、ひとしおしんみりねこ。この場と状況を生かした演出は○。逝った者達
もみな懐かしさの内にな、和みのラストシーンのうち、王子駅に到着、終演。
ホームでは、ロボ車掌がアンケート用の鉛筆配りと回収。また、何事とうかがう
周囲。
だれでも考えそうで、できない公演を実現した劇団と都電の人達に拍手したい。
次回は野外劇とのこと。楽しみ。
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