＠王子 王子小劇場（2004/1/16-18 4ステージ）
全自由（整理番号付き）前売り2300円 当日2500円
＠大阪 HEP HALL 2003/10/3-7 6ステージ
作・演出：竹内 佑 舞台監督：海老澤栄 舞台美術：岡一代[池田意匠事務所]
照明：松谷將弘 音楽、音響：和田俊輔 衣装：遊光 振付：豊田真吾
映像：松下隆とデス電所と イラスト：河合克夫 宣伝美術：スタジオ伊勢
宣伝写真：名越啓介 制作：西川悦代 製作：デス電所
出演：1/31 いわももさん＠神戸 情報（感謝）により役柄記載。
竹内 佑：兄弟に殺される眼鏡刑事
米田晋平：腹巻してたおっさん刑事
福田靖久：おっさん刑事の相棒、実は煉獄
山田千絵：青空
豊田真吾：断食兄妹の兄
和田俊輔：ＤＪ
山村涼子：？
田嶋杏子：？
2004/1/17(土)曇 7:06-9:05PM(1'57) 後方より 客席ほぼ満員(38?人)
客層：20才代中心、男性７割。カップルは少な目、単独客半分。
客入れ：雛壇にパイプ椅子4段、気持ち千鳥配置。上下舞台を使い、映像を上方に
投影するので、後方のが見やすし。映像は掲示板（なぜか縦長半角）ほかＰＣ上の
文章が見難くて△。荷物預かりなし。傘は各自傘立てへ。折り込みパンフ。A4
3ページ。劇中歌歌詞、スタッフ、予定掲載。配役はさておき、役者名が載ってない
のはなぜ？。次回公演。6/16-18駅前劇場ほか、伊丹、京都。
物販。サントラＣＤ1500円、ベスト版ＣＤ2000円、Ｔシャツ2100円。ほか。
初見。新作のたび賛否両論の噂を聞く大阪の劇団。以前＠大阪、当日券で振られ、
人気のほどを身を持って知ったねこ。東京公演は2回目かな。
舞台。凹型の上下が舞台。壁はチーズのように穴ぼこぼこ。正面はスクリーン兼用。
前方から中央に階段をかけ。両側の壁を開けると小部屋あり。下手がＤＪブース、
上手が登場人物達の部屋。舞台幅倍以上の大阪ではどんな装置だったのかしら。
（1/31 中央が広場だったとのこと）
お話。解体焼却とえぐい連続幼児殺人、ネット上依頼殺人。２つの猟奇事件を背景。
親父刑事と、彼をなにかと小馬鹿にし毛嫌いする若手刑事の捜査コンビ。ラブホテル
で売春しては生き長らえ、断食日記ＨＰを開設してる姉弟。理想ばかりで実が伴わな
い漫画家志望の若くもないダメ青年と、親切心で彼を助ける美術学校の若い女性2人。
そんな困った三組が物語を併走、やがて巨大掲示板でそれぞれの繋がりが明らかと
なっていく。
依頼殺人を実行している「青空」とは、美術学校の若い女性の一人。幼い頃、誘拐
監禁され、外界との接触は巨大ネット掲示板だけという放置虐待。彼女曰く、スレッ
ドの書き込みによって、自分は育てられた、殺人はそのことへの恩返し。
行き詰まるとリストカット、猫虐待写真をＨＰで公開するダメ青年に、嫌気がさした
もう一人の女性。「青空」は依頼でダメ青年を殺害。
もう一つの殺人者「煉獄」とは、実は若い刑事。ネットで「祭り」を起こすことで、
自分の存在意義や居場所を見出そうとしての凶行なのか。露呈し、すべて終わること
を望み、叶えられて死亡。
しかし、「煉獄」は自分が忘れられることは望まず。後を託したのは、断食日記の
いかれた弟。断食は偽、親殺しの過去をもち、姉というのは妄想・実は妹・近親相姦
で子供を孕ませている、と最低。彼は隠し持つ「食料」の悪臭苦情と、殺人予告掲示
板の実名書き込みから手繰ってきた刑事を殺害。さらに「煉獄」とコンビ刑事の死へ
と導いていく（かな）。
浮き世離れの苛烈さに、今に生きる哀切感を浮かばせて独特。描ききれないもどかしさ
、舌足らずさが惜しく、同時これからのお楽しみねこ。ギャグというか、漫才な会話
は冗漫しごく。奇をてらい過ぎて、外すこと少なからず。感情が高まったりすると、
突然ミュージカル化。どうでもよさそうなことを針小棒大に歌い踊って、呆れさせ。
パソコンを運ぶ（だけの）歌とか、くだらなくて○。歌詞がやや聞き取り憎いのが難。
カットバックしつつ場面補完とか、素になってＤＪスタッフと無駄話とか、自由度
高め。説明的とか、わかりやすさとかをあえて廃したい意図は伺え。終盤の収束は
ちと粗っぽく、力技印象。切実な孤独で繋がった関係性はもひとつ伝わらなかった
ねこ。主人公（らしい）「青空」のみ、心中をテキスト投影（縦書きなのは真情の
意？）して親切丁寧なんだけど。全編にちりばめた意欲的な異物感はちと面白し。
次回公演がどんなか、楽しみにしたいねこ。
役者。だれがだれやら。かわい目なのに、時々女を捨てる女優陣の思い切りのよさ○
全体一杯一杯の演技なのは、ちと複雑な脚本故かしら。もっと遊んでもいいと思う
ねこ。そんな中、断食弟に殺される、つっこみ得意の眼鏡刑事役（作演出）が飄々
と泳いでいるのが、印象に残ったねこ。
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