＠なんば インディペンデントシアター1st(2022/06/16-19 8ステージ)
全自由 前売3200円 当日3500円 学生2000円
作・演出：久保田浩 舞台監督：久保克司 照明：鎌江文子
音響：Alain Nouveau（Alain Nouveau音楽事務所）
宣伝美術：岩本博（IWAMOTO CREATIVE ELEMENT）制作：宮崎由美（スタッフステー
ション）、要小飴
出演：
「かきつばた」
要小飴：美穂（10年ぶりに帰ってきた娘）
小川十紀子：ヨシエ（夫を亡くし、10年一人で暮らしてきた美穂の母。）
「キス期すキス帰す」
魔瑠：真木(往年の大女優。病院に入院中。）
岸千尋：優子(真木の担当看護師。）
坂ノ上竜也：城ノ内(今は亡き往年の俳優。)
「くさくさためほたる」
西田政彦：タカシ（都会から何十年か振りに故郷に帰って来た。）
中迎由貴子：ミユキ(タカシの幼馴染み、独身のまま実家暮らし。）
久保田浩：黒い鞄の男(あなたのところにも現れるかもしれない謎の男。)
2022/06/18(土）晴 3:04-4:17PM（75)中段下手 客席ほぼ満員（40人）
客層:大人客席、男女半々。
客入れ:感染対策。検温、手指消毒。雛壇にパイプ椅子4列。クッション追加してた
かな。当日パンフ A4 4ページオールカラー。カーテンコール1回、退席する人少
（みなアンケート書き？）
「か行」で始まる＋季節感あるタイトルの新作。
構成。独立したオムニバス三話を前後編に分けて交互上演。謎の黒鞄を持つ男が
何れにも現れて、影を落としたり苦言を呈したり。本編前、楽器もった出演者が
勢揃い（も演奏はしない）。古参・舞台監督さんが登場して挨拶。斜めからの
不思議な御趣向で開演。
お話。「かきつばた（燕子花）」省みることをしなかった娘が10年ぶりに母親と再開。
その間には父親の喪失が。親子は隔たりを取り戻せるのか。
「キス期すキス帰す」。年老いて病の床にある元大女優。看護士と日々交わすのは
亡き恋人に寄せる今に生きる思い。
「くさくさためほたる（腐草為蛍）」。道を違えた、かつて幼なじみの男女が故郷の
森で再会。それぞれの記憶と今の思いが交錯する。
折り合えない、割り切れない不器用な人達。死の記憶と痛みが他者と言葉を交わし、
分かち合うことで癒やされていく。すべて語らず、説明せず、言い淀む間にこそ、
多くを語るという妙。対話とは言葉だけのものではないと心染み入る折々。ベテラン
から若手まで揃って協調、いい絵面を見せてくれ。生きる私たちのありさまを、
繊細にかつ力強く描く、久保田浩の現代口語会話劇を堪能するねこ。
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