オッホプロデュース Doctor Shopping「Doctor Shopping」
＠新宿 THEATER/TOPS (2000/4/29-5/7 11ステージ)
全指定前売3,500円 当日4,000円 学生3,000円（劇団のみ）
脚本・演出：黒川麻衣 音響：村山章 照明：太田さなみ 舞台美術：柿崎一恵
小道具：佐々木忍ほか 衣装：前田利恵ほか 宣伝美術：山崎麗奈
制作：寺島三津子
出演：
桂 憲一 ：堂本完 （猪突猛進な自称・実業家。外ればかりで） [花組芝居]
長田奈麻 ：根森万耶子（堂本の同棲相手。自分探し中） [ナイロン100℃]
矢島淳子 ：根森千耶子（万耶子の妹）
人見英伸 ：並木流平 （千耶子の恋人。いいとこの坊っちゃんらしい）
中村匡克 ：滝沢 （コーヒー店の店員とか）
八代進一 ：角川節彦 （絵画スクール講師）[花組芝居]
辻 脩人 ：速見喬之 （角川のクラス生徒。素人なるも才能抜群）[動物電気]
高瀬伊万里：交坂朱里（角川のクラス生徒）
田原礼子 ：暢子 （角川のクラス生徒）
佐藤需 ：蔵田 （角川のクラス生徒）
横山真二 ：真鍋（絵画スクール・スタッフ）
今林久弥 ：影山擁 （いろいろバイトとか自分探し中。正体不明） [双数姉妹]
石崎和也 ：不動産屋
川村幸枝 ：追いかける女 （喫茶店ウェイトレス）
榑井優子 ：クールダウンの女 （喫茶店ウェイトレス）
2000/5/3(祝水）晴 7:05-8:15PM(1'10) 前方より 客席８割(110人)
客層：２０才代女性過半数。最前列は女性ばかり（お花ファン？）。
客入れ：入口と中に常駐して、適時誘導。パイプ椅子に座布団追加はいつもながら
○（劇場側の配慮）。折り込みパンフ。出演者に医者がらみのアンケート。
物販不明。上演前携帯など注意が映画館おばちゃんアナウンスのり、終演後アンケ
ートお願いがムーディ・ホスト調のり、で可笑しいねこ。
もともとＰユニットのオッホ、久々のＰ公演。人気の実力派役者を迎えての今回。
「Doctor Shopping」は、転々と医師を変える人達を表す医学用語とか。
舞台。パステル飛沫飛ばした壁にくっきり枠、ボックスを重ねた装置。中央中頃
に雛壇は、堂本らの部屋設定。脇に回転扉みたいな出入り口。下手袖の階段は
奥に上がり、正面で谷状に上がり下がり。周囲は黒幕に上記のパステル色が浮かび。
お話。前向きに右往左往する人達の自分探しの物語。野心だけはある堂本は失敗
ばかり、しかも甘えん坊のダメダメ男。同棲する根森は期待掛けつつそうでも
ない。だって自分のことで手一杯だから、と今日もカルチャーセンター、ボラン
ティアで自分探し。実妹の千耶子はそんな姉が気が気じゃない。おまけに自慢の
エリート彼氏・並木が堂本と接近、自分とはなんか距離をとっちゃてるし。
体面が大事、ダメ人はダメだろなんて、並木にいわれちゃうし。彼らがそんな頃
、絵画教室では新入の生徒・速見が殊勝な当初と大違い、なんか嫌みに頭角現し
同じ生徒な女性・交坂にねちねちと嫌み。もう爆発寸前ですよ、彼女は。
さて、ダメダメの堂本はひらめいたインスタントコーヒーの再ブレンドでヒット
みんな大喜び。でもやっぱり、だまされて、それもおじゃん。行方不明な明日に
彼女・根森は自分探し再開。絵画教室の講師と突然愛。堂本の前向きさに惹かれる
並木はコンビ再結託。もうもうと怒りまくりの千耶子はといえば、前記絵画教室の
怒れる交坂とタッグを組んで、女性拳闘サークルに入団。そんな影で、漁夫の利を
得る男（今林）もいるけど、それぞれはそれなりにしていって、明日に続くおしまい。
エキセントリックに暴れながら、鋭く人間描写。ヒステリックな狂騒を交えた
演技してる演技、またはシリアスナイーブ演技とひところに留まらない。メリハリ
ありまくりのドライで即物的な外観に、醒めた人間観察の鋭さが光る。
「普通にしてると外れる」「嫌なことは避けたい、でもなぜか誰かに話したい」なんて
台詞にうむむ。熱に浮かされる功罪。ダメと知りつつ、墜ちていく快感。本来でもない
居場所でも○とする哀しさ。とか一面では語れない人をなるほどと描いて、見事。
短い上演時間で一気に現したのも、潔くて◎。
役者。桂憲一さん。見事にいらつかせてくれるダメ男ぶり、好演。矢島淳子さん。
後ろ髪引かれな、じりじりした感情を終始放射させて○。人見英伸さん。屈託なさ
に赤裸々な感情が覗かせて巧み。八代進一さん。気が抜けた風な演技を貫いて○。
辻脩人さん。最低のゲス野郎役。いやーな気持ちにさせてくれる好演。
今林久弥さん。押し出しが弱い、いつもとちと違う役柄にほよよ。長田奈麻さん。
弱くてしたたかな、女性してて○。
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