タ・マニネ 第3回公演「ワニを素手でつかまえる方法」
＠渋谷 PARCO劇場（2004/2/20-3/7 20ステージ)
http://www.parco-city.co.jp/play/
全指定 前売6500円 当日7000円
＠大坂ドラマシティ2/14-15 3ステージ
＠北九州芸術劇場・中ホール3/12-13 2ステージ
作・演出：岩松 了
美術：磯沼陽子 照明：沢田祐二 音響：藤田赤目 衣裳：前田文子
舞台監督：山岡 均 制作：パグポイント・ジャパン
出演：
小林 薫 ：フレディ若狭（ワニ捕獲員の資格を持っている元歌手）
緒川たまき：ユキ（ホテル経営者）
徳井優 [自転車キンクリーツ]：島田（支配人）
片桐はいり：うさぎ（娼婦）
佐藤銀平 ：ネンジ（娼婦の息子）
小澤征悦 ：ハジール（日系二世のインドネシア人）
田中哲司 ：亀山（宿泊している小説家）
三谷昇[演劇集団円]：森脇（暴力団組長）
岩松 了 ：和久田（暴力団組員）
荒川良々[大人計画]：丸尾（暴力団組員）
2004/2/28(土)晴 2:07-4:32PM(52/休17/1'14) 前方下手 客席ほぼ満員(450人)
客層：20-30才代中心、女性7割。中年層はおじさんが多め。
客入れ：当日券あり、他の日のチケットも販売。折り込みパンフなし。下手のフロン
トが見切れと思いきや、演出のよう。折り込みパンフなし。
物販。パンフ(B6 45ページ 800円)文芸雑誌の体。対談（岩松了×行定勲）、
寄稿文、稽古場写真と結構盛りだくさん。第一幕第一稿の脚本とおまけ小説付。
お買い得。カーテンコール2回2分と好評のよし。
小林薫が岩松了作品でな企画最新。前回から4年とたまにぶりは健在。
舞台。天井高く、円柱が三本。正面右手よりにガラス窓一面、スタッコ壁がスペイン
風の紅いロビー。上手に円弧を描くバーカウンター。下手の円弧階段を上がり、一段
高いバルコニー。その高さのまま真っ直ぐでホテルフロント〜玄関のガラス扉。
ガラス窓の前を上手に向かい、壁から2階客席への階段。いずれも入口上はアーチを
描き。
お話。定期船が一日一往復の港町、そこで唯一のホテル。閑散としたロビーに地元の
ヤクザ達。組長は特殊なワニを娘に贈ろうと、売り手の外国人を待っているところ。
若い舎弟はその娘と結婚させられようとしてて、悩み?!顔。またもう1人、地元の娼婦
は人待ち顔。狙っているのは、ホテルに泊まっている小説家。娼婦のほか、その息子
もなぜかたむろしている。経営者と支配人には困った2人だが、娼婦がバスケ部時代
の良き先輩ということもあってか、黙認中。女性経営者は毎年泊まりにくる、輸入
雑貨商・元歌手に好意を抱いているらしい。
ドタバタの隙間に沁みる哀切感。わかりやすい愛憎がわけもわからずにぽつぽつと。
岩松了らしく、謎めきの些末をぎくしゃくと積み重ねた愛憎劇。ワニを素手でつかま
える、そんな単純そうで難しいことを人間関係になぞらえ。思い叶わない人達のじた
ばた、もんもんぶりに笑いつ、しみじみねこ。今回、マジックリアリズムな仕掛けも
あって一層。悪戯でいて、優しい岩松了の眼差しが随所に感じられ。いつもながら、
粒立ちのよい台詞とリアクションが興味深い会話は◎。にやにやと、楽しむねこ。
役者。片桐はいり。芝居がかった、ぽつり台詞がばか悲しくて素敵。田中哲司。妙に
エロティック、やや危険。荒川良々。悶絶ぶりに思わず応援小旗をふるねこ。緒川
たまき。すらっと涼しげ。小林薫。渋いもてもてキャラを自然体でして、美味しい。
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