前頁 ] ホーム ] 一覧 ] 次頁 ] 


 iOJO!(オッホ) 「興味がない 〜私にしか興味がない。私にすら興味がない。
           そしてウックツは熟していく」

 @新宿 THEATER/TOPS (1999/12/15-19 7ステージ)
 全指定 前売2800 当日3000 学生割引2500(前売のみOREJAにて取り扱い)
 トリオチケット3枚1組7500あり(平日・前売りのみOREJAにて取り扱い)

 脚本・演出:黒川麻衣 舞台監督:松嵜耕冶+至福団 音響:村山 章
 照明:太田さなみ 舞台美術:柿崎一恵 小道具:佐々木忍
 衣装:前田利恵 衣装助手:高橋久子、山中まゆみ、MANO
 宣伝美術:宮澤志野 制作:寺島三津子

 出演:
 人見英伸・・・・・・:番場布美子(総務課 本当は地味なのに陽気なふり)
 桑原祐子[KAKUTA]・・:井手莱由 (総務課 淋しい人。課長と成り行きで不倫)
 高瀬伊万里・・・・・:遠山理加子(総務課 気が利く働き者、裏切られ切れる)
 矢島淳子・・・・・・:永森翔世 (総務課 損な人 番場を慕うが片思い)
 辻脩人[動物電気]・・:古市泰久 (総務課 ぱっとしない課長)
 森雅紀[フルネルソン]:九重利彦 (営業課 古市と同期。気が回るもてもて君)
 片山雄一[NEVER LOSE]:石坂 粛 (資材課 地下勤務、色白)
 田原礼子・・・・・・:南征子  (派遣。仕事がやたらでき、押しが強い女)
 福原充則・・・・・・:首藤千明 (営業課 主任 部下に見くびられてる)
 中村匡克・・・・・・:大西瑠璃 (営業課 るりるりと呼んで。きゃぴきゃぴ)
 横山真二・・・・・・:陣内沙知子(営業課 大西のともだち)

 1999/12/19(日)晴れ 2:35-3:45PM(1'10) 最前列より 客席満員(150人)
 客層: 20-30才代中心。女性過半数。
 客入れ:当日券。最前列ほか20?席ほど。指定席につき、混乱なし。折込パンフに
 あいさつ、配役、スタッフ、今後の予定と必要十分情報。

 主だった役者が抜け新生なった今年。「愛の一年」と冠した連作、最終。
 舞台。サーモンピンクのおしゃれオフィス。ピンクの壁には赤のワンライン、女の
 子色。ゴマをちらしたよなコンクリートの表面ぼつぼつ。上手一面は収納スペース
 中央にへの字テーブル。その後ろに備え付けテーブルとパソコン。前に型どり用の
 上半身人型。中央から上手奥に店舗に通じる通路、上手手前のパーティションは
 休憩所。真正面上に開口、紗になったカーテンがちょっとかかり、店舗でショー
 がある場面では彩りライト。

 お話。会社勤めにいろいろ、いらいら姫なOL達は小爆発、大爆発。アパレルメー
 カーの店舗付事務所。総務課。きゃぴきゃぴ華やかな営業に比べて、地味。制服
 きっちりだし、上司はぱっとしないし。それでも健気にがんばの子あり。仕事できる
 の評判に希望叶うと本人ますますはつらつ。もできる派遣にお株とらえ、ぽしゃり、
 頼りも裏切り。一転、怒髪天して切れる彼女。陽気元気と定評の彼女、これも同級
 性派遣に地味時代を回顧させられ、どつぼ。今までの明るいキャラもなんかばつ悪く
 もう早退しちゃう。そんな彼女を心配げ、秘かに頼りになりたい彼女は振り向いて
 もらえず、淋しい。思いをゆきずりのオフィスラブ。大後悔、翌日には男にむかつき。
 いい欲求のはけ口にされた男は純情故に逆切れ。会社中に女の誹謗中傷ビラ。

 そんな、おかしくなってゆく周囲にもともとの疎外感を募らせる彼女。心気一転と
 告白したもてもて同僚男は、ココロのつき合いを望まぬ態でさばさば。さーと
 気持ち醒めて、告白後悔。泣きたい気持ちを課長にぶつけた弾みで不倫のどつぼに
 はまりん。そんな彼女達の隙間に、営業娘な雀達はぴーひゃららとつっこみ。
 雀娘にも、大事の書類が紛失(本人の背中に貼る意地悪)が発生、大騒動。真犯人
 (仲良し友達?)が判らぬ不気味、むかつきココロのがばり娘はドタバタする彼女
 らをみて、たまたま見つけた書類を些細な悪意で隠し。見つかって、真犯人に誤解
 される天罰。もう堕ちて行くばかりで。

 いままでで一番面白い。嫌〜な醜い人の姿を覗かせつつ、さらりんと仕上げる作風
 に磨き。関係性を巧みに織り込み、種々がまんー>マジ切れ女性の有り様を畳み
 かけにみせてく。自然体からの突発エキセントリックは岩松了彷彿。等身大で
 ポップな味わいはオッホならでわ。今回、女性役は全男性役者。きもちわるい、
 ユーモア以前に。人見さんはあざとく造ってなくても、女にみえてさすが。

 女って怖いね。直情単純な野郎に比して、女性は複雑微妙。不条理にもみえる言動
 に至る訳、逆に不明をよくみせてくれ、ふーむねこ。後者、不明(書類隠しとか)
 にはつるかめつるかめ。何でそんなこと?な意味不明悪意の怖さあり。男性女性
 共通は自分かわいい、自己中心。満たされたくて誰かを好きになって、報われない
 と逆切れ、かわいそうな自分がまた愛しくなったり。愛ってそんなもの、よと
 シニカル顔お姉さんはタバコふー。そんな、鋭いとこもまた一段な今回。次回も
 期待大ねこ。
 
 役者。人見さん。の巧さは前述。高瀬さん。当たり前顔に似合わぬ、激情。
 矢島さん。淋しそうな表情○。桑原さん。ここでも自然体、素直な気持ちをみせて
 好感な。辻さん。女役だとなんか嫌だなと思ってたら、男役で○。ほどほどな
 セクハラおやじぶりで。

月間一覧