岩松了プロデュースVOL.6「スターマン ２チャンネルのすべて」
＠下北沢 ザ・スズナリ(1998/2/3-11 12ステージ） 指定3500自由3200（当日+300）
作・演出：岩松了 出演：下記
1998/2/11（水祝）晴 7:05-8:45PM 中段から 客席満員（180人）
客層：20後半〜30才代中心。男女半々。客入れ：指定座席の前後が狭い、ような
いつもよか。それも含めて自由席・最前列で観れば良かったと思うねこ。そうい
えば丁度初演のころ('91)、この背もたれ椅子に模様替えしたんだっけ。
岩松了第１回Ｐ公演、再演。あの頃、東京乾電池の岩松作品はみながらがら。こ
んな面白いのに何故と思うこと多々。スターマンも同様に大した入りじゃなし。
初演キャストは、これがおもしろくなきゃ何が面白いなキャスト。実際◎。
舞台。初演と配置は同じでも、調度は違うような。記憶曖昧。フローリング、ブ
ラインド窓が下手外窓、中央部屋仕切窓に。中央、丸いテーブル、床座りカーペ
ット。奥に長椅子。下手にシングルベット、チェックのクッション２つ。オレン
ジぽい壁には本棚、籐かごが数珠繋ぎ？。上手、コーヒーの樹、絵、玄関への
出口。上手、壁中央にワイングラスが連なりぶら下がり。その下はワインやら置い
た戸棚、手前にくずかご。チェックやら暖色系のカラーやらのすっきり部屋。
お話。他人と自分に折り合いがつけられない、不器用な妹を軸に、共に子供時代
のトラウマを抱えた兄、お友達なお約束を無自覚？な暴力として使う岸川、不在
な夫に淋しくも、幸福を信じたい神尾、無意味な笑いになあなあと逃げ込みたい
小野寺、神尾家のラブラブＳＥＸシンボルな、揺れて鳴る壁のワイングラス らが
中途半端な泥沼で、無用に引きずり込みながらゆっくり沈んで行く、ような光景を
淡々と描く。
なんか久々に観る岩松了世界。とっても好き、面白いホン。生きて行くのがへた
っぴな兄と妹の危機感がスリリング。見えているものと、時折そこから覗く見えて
いなかったものの２チャンネルな世界。劇中冒頭の台詞にあるよう、物と言葉
がみな意味をもってるような、充実した謎めき。わくわくねこ。準主役なワイン
グラス。は兄妹を擁護してくれた伯母の記憶。伯母は二人が知らない、蒸発した
父とＳＥＸ？、ついには謎の自殺。隣の神尾・妻は妹と孤独友達、伯母の面影を
観る妹。神尾家のＳＥＸ時に揺れるグラス。神尾妻SEX＝グラス＝伯母×父。ラ
スト、神尾妻が不在も鳴るグラス＝父の不義、伯母と母の不幸せ、幸福の瓦解、
子供時代のいじめと不安の記憶＝逃れた不幸が再来する予兆＝おののく妹。
なんて他にも、いろいろ考えられて出歯亀ねこ。面白し。
今回、エキセントリックさ、狂気小。ちと肩すかしねこ。でも等身大にいやらしさ
好演。妹とか女子中学生がいじめをしてるみたいな、かわいい顔ですげえ残酷
な雰囲気かもしだし。諸刃の剣で傷つき、ないたいけ感もあり。良くも悪くも今時
な危うさを感じたねこ。
キャスト 初演 今回
'91/9/3-12(11ステージ）
ザ・スズナリ
妹：広岡由里子 中込佐和子
兄：有園芳記 戸田昌宏
岸川：柴田理恵 坂井貴子
神尾：鳥山佳子 沢木みな
小野寺：谷川昭一郎 玉置考匡
ワイングラス：６個？ １２個？
千秋楽。役者挨拶。舞台そのままなキャラ印象。戸田さんの風邪が伝染、ちょっと
熱がある？で演技したと中込さん。裏で他のことばかりして、と笑ってばかりで要
領を得ない沢木さん。淡泊な玉置さん。岩松さんからのキャスト紹介、最後はワイ
ングラスがリリリンと挨拶。
|