大人計画「愛の罰 生まれつきならしかたない」
＠新大久保・Ｐグローブ座(1997/4/4-10 9ステージ）全指定S4000,A2600（当日+200)
作･演出：松尾スズキ 出演： 下記
1997/4/4(金)くもり 7:00ｰ9:20PM 1F２列目から 客席９割(700人)
客層：20〜30歳代男女。一家言ありそな方、多そう。
客入れ：係員が座席表もってそこここ。3F席そこそこの入り。
94-4〜5（本多劇場8ステージ）初演作、再演。
舞台。後方、一段高く。今回転換にせり使用。初演にあった背後の高い壁はなし。
お話。国民的女優、発狂。故郷の島に帰る。ばかな島民、虐げられる奇形。果た
せない望みにじたばたする惨めな彼ら、終わっちゃうまでの狂騒。
初演との即物的違い。初演のビデオ、久々観て。演出。場面設定、装置や人の配
置を結構変えてる。初演の方が客席にオープンな感じ（会社の机並べ方とか）。
ラスト。初演は黒幕で舞台を隠してしまう。今回はなんもない舞台に白々と照明
が注ぐ。終末感いっそう。オオタコさん指摘、チョロの大ラス台詞は初演もなし。
チョロの絶望の声は聞かずとも感じられるは、共感。
台詞。細かくいじり、面白くなってる。今回のがくすぐり多く○、その分長く、
上演時間に反映。キャスト。主要配役はおなじ。脇役ほとんど入れ替え。初演の
荒っぽい、あぶなっぽい雰囲気は減、クールドライに。池津祥子など、あばずれ
な力み芝居がすごみに転換。キムのより正体ぽく、松二郎は荒くれ減は、役者の
個性。かわいさ余って憎さ100倍な桑原虚は、控えめな役で残念。
初演ではもひとつ乗り切れなかったねこ。切なくて、当時大人計画に期待してた
奇天烈さと違ったから。あれから松尾スズキ世界はより深厚。当時とは違った目
で観られたねこ。
感動。どっかかけた、不安とやるせなさの味わい付きでたまらない思い。見込み
のない救いがある分、絶望は完遂せず浮遊する。完全に終わらないから救いも
始まりもなし。酷いけど、すばらしいラスト。濃いというより、森羅万象な展開。
一つのエピソードが通常２時間の芝居に相当。圧縮ファイルが一時に解凍される
、爆裂さ◎。だめな人物達。とても悲しい、酷すぎてとてもおかしい。こういう
の観ると、他がまどろっこく感じちゃうねこ。
役者。新井亜樹。この暗さがたまらない。もっと舞台にでてほしいねこ。松尾ス
ズキ。余裕。井口昇。歌といい演技といい、いい味だしてさすが。阿部サダヲ。
へんな動きがたまに。あいかわらず、面白い。
キャスト（＊：変更キャスト）
初演 今回
藤森愛 池津祥子 池津祥子
＊藤森たつ子 町田まこと 桑畑虚
物集チョロ 松尾スズキ 松尾スズキ
物集けさの 新井亜樹 新井亜樹
＊キム・カムヨン 村松利史 正名僕蔵
＊マリーン 田村たがめ 伊勢志摩
＊種田松二郎 久留蝶丸 金子清文
＊種田ヨシ 片葉みはる 猫背椿
坂下 井口昇 井口昇
松本キヨシ 山本密 山本密
松本シズコ 鈴川麻王 鈴川麻王
＊松本マツ 伊勢志摩 今関朱子
＊松本シメオ ミジンコ 朴本早紀子
＊陳保太 阿部サダヲ 宮藤官九郎
＊甘左古学 立石明石 阿部サダヲ
甘左古トミ 宍戸美和公 宍戸美和公
アキトシ 顔田顔彦 顔田顔彦
＊五郎 君嶋君 宮崎吐夢
＊助役 松浦努 河井克夫
＊冬子 猫背椿 常楽奈緒子
＊コニー 小田蠢蠢 内藤悦子
＊野村 宮藤官九郎 清田正浩
＊野々村 宮崎吐夢 武沢物語
＊課長 正名僕蔵 村杉蝉之介
＊綿引先生 桑畑虚 田村たがめ
＊郵便局の角倉 小原呂馬男 馬場みのる
＊柳井 鎌胴馬 皆川猿時
＊山家 山下正露丸 萩原崇
＊室谷 村杉蝉之介 本田久就
車椅子の少年 田中芳幸 ？
タンバリン 田辺恥子 ？
＊シニアルキ狩り 滝本淳助 皆川猿時（初演のビデオ：藤田秀幸）
産婆 ？ 石川油
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