M.O.P. 第31回公演「遠州の葬儀屋」
＠新宿・紀伊國屋ホール(1998/4/3-5 5ステ） 全指定前売り当日共4000
作：土田英生(MONO) 演出：マキノノゾミ 美術：奥村泰彦
出演：三上市朗、小市慢太郎、酒井高陽、木下政治、奥田達士、奥村宏懇、
友久航、長尾譲二、長滝元太郎、林宏二、穂積哲也
1998/4/4(土)晴れ 7:05-8:55PM 中段より 客席９割(380人)
客層：20-30才代中心。女性過半数。山田和也氏ほか関係筋見かけたねこ。
客入れ：特記無し。後ろの３列はお客おらず。いい芝居なのにさ、もったいない。
折り込みパンフが的を射た簡潔な内容で○。やたら方言やら名物へのこだわりに笑
舞台。パーティ用船船内。も忘れそうな重厚そうな木造、アーチが優美古風な団ら
ん室。上手、列ぶ丸窓、メタル壁、デッキや機関室に繋がる赤扉、垂直階段で船と
知られる。シャンデリア下げた天井には、揺らぐ波紋が時折。しっかりつくった美
術○。照明も戸外の様子（海な陽光とか）を巧みに演出して○。
お話。葬儀屋の年一懇談会。笑うことが禁じられた彼らも、今日ばかり無礼講。仕
事な葬儀をねたに大笑い。世間には不謹慎故に秘密厳守な密やかさ。今年は船上。
面白い演出と思いきや、すっとこどっこいな船員のミスで座礁。さてどうする、港
に救助も求める訳にはいかずの秘密会だし。
いつもの役者芝居の巧さに、軽妙なホンの新味。大笑いしながらも、心情にじんわ
りくる、いい感じな佳作。葬儀屋ならでわの会話のずれ具合に笑。勘違いエピソー
ド、ずれてるキャラの絡みな伏線に笑。いかにもいそう、ありそうなとこが共感生
んで○。ぽつぽつ爆笑な中も、人間模様しっかり。葬儀をビジネスと割り切る人、
そうできない人。それぞれにしっかり訳がある、平等な視点○。底で死を悼みなが
ら生業としてるやくざなしがらみや対する志あり。勤め人なら年ふるほどに通じる
とこ、あるんじゃないかしらん。
苦みを笑いの中にすっと浮かばせる。軽妙でちとシニカルな味わいなホン◎。土田
さんの作品は初めてねこ。主宰するMONOもこんな感じなのかしらん。パニクる前は
テンポ快調、後半それぞれの思いが絡み、若干沈むテンポ。そうなんだろうけど、
もうすこしなんとかと思ったねこ。笑いはつねに伴っているのだけれど。
役者。それぞれにキャラ好演、味わい深し。実直で不器用な役の三上さん。クール
で不躾な小市さん。いい人な人格者な役の酒井さん。とか。方言もまた、いい感じ
な雰囲気だしてて○。
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