一跡二跳 第33回公演「楽しい暴力」
＠新宿・シアタートップス(1997/7/23-29 10ステージ) 全指定前売り3200当日3500
作・演出：古城十忍 美術：礒田 央
出演：奥村洋治、松浦光悦、新野照久、越村浩之、小嶋 朋、
神林真紀、長田マキ
1997/7/26(土)大雨／曇 7:00-8:50PM 前方から 客席ほぼ満員(140人)
客層：20〜30才代。男女半々。客入れ：当日券、開演一時間前から。前方と後方
サイド席。通常ドン詰まりの下手側に通路スペースあり、配慮○。
舞台。舞台前面にフローリング床、ベージュ壁な部屋。カーテンで仕切られた外
はベランダ。紺のテーブルと座布団。下手にパソコン。上手にキッチン他へのド
ア。客入れ時、潮騒のＳＥ。近くて遠い、遠くて近い場所をもたない仮想世界と
リアルを体現する装置が面白い。なカーテンの奥は観てのお楽しみ。
お話。ベル友、メール友達。虚偽もそのままなら、相手には幸せ。なはずだった
のに。メール、通信人格が成った背景と訳、それがための罪を描いてく。
嘘もホントに、実体ないのにそこにある通信ネット・コミュニケーション。を。
思い、記憶、想像も生身の役者がリアルにみせるエンゲキ。の。手法で描く趣向
が○。交錯する仮想世界とリアル、人物の心象描写に区分け無し、なんでもあり
言い換えると、リアルはどこにもあるようでどこにもなし。お客は視点喪失、迷子
状態。これ今の世界の怖さ、体感させて面白い。絡まった人間関係が次第明ら
かになる展開はサスペンスな面白さ。装置を巧く使うは、前述の通り。ラストの
どんでんがえし。残された者の状態を物理的な海で表現。エンゲキしてて○。
人物に隠された深み、虚偽に訳あり。結局、愛する者を喜ばすための屈折だった
りする。みな淋しいいい野郎。はつまんなくもあり、誰でも「楽しい暴力」を悪
意なく振るっちゃうかも、な恐さでもあり。なんかいやなことだ。鶴亀鶴亀。
役者。エキセントリックとクール、そしてその中間と、メリハリくっきりな演出。
奥村洋治さん。暑苦しい役を存分に。松浦光悦さん。さすがの凄みと存在感。新
野照久さん。クールで不器用、得体の知れなさがあって○。
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