＠三軒茶屋 世田谷パブリックシアター(2004/4/16-25 13ステージ)
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
全指定 前売り当日とも S席8500円 A席7000円 B席5000円
＠大阪 シアター・ドラマシティ 4/28-29 ステージ
原案・演出・振付：謝珠栄 脚本：わかぎゑふ 音楽・歌唱指導：玉麻向一
作詞：謝珠栄、大谷美智浩、玉麻向一 美術：太田創 小道具：池依依依（絵）
照明：小川幾雄 音響：山中洋一 衣装：友好まり子 ファイティング：渥美 博
舞台監督：浅沼宣夫 演出助手：北野真美
主催：TSミュージカルファンデーション、TOKYO FM
企画・制作 TSミュージカルファンデーション
出演：
愛華みれ ：リー･スー･フェイ（ティエンの妹）
土居裕子 ：リー･ラン･ティエン（フェイの３歳年上の姉）
畠中 洋 ：ドー･ミー・トアン（姉妹を助けた元・解放民族戦線の兵士、現運転手）
沢木 順 ：チャン･ゴック・ハイン（同上、現チンピラ）
根本 豊 ：ホー･クァン･ビン（同上、後自殺）、ビック（ビンの父親）
宮川 浩 ：ダン･ニャット･ミン（同上、現高級クラブオーナー）
堀米 聰 ：ユン･チ･ゴク（同上、現お坊さま）
川本昭彦 ：チェー（ビンの弟）他
福永吉洋 ：警官 他
平野 亙 ：黒い男 他
幸村吉也 ：スリの男 他
北野真美 ：解放軍 他
長尾純子 ：フェイの少女時代 他
松本菜穂 ：解放軍 他
藤森真貴 ：白い女 他
永瀬恵理子：ベトナム人 他
服部有香 ：ベトナム人 他
ミュージシャン
大山泰輝：ピアノ えがわとぶを：ベース たまきあや：ヴァイオリン
宮崎隆睦：ウィンドシンセ、フルート、サックス 宮崎仁：パーカッション
2004/4/24(土)晴 12:07-2:45PM(1'16/休16/1'02) 3F上手より 客席9割(600人)
客層：ほとんど女性、20-30才代中心に家族な幅広さ。グループ客多め。
客入れ：当日券あり、詳細不明、１Ｆの通路に補助椅子あり。開演前ロビーにお香の
薫り。チャイナドレスのお嬢さん達が蓮の花型香炉を捧げて、あちこち。いつもの
ように無料コインロッカー、不要チラシ置き場、案内員常駐とポイント押さえてて
○。３Ｆ席も、音響に問題なく、チューニング○。折り込みパンフなし。
物販。パンフ（A4 1000円）挨拶、背景資料、役者紹介など。読み物ほどよくあり。
半袖Ｔシャツ1500円。ほかＣＤなど。カーテンコール、演出分を含めて2回4分
笑顔がいい役者ぞろいで、心地よいねこ。
初見のカンパニー。評判の良さ、土居裕子さんら出演者に惹かれていったねこ。
舞台。舞台（八百屋？）を囲むようにのれん状の綱。家の窓や町並みを思わせる模様
を描き。舞台中程にも吊りおろし、回想、ベトナムの村やジャングルの借景などを
それ越しに重ね見せ。上手半分の床が波形の縁を描いて一段高く、店内や畑を模し。
装置は吊りものを多用、寺院で螺旋のオブジェ、村でよしずに傘など。視界と芝居の
じゃまにならないシンプルで効果的な美術は、スピーディな転換にも寄与。
お話。ベトナム戦争で離ればなれになった姉妹の妹が、20年後に姉を探しに行く物語。
タイトル”tam biet”はベトナムの言葉で「さようなら」の意。訪ね歩く元兵士の仲間
達は、悲惨な過去から忘却、身を持ち崩す、自殺などで逃れていた。亡命した妹も
自責の念に耐え難く、また逃れようとする。それを引き留めたのは、逝ってしまった
姉の、絶望の暗闇にあって輝くような生き方だった。
すっかり泣かされつ、上出来の舞台を嬉しく思うねこ。音楽座を彷彿とさせる高水準
の日本語ミュージカル。アジアンテイストの音楽が全編。親しみやすいメロディと
沁みる歌詞の数々。特に主題歌は終演後も知らず、口ずさみ、また泣いたり笑ったり
するねこ。バックダンサーが絶えず目まぐるしく入れ替わり、舞台に活気。天衣無縫
の展開に勢いをつけ。回想と現在場面を同時進行させたり、少女時代の妹と現在の妹
の二人一役で姉を抱いたり、など演劇的演出を多用。そんな泣かせどころ沢山あり。
やられちゃったとおもえど、これだけ泣かせてくれるなら、もう素直に拍手もの。
自分探しな物語、姉の子供と「再会」な夢のようなラスト とか凡庸な舞台なら覚め
ちゃうかも。感涙させてくれたのは、心をこめ、丁寧に情熱をもって創られてるのが
伝わるから(書いてて恥ずかしながら）思うねこ。
役者。粒ぞろい印象。音楽座仲間の畠中さん（星の王子様で狐役とか。今回は姉妹の
友人で元教師役）と土居さんが絡んでるだけで、なんか感慨ねこ。二人とも歌唱はい
わずもがなのすばらしさ。土居さんの明るく、心に沁みてくる歌声に何度も泣かされ。
犯罪に身を持ち崩してしまった役、沢木さん、存在感あり。親の介護のため、この
舞台で役者をやめるとかの名優・高田さん。親の面倒のみるため帰郷なんて台詞が
あり、胸にくる。いままでにないすっぴんの飾らない演技、結構な歌唱力で魅せ。
引退がほんとに惜しいと思うねこ。主役の妹役・愛華さん。歌い上げるというより、
語りかけるよな歌唱と演技。なんか引き込まれるねこ。土居さんと並ぶと、負けちゃう
けど。
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