トリオ天満宮２００１旗揚げ公演「流星病」
＠大阪心斎橋 ウイングフィールド（2001/8/3-5 5ステージ)
全席自由 当日・前売りとも2000円
http://toriten.tripod.co.jp/
作・演出：魔人ハンターミツルギ［遊気舎］舞台監督：武吉浩二［STAFF空海］
照明プラン：葛西健一［劇団クセノス］ 音響：児島塁［Ｔ＆Ｃｒｅｗ］
宣伝美術：えばらみちこ［トフタム バーガーショップ］
制作 田口聖一郎、トリオ天満宮
出演：
今仲ひろし［立身出世劇場］ ：林 修二（新入りの患者。なぜか名に「田」なし。）
上別府学 ：田野口 裕太（患者。シャイな元リーマン）
上田雅規［７７団］ ：田倉田 倉田（患者。ずれたこだわりあり）
加部妙子 ：川内田ひろみ（患者。かわい子ぶりとの落差あり）
高宏 宏 ：鈴木田 信長（患者。クールな男の子、川内田に恋？）
武内麻里 ：高島田 翔子（患者。お嬢様）
中川 律 ：上門田 真一郎（患者。中学生で感染、極端に無口）
二宮いづみ［遊気舎］ ：大山田鈴子（患者。惚れっぽい、恋に命がけ）
藤本友紀 ：田坂井 陸（患者。そうは見えない自称日本人）
古川一美 ：田村坂 明美（患者。若いがしっかり者）
松岡里花 ：木村田みつ（患者。夢みがちな子）
森岩宏文［遊気舎］ ：谷川田 瞬（患者。ホモっぽいと言われる）
瀬戸啓充［劇団甲山界隈］ ：後藤田 星造（患者。元社長、悪性腫瘍で余命少）
辻 順子 ：神宮寺シズ子（新入りの患者。頭のねじが外れている）
村井千恵［立身出世劇場］ ：吉田原真理子（新入りの患者。借金苦で親は死）
魔人ハンターミツルギ［遊気舎］：吉田原純（患者）
P.J.ALIBABA〜エネルギー ：所長（愉快な人）
山本忠［遊気舎］ ：榊原（医者）
2001/8/4(土)猛暑 3:05-4:45PM(1'40) 最前列より 客席超満員（90?人)
客層：20才代中心、女性過半数、おばちゃんもちらほら。
客入れ：１Ｆで整理券、区切って５Ｆまでエレベーター、階段から順番で入場の
いつも通り。桟敷２列、後方段々畑。一部壁際に客詰めあり。荷物預かりは
場内で積極的にあり。折り込みパンフ。Ａ４ 4ページ。写真寿司詰め、配役に
顔写真付きが親切。物販なし。
遊気舎内ユニットから独立したとかユニット「トリオ天満宮」。年１ペース故に
本名では旗揚げ解散なり。なじみの劇団員に加え、若手役者を集めての今回。
舞台。素舞台。奥、テーブルに大きめの名札（実は、頭にかぶる名札。死亡した
患者は名（札）のみがこの世に残る）
お話。２０世紀末、痕跡も残さず、発光と共に人間が消失する奇病「流星病」
発見。血液検査でのみ、判別可能、治療法なし。ここは隔離施設。老若男女の患者
は厚遇こそされ、只死をまっているのみ。新入り患者・林はとても病人とは思えず
元気で個性的な患者達に戸惑うばかり。これといった理由もなく脱走を試みては
引き戻されるを繰り返し。患者仲間は次々と消失していく。絶望の中もなけなしの
望みを掛けた直後、無慈悲に消えちゃったりして。中には想い寄せた子の消失に
自殺する子もいたりして。笑っちゃうほど、どうすることもできない林、はなんて
ことか、最後の一人。もう破れかぶれに思いのまま？、その気持ちの高なりは、
彼をして脱走せしめる、輝く発光の中へと。
懸命にじたばた、生きる様に、ユーモアとペーソス滲ませ。「月影ホテル」同様、
キャラ芝居でたっぷり楽しませ、ちと哀しい、な切な系。登場人物はわがまま
ぎみに、みな前向き個性的で活き活き。流星病なる生死のドライな現実を対峙、
仕掛けて、生の愛おしさ、儚さを浮かばせる。置いてきぼり感一層にして、死が
生き残った者達のものであることが思い起こされ、ちとしみじみねこ。理不尽、
シニカルなそれぞれの死は、ばたばたの日常と笑いに紛れ、悲しみに立ち止まら
せない。そのさらりとした加減に好感ねこ。
キャラ笑い中心。ちともどかしく、外れぎみ。べたなどたばたが目について、
うーん。役者の生硬さか、拙ささか？なれど、惜しいと思うねこ。
個々人のスケッチは、切な系中心に○。全体の構成は引っ張った割に終盤唐突、
観念的でも△。ラスト、声すれど姿を現さない役者でのカーテンコール
（病を逃れた逃亡医者役山本忠のみ本舞台）。死者との「出会い」、「シックスセンス」
な趣向？。死の向こう側に馳せるまでには、感慨抱かずねこ。ちと才に走りすぎ？
かしらん、とも。
役者。巧拙とりまぜ、懸命、賑やかに。P.J.ALIBABA。本編はさておく、マイペース
な怪演ぶりに微笑みねこ。
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