ウォーキング･スタッフ 「REDRUM〜赤い羊」
＠新宿・THEATER/TOPS (1998/4/9-16 11ステージ)
前売り指定2700 自由2700（当日3500）
作・演出：和田憲明
出演：平良政幸、渋谷琴乃、田付貴彦、南谷朝子、小野あゆみ、加藤亜古、
沼崎利麻、佐島由昭
1998/4/13(月)晴れ 7:35-9:30PM 最前列より 客席ほぼ満員(150人)
客層：20-30才代中心。会社帰りの人多そう。男女半々。
客入れ：最前自由席のほぼ全員に雨カッパ支給。冒頭と乱闘シーンで「色が付
いた液体（血糊ですね）」が飛んでくるため。自分の身は自分でお守りください。
でかい音がしますがご遠慮なさらず、耳を塞いで下さい（と演出もokとか）とお願い
あり。最近とんと見かけなくなった即物的演出にわくわくねこ。実際、上手側でちと
飛ぶ以外はなし。いいやらわるいやら。破裂音は結構あって、うへっねこ。
舞台。シートに血染め文字の幕が落とされると、薄暗い黒壁のバー。どことなく、
スペイン？な洋風つくり。下手にカウンター。中央奧に暖炉、大きな丸い鏡と磔の
キリスト像。上は鎧窓ある天窓。手前、２人掛けの丸テーブル３。上手壁、カーテン
が掛けられた窓２と斧１、観葉植物、果物飾り。最奥は出入口。
お話。サイコホラー。男（平良）は酔いつぶれ？目覚めてみれば見知らぬバー。バ
ーテンは酒、そして女を薦める。金は問題じゃないと言われ戸惑う男。胡散臭さに
帰ろうとするも、女（渋谷）の可憐さに思わず引き留められる。彼らの目的は男の
血、生きて行くための。いわれなき虐待を受ける夜から醒めて、店主してるレスト
ランにいけば、その夜と同じ顔かたちの人達がなにげにいて。虐げられ、歪んだ男
の親子関係のトラウマ、通わない深い孤独のストレス故？に男がみている狂った
世界が夢うつつ定まらぬまま展開する。
シャイニングみたいとり付かれた狂気を、愛情やらウエットな心理が歯止め。渇望
するが故に、愛情を欲し、またはそれ故に自分も含め、全てを消し去ろうとする。
通わなかった母親を思慕しながら、同時憎んでもいる。こんな複雑な男をサイコ
ホラーな心理的お化け屋敷な設定で描く。冒頭、男の狂気世界をいきなりみせ、
ミステリアスな雰囲気と暴力性でお客を引きずり込む。謎をはらんだ気が抜けない
展開と生理に訴える演出もあって、緊張感持続。闇をもつ照明、エモーショナルな
ジャズ曲の味わい。即物的なとこ多々なれど、得体の知れない魅力あって○。
男がそうなった理由はぴんとこず？？。生い立ちの断片だけでは説得力ない感じ。
感情移入あまりできず。わからないところが恐さでもあるけど。男の孤独と母性の
メタファー？な女性ミツキ（渋谷）の暖かみと、震える寒さな孤独は感情移入できて
○。
役者。美男美女。絵になる場面多し。狂気にいたる男役、平良さん。追い込んだ
演技に迫力。小市民な気弱さとの行き交いも○。
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