前頁 ] ホーム ] 一覧 ] 次頁 ] 


 イデビアン・クルー「不一致」

 @新宿 パークタワーホール (2000/2/17-19 4ステージ) 5/12,13@大阪AIホール
 全自由前売り3,000円 当日3,300円

 振付:井手茂太 舞台監督:大川裕 照明プラン:板谷静男 照明操作:田島佐智子
 音響:島猛/ステージオフィス 衣裳:長谷川えつこ 宣伝デザイン:田口敬子
 制作:(有)ビューネ/岩下陽子、宗重博之
 主催:パークタワー・アートプログラム、(有)ビューネ 提供:東京ガス都市開発
 協賛:トヨタ自動車 助成:財団法人セゾン文化財団
 出演者:
 井手茂太、金谷綾子、川村奈実、斉藤美音子、角谷牧子、菅尾なぎさ、高橋由美
 中尾留美子、平柳幸、本田和子、本橋弘子、上野正輝、小山達也、中村達哉

 2000/2/19(土)晴れ 8:05-9:05PM(1'00) 前方より 客席満員(250人)
 客層:20ー30才代中心に老若男女。チープでもおしゃれな子が多し。
 客入れ:ロビー開場、開演60分前。過去公演をダイジェストしたビデオ放映あり
 (旗揚げやドイツ公演含む)。整理券なしにぼつぼつと入場。まったり。
 最前方2列は桟敷、後方7列は椅子席。階段状千鳥で見にくいことなし。
 折り込みパンフの裏面に、過去公演写真。最近、名前入りパンツをはかないので
 不明な人あり。クレジットにダンサーの顔写真、追加希望。

 久々に、主宰・井手茂太もダンスの今回。
 舞台。ぐるり白黒葬式幕、床は畳(ござ)敷き。袖の黒帯部分を開口に出捌け。
 ダンサーは紋付き、スーツ、ワンピースな喪服で黒一色に決め、足下は裸足。

 展開。葬儀でのへっぽこ、とほほモチーフな前半。クラシカルなマンボとかラテン
 音楽に乗っての後半。内省なピアノ音楽に密やかな仕草ダンスや、思う存分な
 井手ダンスを挿入。

 やっぱ大好きなイデビアン。楽しくて、目茶面白い。ずれな「不一致」を自由自在
 にちりばめる今回。ばっちりきめるユニゾン、決めてはずっこける変調を小刻みに
 忘れず。冒頭、なんで喪服でそんなに滅茶な動きを?、場面とか◎。予定調和<>
 不調和に翻弄される素敵。個別、小グループでの動きや絡みを猫の目のように
 変えながら展開。多様さに唖然ねこ。合間にたっぷりお楽しみと井手茂太ダンス
 が横断。柔軟でいてシャープな動き。高水準のダンサーの中でも抜きんでる
 凄さはさすが。その自由さ、表現する喜びあるダンスに、にこにこねこ。

 今回、モブな動きはいつもより少なめ。幾人ものソロを都度中心にそえ、みせて
 く感じ。回を重ねる毎、見せてくれる個性的ダンサーが増えて、頼もしいねこ。
 ラテン音楽の弾むリズム○。うきうき気持ちよし。クラシカルでスムースな曲と
 上記不調和な動きの取り合わせがまた面白いねこ。

  主な進行(細部の記憶曖昧なので、間違ってるかも。)
1ポンチャカ、と呑気なパーカッション音。喪服の一団居並び、ロボット振り。
 ラテンの陽気な曲で散開、踊りまくり。曲つうか音にシンクロして動く中、詰め襟
 の学生君は乱調子で狂い、かと思う、座ってるやつとか、ぼけーと立ちんぼの人
 がいたりして。2、3人の組でユニゾン、それともう1人の関係性ダンス。次第
 グループを増して踊りまくり。

2スローなマンボ。集団で歩いたり。井手さんすっと登場。女1人と関係性ダンス。
 なんか女、井手に怒られてしょんぼりしたり。男2人と女1人。井手ソロ。女3人
 また2人と1人。ロボット振りの女2人と乱調子の女1人が面白し。と、まあ
 くるくるめまぐるしく、フォーメイションを替えて展開。

