オッホ「ネガポジティブ」 第１１回下北沢演劇祭参加作品
＠下北沢 駅前劇場(2001/2/9-14 8ステージ)
全自由前売り2,500円 当日2,800円 学生前売り2,200円 当日2,500円
作・演出：黒川麻衣 舞台監督：森和貴 舞台美術：加藤ちか
美術協力：香坂奈奈、武井三歩 照明：太田さなみ[F．staff]、荒沢寛子[F．staff]
音響：井上直裕 選曲：村山章 宣伝美術：小平明夫
小美術：佐々木忍＋岡屋出海[×2．5] 衣装製作：寺島晃子ほか 制作：オッホ
出演：
久保田恭介 ：満越 貴洋 小隊長 （気が弱いおぼっちゃま）
佐藤拓之[双数姉妹]：大栄 至 軍曹 （補充兵が来るまで、景気がよかったが）
福原充則[ピチチ] ：西 武史 上等兵 （運がいい、脱走しようして殺され）
横山真二 ：東 武司 上等兵
矢島淳子 ：伊瀬 丹奈 一等兵 （西に恋）
桑原裕子[KAKUTA] ：丸居 富々子 一等兵 （カード勧誘で儲け）
人見英伸 ：七重拾一郎 二等兵 （補充兵。物販で景気がいい）
佐藤需 ：十河／布袋 （補充兵）
中村匡克 ：狭川直道
田中杏依 ：西無地子
峯崎伊万里 ：少費紗子
田原礼子 ：御国政代
2001/2/12（月祝）晴れ 7:30-8:35pm(1'05) 前方より 客席満員（100人)
客層：20才代中心。男女半々、２，３人連れ多し。
客入れ：桟敷ゆったり２列、後方椅子５列（ベンチ１）。適時誘導あり。
折り込みパンフ。作、主宰のそれぞれ挨拶、配役、予定。物販。戯曲本。
開演前後で、あくまでフィクション、実在の人物・団体と無関係。特に流通業界
とはっ、と強調アナウンス有り。役名（読み）みて、くすり笑いねこ。
久々の駅前劇場公演。いままでない「戦争」モチーフな1年強ぶりの今回。
舞台。コンクリートの塹壕設定。壁は迷彩、上手半分にコンクリート柱と入り口
開口。下手の壁に捕虜収容用の檻。
お話。架空の国の内戦。フケーキ軍、首都カブトヴィルの占領。抗すべく、ミン
カン軍は蜂起。なるも、多勢無勢つうか弱すぎで圧倒的不利。ここにとある小隊。
隊員達は不安を抱きつつも、内職やら恋やら欠かさず、緊張感には欠き。ちゃっ
かり金貸し、手広く物販とか。気が弱いおぼっちゃまの「ミツコシ」小隊長は
しっても知らんぷり。戦死した「ソゴウ」退院の替わり、世渡り上手と、単純純情
な補充隊員が移転。嫉妬とうざったさで嫌な雰囲気になったり。彼らの替わりにと
さらに呼んだ「ドンキ・ホテ」隊員はさらに派手やかにちゃっかりもの。隊長嘆息
は止まらず。そんな内に鬱積してた脱走疑惑で身内の殺人発生。単純純情隊員が
犯人。もうなんだかなあ、とどん詰まりも否応なく戦闘開始。そして、生き残った
者に皮肉な運命。補充兵は敵方の工作員。小隊長、背後から撃たれて合掌。しかし
、彼らにも見境なく、戦火は襲い来るのだった。
経済な寓話の装いで新趣向。鋭くクールな人間観察眼、健在。さばさばとした語り
口調で潔い１時間教上演。粗くれてみえる部分も、ねこにはかっこよく思え。突発
テンションと脱力の繰り返しでのスピード感も○。既報周知の百貨店興亡になぞら
えたキャラと運命相関。決して超人でも聖人君子でもない、彼らの奮闘に泪誘われ
るサラリーマンねこ。世渡り上手で優秀な嫌な野郎隊員にむかつき共感。ラストは
ナンにせよ庶民は虫けらかよと虚無感、ちょっとだけ溜飲下がりつつ。嫉妬、嫌悪
羨望とか、細かな感情を波の波間にかいま見せ、その鋭さ◎。いつもながら、感心
しちゃう。もっと設定を活かすと面白いのに、な途上の期待感を次回へつなげたい
ねこ。 ［月間一覧］ |