＠西麻布 音楽実験室「新世界」(2014/02/28-3/1 2ステージ)
http://shinsekai9.jp/
予約 3000円＋ドリンクオーダー 当日3500円＋ドリンクオーダー
出演・脚本・演出：横町慶子 出演・音楽・美術・構成：山川冬樹
照明：岡野昌代(Picoler) 音響：三木哲志(音楽実験室「新世界」)
衣装(横町慶子)：伊藤佐智子(BRUCKE) ヘアメイク(横町慶子)：中山正史
演出助手：垣本朋絵(激情コミュニティ) 照明・美術助手：小駒豪
照明助手：田村真依子 美術協力：ステファニー、原田愛
フライヤーデザイン：鈴木諒一 記録映像：山岡信貴 記録写真：河崎夕子
プロデュース：金上みはる(音楽実験室「新世界」) 制作：浜田和枝
協力：パラボリカビス
2014/02/28(金)曇 8:06-8:59PM(51)前方下手 客席満員(40人)
客層：20-30才代中心、中年シニア層も。女性過半数。
客入れ：今日の開場は開演20分前、20人ほど。通常舞台側に客席設置、ピット前の
座蒲団桟敷(掘りごたつ式）1、椅子3列。ピット下に数席。びっしりなのでトイレは
早めか外で済ますので吉。折り込みチラシ数枚。パンフ B5 2ページ。
横町慶子次回公演。8/8-10 白井剛とコラボ＠両国blackA。カーテンコール1回2分
そのまま歓談時間。
復帰第2作は、ホーメイ歌手/パフォーマンス・アーティスト山川冬樹とのコラボ。
舞台。上手に地上階段、下手にバーカウンターと新世界会場借景！？と思いきやさに
あらず。淡くメタリックブルーな床、壁の無機質な質感を活かした空間となり。
中央に大きな電話ボックス台の鏡。下手に黒電話と折り紙を置いた小テーブル。
上手にキャスターの付いた医療用装置・人工呼吸器。
構成。山川さん、頭を叩いて自らパーカッション。骨伝導で拾い？。頭を叩くと
脳細胞が死滅する。ワインボトルを脳は同じ重さと、手に取りごつんごつんとたたき
ながら痛い説明。200回もすれば廃人、それは都市伝説と煙にまき。脳のＭＲＩ断層
写真で部位説明。きれいな頭蓋の持ち主はヨコヤマケイコ、これは彼女の脳が
つくった物語。
中央の鏡の内に横山さん、まるで人形のような。ハーフミラーで観客とも透かし
見せ。「人」に呼びかけ、置き去りはいやだと繰り返し。左右からの光を当て、
半身を浮かばせ。片腕の動きだけがなまめかしい。光の切り替えを次第高速。
(鏡を出て)テーブルにつく横山さん。元ロマンチカで踊っていた、今は左右非対象の
人間です。突然、(走行する)人工呼吸器が現れ、横山さんの独り言を繰り返し発声。
聞けば、ピューリタン・ベネット・7200、人の呼吸を助ける機械と自己紹介。
話しかけても応答悪く、横町さんの話を繰り返し。頭の半分が壊れているという、
デージー♪と歌う壊れた機械は、HAL9000＠2001: A Space Odyssey ？。
手を忘れたという機械に共感、「ぴゅーちゃん」と親しく呼ぶ横山さん。呼吸の
仕方を教示願い。さらに片手になってと走る機械に手を預けるが、ぷいっと行って
しまう。取り残される横町さん。
心臓音にあわせて明滅する裸電球。客席前方に起立する横町さん、背後にギターを
パーカッション使いする山川さん。プログレのような、ギター音＋ホーメイ歌唱。
暗転。あなたの左手はどこにありますか、地図にのっていますかと観客に問いかけ。
私はここにいます。
ＳＦ道具立て、実験的に描く横町さんの自画像。あの頃と今だった前作ソロから、
ここから先へ。できることではなく、できないことから始まる今回。静の横町さんの
内心と立場を、動・生理的狂騒を掻き立てる音響らで山川さんが掻き立てる感。
前半、鏡の中で世界から疎外された感触。見えているのに通わない、半身に分離
された意識をビジュアル化。後半は壊れかけたロボットとの半可な対話。デージー♪
に、まずぐっとくるSFファンねこ。左右の車輪でぎこちなくリモコン転進、変調を
繰り返す声が危うくもどこかおかしみ/切なさを醸し。横山さんの切実さ、痛みを
ロボットが鏡となって映すが、ユーモアも添え。最後は心臓音とホーメイ音声とも
観客と正対して「横町慶子」を提示、問いかけ。端正な人形の姿に裸の心を感じさせ
痛くも暖かい感触が残り。
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