＠池袋 サンシャイン劇場(2005/6/24-7/3 13ステージ)
http://www.sunshine-theatre.co.jp/
全指定 前売S席8000円 A席5000円 当日S席8500円 A席5500円
演出・振付：謝珠栄 脚本：大谷美智浩 音楽：甲斐正人
美術：大田創 殺陣：渥美博 照明：小川修[ルポ]
音響：山中洋一[サウンドクラフト] 歌唱指導：泉忠道 衣裳：西原梨恵
ヘアメイク：趙英 舞台監督：山矢源 演出助手：北野真美 振付助手：中村さち恵
宣伝デザイン：大野剛明[シアターガイド] 宣伝写真：相澤伸也
制作：TSミュージカルファンデーション 協力：サンシャイン劇場
企画・製作：TSミュージカルファンデーション
出演：
坂元健児 ：片山平吾（元直参旗本。柔軟な考え方をする）
川本昭彦 ：加納弥助（平吾の竹馬の友）
畠中 洋 ：田島郡兵衛（平吾、弥助の兄貴分。見た目お調子者）
絵麻緒ゆう：轟由希子（富豪商人の娘。パワフルな帰国子女。一座を興す）
鈴木綜馬 ：捨吉（由紀子の謎めいた従僕）
今 拓哉 ：橘右近（無口で純な剣豪）
風花 舞 ：静江（右近の妹。物静かな娘）
福永吉洋 ：栗山大輔（没落氏族。座員となる）
幸村吉也 ：斉藤小弥太（元士族。座員となる）
平野 亙 ：新畑伝四郎（元士族。座員となる）
武智健二 ：佐々木誠一郎（元士族。座員となる）
ミュージシャン：吉田さとる(キーボード)、えがわとぶを（ベース）、
宮崎隆睦（サックス、フルート）、宮崎仁（パーカッション）、
山岡真弓（チェロ）、熊代七恵（筝、三味線）
2005/6/25（土）晴 6:01-8:54PM(1'09/休16/1'23)1F中段 客席8割（700?人）
客層：20-30歳代最多に幅広く女性8割。お友達連れ多め。
客入れ：当日券詳細不明。１Ｆは後方とサイドをのぞき、満席。折り込みパンフ
なし。物販。パンフ(A5版 39ページ 1000円) オールカラー 役者インタビュー
、稽古場写真、背景資料ほか 盛りだくさん。Ｔシャツ 初日で売り切れとか。
ほか舞台写真など。 カーテンコール3回5分。終演後、出口前でプレゼント当選者
３名の座席番号掲示あり、どんなん頂けるのかしらん。
ミュージカル俳優でもある大谷氏の脚本、ベテラン作曲家甲斐氏の音楽による新作。
舞台。袖で折り返し上がる、舞台幅の傾斜路。下手下部にオケピ。天井高さ・３枚の
墨絵凧が衝立替わりに左右、展開に活用され。上手に縦、正面よこに捻った銀テー
プ、紡ぐ風のイメージを演出？。
お話。幕末〜西南戦争の頃。氏族達は一斉に失業の憂き目。廃刀令がでた時勢も道場
通いの剣豪・橘に真剣勝負を挑まれた平吾。ひょろり難を逃れようと、仲間の郡兵衛
、弥助と策を巡らすが×。そんなとき救いの手を差し伸べてくれたのが、帰国子女
実業家の由紀子と従者の捨吉。聞けば、本物の武士によるパフォーマンス一座を
つくりたい。ぜひ、橘を引き込んでくれないかという。剛柔あれこれの主義と思いを
掛けた士族達で一座は結成。いよいよデビューという矢先、旧会津藩の一派が反政府
行動を起こすとの噂。日頃不満を抱く座員を中心に動揺が走って…。
価値観が裏返った社会に適応できなかった士族達の命がけの人生の美しさ、悲しさを、
青空のように澄んだ歌にのせて描く、音楽群像劇。
侍達の純な精神、棄てられた過去の価値に光り。合理性や利潤からでなく、世界と
精神のあり方から問うた、不器用な、でも懸命な人達への讃歌。骨太な批判精神から
の視点も常にあり。滅びの美などへ安易に流さず、好感。悲しい顛末も、未来を望む
余韻を残し、清々しくみるねこ。
芝居、歌とバックダンスが間断なく流れる、アクティブな進行はお家芸。殺陣や曲芸ら
まじでみせる場面が多く、唄いながら肉体運動の役者達はご苦労様。前半、三ばかトリオ
な郡兵衛らの愛嬌ある芝居が笑いとともに場を和ませ。悲惨さに沈ませず、案配○。
謎めきの人物や歴史事件を背景とするも、あくまでメインは人間。平易な心打つ歌詞
とメロディ、響く歌声。耳に残り、知らず口ずさみたくなる主題歌を始め、良歌ぞろい。
上出来の歌と、できる役者達の心こもった芝居で、それぞれの人生が暖かい力をもって
立ち上がる。自由と不自由、相対するよな境遇と生き方それぞれにある普遍の価値に
心触れ、しみじみ地味と感じ入るねこ。物語の牽引力を思えば、登場人物とエピソードを
もうちと刈り込んだほうがいいかも。でも、それぞれを活かしたこのままも味わいありと
思うねこ。
役者。平吾役・坂本さん。朗らかに伸びる歌声と素直の姿勢が魅力。由紀子役・
絵麻緒さん。輝く華やかなトランペット。静江役・風花さん。どこか懐かしく、
透明なフルート。郡兵衛役・畠中さん。いつにないコミカルキャラも、結構歌場面多し。
音楽座ファンにはとりわけ嬉しいところ。捨吉役・綜馬さん。暖かく豊かな声に、良い
お手前でしたと微笑みねこ。
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