M.O.P. 第33回公演「最初の嘘と最後の秘密〜ラヴィアンローズ・スイート改訂版」
＠新宿御苑前・シアターサンモール (1999/2/26-3/3 8ステージ）
全指定前売り当日とも4000
作・演出：マキノノゾミ 舞台美術：奥村泰彦 照明：大川貴啓 音響：堂岡俊弘
衣装：三大寺志保美 ヘアメイク：武井優子 舞台監督：藤吉成三
制作：ネビュラプロジェクト
出演：
キムラ緑子 ：矢代ひびき （映画女優。20年前亡くなった映画監督の恋人）
小市慢太郎 ：楠田英彦 （エリート刑事。ひびきの恋人だった監督の弟）
三上市朗 ：尾形銀之介 （ひびきが所属する芸能プロ社長。ひびきの親友）
岡森締[扉座]：佐々木太郎 （ＴＶディレクター。熱血漢）
白木三保 ：小宮山純子 （ひびきの付き人。）
奥田達士 ：弁天島満男 （脚本家。名前が憶えてもらえない。）
林英世 ：土井容子 （ルポライター兼映画監督。ひびき主演の映画の）
酒井高陽 ：助川平次 （映画プロデューサー。あだ名は親分）
勝平ともこ ：松平リサ （映画女優。ひびきの後輩）
岡村宏懇 ：ユウ・アシダ（ひびきの恋人。N.Y.のストリートミュージシャン）
ホーリー ：木下政治 （ロックミュージシャン。元・ひびきの恋人）
林宏二 ：鬼塚十四郎 （ＴＶ局社員。佐々木の暴走に辟易、）
友久航 ：白河一平 （ホテルのボーイ。見境無いサイン好き）
竹山あけ美 ：亜美奴 （舞妓）
塩釜明子 ：由美奴 （舞妓）
永滝元太郎 ：鈴木明 （下請け製作会社のＴＶカメラマン。やる気なし）
長尾譲二 ：佐藤浩 （鈴木の助手・照明係。バイト君）
塩湯マユミ ：田中和子 （鈴木の助手・音声係。やる気なし）
清水秀一 ：楠田健司 （20年前に亡くなった映画監督。遺影のみ）
1999/2/28(日)晴れ 2:00-4:45PM(65＋休10＋90）後方から 客席超満員(300人)
客層：老若男女、幅広い年齢層でいい感じ。男女半々。
客入れ：制作の応対は丁寧。前方通路に補助椅子２列(20人）。キャンセル待ちも
出た模様。ビデオカメラが場内に（ＴＶ収録かどうかは不明）。
舞台。豪奢な高層ホテルのスイートルーム。琵琶湖が一面展望。伽藍の壁、重厚な
収納家具。ロココ調ベルベットソファ。棕櫚の観葉植物。天井に大きなファン。窓外
にはブラインド越しに温水プール。下手と上手手前がラウンジ。上手が壁を透かした
形でのベットルーム。
お話。20年前のある伝説的な映画監督の自殺死。監督の恋人だった、映画女優
ひびきに疑惑をもつ、監督の弟であるエリート刑事・楠田。彼に協力、真相を暴き
番組に仕立てようとする、亡き監督への想いも絡むＴＶディレクター・佐々木、らの
駆け引き。事件の真相とともに、人間関係の綾、結びつきが明らかになっていく展開。
キムラ緑子が女優として輝く舞台。恋人だった監督と痛みを共有、絶望のうちも
強くある意志。繊細さゆえ傷つきながらも、破滅さえドラマとして演じようとする、
したたかさ。劇中の台詞じゃないが、人間であり女優である様が絵になって○。
前半はコメディ仕立て。映画賞の発表前後のどたばたが可笑しい。キャラクタも十
人十色。ザコキャラもそれぞれに面白みあり。いちいちこまめにお茶目するのには
そこまでサービスしなくともと思うほど。真相は結構早めに知られ、舞台は人情話
しな人間ドラマに。虚実ない交ぜの監督の真相。本物に近づこうともがいた監督を
人間として理解し受け入れた、ひびき。虚実で割り切ることをより所としている
エリート刑事を、ひびきは批判し戒める。ひびきの潔い本物の女優ぶり、憎んでいた
兄がよせた愛情を知り、鉄面皮な刑事は一気に感情を解き放つ。クール顔から
カタルシスする場面が印象的。
美術はきっちり。豪華だといつも同じ感じなのはもひとつ。音楽はモダンジャズ中心
でしんみり。芸能プロ社長、ひびきが監督との過ぎた想いを話す場面で、
My FOOLISH HEART とか嵌ってて○。
役者。小市さん。クールな演技が終始緊張感を醸して○。三上さん。包容力あるキ
ャラを好演。いい味わい。岡森さん。猪突猛進な演技はまんまキャラなんだけど、
暑苦しいとも思うねこ。
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