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 R.U.P. プロデュース 月影十番勝負 第四番「唇からナイフ」

 @新宿・紀伊國屋ホール (1998/7/16-24 11ステージ) 全指定 前売り当日共4,500 
 作:中島かずき 演出:鈴木裕美(自転車キンクリート
 出演:高田聖子、長野里美、加納幸和(花組芝居)、六角精児(扉座)、
 久松信美(自転車キンクリート)、大倉孝二(NYLON100℃)

 1998/7/18(土)晴れ 2:05-4:05PM 後方より 客席超満員(450人)
 客層:20才代中心、女性過半数。いかにも小劇場ファン中心層。
 客入れ:当日券、開演30分前から販売。50人ほど列。全員入れた模様。パンフ類の
 物販なし。

 新感線・高田聖子アナザーフェイスなストレートプレイ公演の四回目。
 舞台。扉式のパネルを連ね、展開する装置。ぼろアパート部屋、古色なお屋敷部屋
 微風吹く戸外公園、と背景転換。
 お話。田舎町、羊クローンを研究中の私企業。とある事故から、あろうことか人ク
 ローンが誕生。イッテル所長(加納)に知られることを恐れた、気が弱い亀吉(六角)
 は上手く隠しおおせたつもりだったが・・。行く末の定まった人の苦しみ、悲しみを
 裏打ちに、今生きる輝き、愛おしさをおちゃらけリズム中に描いてく。

 幕の内弁当なお話、役者のとりどり楽しさ。複雑なテーマに単純な恋や思いで応える
 登場人物への共感。猟奇な設定のサスペンスとお茶の間ギャグの等身大の落差が
 おかしい。とぼけ顔でどたばた、横道に行きかけながら、しめるとこはきちんとした
 演出。私たちの言葉で追ってゆく心理、とくに高田さんの、は丁寧で好感ねこ。

 切ないラストも、暖かい感触が残り◎。たとえ、この世が真っ暗闇で信じられるのは
 ピザ屋の30分出前だけとしても、それを悲観するじゃなく、食べてる熱々のピザの
 美味しさ、デリバリーの心意気に今の喜びを見いだしてくよな。苦しみの中、駆け
 抜けた主人公の安らいだ顔に、そんなこと思って安堵するねこ。彼女という命を
 見守る周囲の名前が火、水、木、土とエコロジカル(+金で陰陽五行とか)なのに
 も、自然風景な場面の中なるほろと勘ぐりねこ。

 役者。さすがよくわかってる個性引き出しぶり。暗め?でいて妙に明るい、六角。
 単純そうで機微抱えた、久松。しゃべりまくりに知性と優しさ、長野。こだわりの
 中、お茶目忘れず、加納。なんかこう間がね、変、でいて素直に気持ちを感じさせる、
 大倉。しんみりも、おちゃらけサービス、高田。とか。

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