＠駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2006/2/17-19 4ステージ)
http://www.komaba-agora.com/
全自由 前売一般2500円 学生1000円 当日券2800円(一般・学生とも）
＠青森 青森クォーター 2/10-12 4ステージ
＠札幌 シアターZOO 4/8-9 2ステージ
作・演出：畑澤聖悟
舞台監督：藤本一喜 照明：岩城保[青年団] 照明OP.：葛西大志[劇団夢遊病社]
音響：藤平美保子 舞台美術：三浦孝治[ARTS LABO] 大道具：男学校
宣伝美術：木村正幸[ESPACE] 宣伝美術協力：中畑夕紀[ARTS LABO]
制作：渡辺源四郎商店
出演：
久保りつ ：遠山みち(72 カミサマ)
萱森由介 ：安部耕平(28 カミサマの助手)
宮越昭司[劇団雪の会] ：佐嶋金治郎(78 佐嶋家当主)
森内美由紀：佐嶋しのぶ(38 金治郎の長女)
藤本英円 ：佐嶋 明(32 金治郎の長男)
工藤由佳子：村上沙織(32 ヘルパー)
佐藤誠 ：村上武史(34 沙織の夫)
佐嶋さと子(享年38 金治郎の妻、しのぶと明の母)
2006/2/18(土)曇 7:06-8:31PM(1'25)後方より 客席満員（70人）
客層：大人よりに老若男女、男女半々。
客入れ：荷物預かりあり。係員がそろいの名札、Ｔシャツ、前掛け姿でわかりやすい
場内はたすき掛けの和服美人が対応。整理番号順、20番区切りで入場。次第埋まる
客席。全椅子席、雛壇に6列、やや千鳥配置。折り込みチラシふつう、盛岡のちらし
もあり。パンフ A5 3ページ。配役、スタッフ、予定、役者スタッフ全員の紹介文
次回公演。2/8-9＠札幌シアターZOO 今回作品。 9月＠こまばアゴラ「背中から
四十分」山内健司出演。 物販。台本A4 1000円。Ｔシャツ1500円、ビニール袋
100円。 カーテンコール1回。
畑澤聖悟、弘前劇場から独立後初の新作。
舞台。シンプルでスタイリッシュな空間に生活感。ダークグレーのパネル壁、桟が
ずっと走り。正面上手角はビニール養生、赤い下げ振りが印象。赤は下手の格子
仕切りにも使用。下手が玄関、上手が祈祷所の設定。中央ホワイトオークのテーブル
と椅子6。上手壁際に黒電話、下手は紅いソファ。
お話。青森津軽の小都市。カミサマと地元で頼りにされている祈祷師の老婆。彼女の
もと長らく親交のある老爺が亡妻を呼んでほしいとやってくる。腎臓を患うも透析
拒否、早く死んで亡妻に元へ行きたいというのだ。降霊した老婆は生きよと励ますが
、どうも危うい。それからしばらく後、老爺の娘・東京からＵターン希望と息子・
地元で教師が、父親の一大事とやってくる。父親はヘルパーの女性が姉弟の母の
生まれ変わりと信じているというのだ。人生に惑う、寄る辺なき老若男女の暗夜行路
と、兆す希望の物語。
癒しではなく救済、その誠実な視点に泪。 現代口語の標準語と津軽弁が軽妙に行き
交う舞台。独特の笑いの中にも、人生につまずいた人達の影が見え隠れ。老いた寡夫
の物語に、30代の疲れた有職女性と、夫に裏切られた主婦の2挿話が交差。
それぞれの世代への祈祷師の心優しき、時に厳しい言葉と眼差し。巷にはびこる安い
癒しではない、救済の志。押しつけではない、ユーモアを添えた柔らかな呼びかけに
心打たれるねこ。
老爺役79歳！、老婆役72歳！の俳優。実年齢ならではの滋味、ならぬ青春な活力。
ドラマツルギー、演技力とかを越えた存在感の素晴らしさ。俳優の裾野を広げる
可能性をもった無線プロンプ使用。まったく自然な会話を成した、俳優とスタッフの
技術もまたすばらしい。
彼ら人生のベテランと若手の競演、個々の濃い個性のお楽しみ。曇る瞳につり込まれ
そうな森内さん。怪しい、萱森君。前のめりぶりに微笑み、工藤さん。クール、
佐藤さん。初舞台の不安もない、藤本さん。
[月間一覧］