＠下北沢 駅前劇場(2008/8/14-17 7ステージ)
http://www.honda-geki.com/aaa/ekimae1.html
全自由 前売2500円 ペアチケット4600円 当日2800円
脚本・演出：高羽彩 舞台監督：藤田有紀彦 舞台美術：稲田美智子
照明：吉村愛子(Fantasista?ish.) 音響：角張雄(SoundCube) 道具：田畑美穂
衣装：佐藤愛 フライヤーデザイン：サノアヤコ 運営：安田裕美
製作：タカハ劇団 http://takaha-gekidan.com
出演：
西尾友樹 ：板垣（ひきこもり青年）
異儀田夏葉 ：日野（同アパート住人 板垣部屋に入り浸り）
森戸宏明[動物電気]：萬屋（同アパート住人 板垣部屋に入り浸り）
川島潤哉[コマツ企画]：山田（旅行社主任）
鈴木麻美[北京蝶々] ：佐藤（旅行社 山田部下）
田中沙織[柿喰う客] ：大家さん
酒井杏菜[メタリック農家]：宇宙少女
2008/8/17(日)曇 5:06-6:47PM（1'41）前方下手 客席満員(100?人)
客層：20才代中心、男女半々。学生っぽい人多め。
客入れ：前方下手が見易いと誘導。緩い雛段に椅子席7列。クーラー直下のお客に
ブランケットがある旨アナウンス。空席誘導随時あり。 折り込みチラシそれなり。
パンフ B5 3ページ。挨拶、配役、スタッフ、予定。次回公演 2月新作。
物販未確認。カーテンコール1回。
初見ねこ。早大サークル「てあとろ50’」出身の高羽彩さん主宰。2005年旗揚げ作の
再演、不可思議なタイトルに意味はないとか。
舞台。おんぼろ木造アパートの男子部屋と戸外の廊下を見せ。上手ベット、中央小窓
、ＴＶ。下手に本棚や机。スターウォーズやガンダムのフィギュアが沢山。客入れ時
ＴＶでは、名画「マイライフ・アザ・ア・ドッグ」（1985）がずっと流され。封切り
で観た以来、既に感動モードに入ってたりするねこ。
お話。ひきこもり青年の部屋には、シュールな持ち歌でオーディション落ちまくりの
男と、貢いだ男から結婚詐欺にあってばかりの女が入り浸り。全然引きこもれないと
嘆く青年、部屋のかぎは壊れてて防御できないし。ぼけ老人の大家さんがベルマーク
を集め、宇宙旅行に当選、彼女の希望でアパートごと宇宙へ発進。住人は旅行社の
2人が説明に来てから、気づいた次第。さらにあろうことか、地球が爆発、片道切符
旅行となり。スプートニクに乗ったライカ犬がごとく、まっこと絶望的な状況。
旅行社の提案で、宇宙(人）に人類のすばらしさをどう伝えるかに取り組むことと
なるのだが。
雑多な笑いに包まれた哀切と虚無感、抱きしめたくなる愛おしさが沁みるシリアス
シチューエーションコメディ。ダメ人間達が自意識過剰に侃々諤々、ドタバタ模様に
しょうもなとケラケラ笑い。冒頭〜中盤、軽く狂って、コロコロと良く転がる会話が
愉快。やがて目を背けていた厳しい現実とそれぞれの事情が浮かび、軽く致命傷な
中盤。絶望と虚無、そしてカタルシスとやるせなさが漂う終盤。痛く、湿りがちな
展開も、どっこい生きているありさまを描いて沈ませず。儚い人生の、理不尽な運命
にみまわれ立つ人の愛おしさを浮かばせて、ほろり。なるほど「マイライフ・アザ・
ア・ドッグ」。寄せる思いと同じく、しみじみねこ。
役者。旅行社主任・川島潤哉さん。狂っても冷静なキャラ、鮮やかに演じ。シュール
歌歌い・森戸宏明さん。善人だけど、表情がヒキョウな面白さ。異儀田夏葉さん。
大胆なのに臆病なキャラを等身大に演じ。旅行社社員・鈴木麻美。しっかり者、でも
報われない悲しさ。大家さん・田中沙織さん。老婆の変わらない少女な心象をまんま
イノセントなありさまが可愛く切ない。
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