3展覧会の絵、のテーマ。下手にパイプ椅子2列、最前列2席を除いて参列者が座り
 曲は変調を加えながらループ。女1人、調子悪そうによたりながら登場、最前列の
 席へ座り。気分悪いのかふらふら。それをみた後ろの参列者、仕草を作法とみたか
 全員でまねを始める。音楽はしだいに加速。女倒れたりして、みなまね。女、リズム
 をとって、立ち上がり上手にダッシュ、万歳ポーズ。参列者もダッシュ。女を残して、
 行き過ぎ。みんな女を残して戻り。遅れて女も。いつのまにか、女はみなの
 感心を呼ばず、こんどは別の男に注目があつまったり。その男達グループと、他2
 、3人との関係性なやり取りダンス。椅子を並び替え。2人ダンス。女1人が上手で
 ソロ、溜めて弾けるばねのような動き。女は一同のもとに帰る。席替え。椅子に
 座ったまま、一同乱調子でずっこけな動き。

 ここで照明が暗めとなる。女が立って1人ゆったりと前方へ歩く。ループ音楽は
 止まる。照明明るくなる。みんな、歩いていった女を見る。万歳ポーズする女。
 みんなぱらぱら拍手。女、参列者の方にやってきて、空いてる席に座る。参列者
 はなんだろうとじろじろ。女が足を組むとまね始める。なぜか、1人だけ上手くでき
 ない。万歳やろうよ!と、女にお願いする男。一同賛同、期待。やってみせると
 拍手。女が歩くと、だるまさんが転んだ要領でついていく参列者達。女が振り返る
 とうわーと戻る。こんどは参列者が先読みして、まねしたりして。女、袖に引っ込み
 帰ってしまう。参列者はあげた手を降ろすにおろせない。まねをする人達だけ
 残って、他の人は退場。残りも諦めたか、片づけ始める。女帰ってくる。
 万歳ポーズをしてみせるも、参列者はもう関心なさそう。撤収。

4ルンバ。男4人でユニゾン。乱調子のリズムを忘れず、井手がリードしながら颯爽
 とダンスダンス。1人と3人。2人と1人。井手1人と2人ともう1人。女1人と
 男4人。また男4人でユニゾン。照明を落として、陰影付け。女1人を囲んで男4人
 ぐるぐる、クラッピングしたりして。暗転。

5行ったり来たりを繰り返す、足音が暗転中。赤い照明で上手側の前後に一本道。
 井手が奧に登場。正面を向いて、うつむき気味に緩慢な動き。ドラがどーんと鳴り
 、往来足音。道なりに伏し目がち?で動く井手。前後に弾ける手の動きを入れな
 がら、全体は抑制。女(斉藤)が登場。床に前後の赤い帯照明がもう1本。
 ダンサーが列になり、左右に分かれ対向。また、井手と斉藤の2人きり。帯は
 しだいに増えていき、いくつかの関係性ダンス。井手、正面奥で後ろ向きになって、
 細かな動き。音楽が高じ始める。佇まいでみせる井手はゆったりと動き、流れる
 SAX。赤い照明。全員正面に並び。左右に揺れる、ぷるぷるぴくぴくとふるえる
 仕草。蟹歩き。ユニゾンで手を開く、揺らす、伸ばすなどの動き。ピアノソロの
 ブルース?曲。しだいに捌けて、2人だけ残る。

6一転、明転してラテンのスタンダード曲(なんだっけ)。3、4人で組になって散開。
 乱調子忘れずのとりどりダンス。手を横に動かしながら、ぱっと瞬発する動きで
 リズム。また曲一転、内省。ピアノのブルース曲。前にうつむいて居並び、
 1人づつ顔を上げていく。曲に合わせて、また小刻みな動きをユニゾン。
 しだい一同すり足で後退、照明は白々と醒めていく。ぴょこぴょこと人形振り、
 放心してるよう。暗転。明滅する明かり。暗転。カーテンコールはまたルンバの
 BGMで。

月間一覧]