R.U.P. プロデュース 「雨かしら」（全労災演劇フェス）
＠新宿・スペースゼロ (1998/4/3-12 12ステージ) 全指定前売り当日共4500
作：内藤裕敬 演出：木野花
出演：戸川純、池田成志、円城寺あや、河野洋一郎、明楽哲典
1998/4/3(金)晴れ 7:20-8:40PM 前方より 客席ほぼ満員(350人)
客層：20-30才代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：当日券、本席20枚ほど。開演１時間前ならまだ余裕。
舞台。楽屋の調度が素舞台の上に。下手から。洗面台１、化粧台４、冷蔵庫、ドア
、ロッカー、衣装ラック、カーテンで仕切られた出入口、ドア。中央に折り畳み長机。
後半、展開により部分撤去、後方の舞台裏の雑多を見せる。
お話。「ヘレンケラー」稽古の楽屋。いい加減そうな演出家（池田）にこれでいいのかな
役者達。役つくりに、人間関係に悩みつつ、舞台は崩壊寸前の家庭に入れ替わり。
遠距離通勤で透明人間な不在父親、問いかけに応えなき孤独な子供、理解できない
孤立母親な姿が立ち現れ。えー、そんな演出に変えるの！？、ヘレンケラーを。
本番まであと２週間、しょうがない考えましょうよ、考えなきゃ・・。
巧みな演出に「拍手」ねこ。赤裸々な内容に演劇な衣（メタファー）まとわせる。
その着こなし具合が○。お話な展開は△。後半が尻切れトンボで食い足りないねこ
ディスコミュニケーションもの。解らないこと（家族＝ヘレンやら）と、対応しなきゃ
いけないこと（他人として理解する努力＝役つくりがため考える）がくっきり、具体的に
オーバーラップする。ホン？の台詞の不足を補って○な演出。
解って貰えない「透明な存在」なキレル寸前の子供（明楽）が切れないナイフで皿の
上に延々引き続ける場面の恐さとか、ヘレンの役造りに悩む役者と子供を理解でき
ない母親（戸川）の呼応とか、印象に残ったねこ。冒頭とラストは、豪雨の音故、会話
×で四散する役者達。劇中劇の夢から醒めたよな現実をドライに描き、１人ほっとかれ
感を体現させて巧み。全体、シリアスで暗い内容なれど、くすぐりやとほほ笑いつきで、
沈ませないのに好感ねこ。
役者、みな達者、力と存在感あり。浮いてるヘレン役者、戸川さん。わからないことを
理解しようとする、その真摯な演技が○。お歌もちと聴けて○。入魂役者役な、
円城寺さん。元・夢の遊眠社の彼女に「（役者は）動き勝負」と言わせるのに微笑ねこ。
明楽さん。おとぼけと切れの両面を見せて魅力。河野さん。とほほさ○、もうちと見せ場
ほしい。池田さん。いくつも脇をこなす、道化な役。もったいない気もするねこ。
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