維新派「流星」
＠大阪 南港ふれあい港舘広場野外特設劇場［Cubic Theater］
(2000/10/20-11/7 18ステージ） 全席指定4,500円当日4,800円
公演データ、出演者は下記参照方
2000/10/28(土)雨 7:50ｰ9:35PM(1'45) 前方上手より 客席満員(500人)
客層：老若男女。小学生からおじじおばばまで、共に楽しむ演劇の桃源郷。
客入れ：当日券。5PMより、30枚以上。完売後も立ち見券を出しているとか。連休中
の追加もあったよう。今年は指定席、余裕で入場できるけど、選べないのが△。
本格雨天に、レインコートを配布。羽織るためのテントの配慮もあり。開演押すも
特に混乱はなかった模様。物販。公演ＣＤとビデオ、ムック本。新着。昨年の
「水街」アデレード版と大阪版ビデオ(5250円)、「流星」サントラＣＤ(1500円)。
防寒対応。午後から雨が本降りに。風がないのが幸い。雨に関わらず、レインコート
は無料貸し出しとのこと。今回は雨により、毛布有料（100円）は中止。客席下に
ジェットヒーター設置してるらしいけど、８時を過ぎると冷え込み急速。毛布を卷く、
厚着する、屋台村で炭水化物をたんまりとっておく、など過ぎるくらいの事前対策が
要。ちなみ、近場でモーニング娘・野外コンサートあり。あちらのお客も大変だった
よう。荷物預かりはなし。駅のコインロッカーに預けた方が○。
屋台村。5PM開場。今年は円周状配置ですっきり。屋根つき二階桟敷席もあり。
２０店舗ほど。食い物屋。シチューパン＋ワイン。すだち焼酎(300円)。もも焼肉
(サラダとセット400円）。焼おにぎり。ビーフシチュー。デミグラソース＋ハンバーグ
コロッケ、ホット梅酒。シシカバブ(200円)、焼きそば（ビーフン？）、おでん、
すじ肉、チーズケーキ、ラムチャイ、チャイ、ホットワイン、ちぢみ（チーズ入り）
キムチチャーハン(500円)、餃子（300円）、アルコール、ノンアルコール各種飲料
ここで書いてないのまだあり。ちなみ、値段記入がねこ食べたの。みんな美味しゅう
ございました。でも、雨でせっかくの中央広場が水浸し。猫の額ほどの屋台屋根下
は大混雑。買い食いを諦めた人もいたのでわ。
その他。ライブステージ、古着？屋、lebel-biueの部屋、大駱駝艦の部屋（ポスト
カードとか。パフォーマンスもあったらしい）。物販小屋。など。
舞台。黒曜石な墓石然とした立方体、大小林立。立体迷路のように後方に連なり。
中央窪地は、病院手術室設定。扉開閉は端席だと観がたいかも。背景の空はデジ
タイズされたよに、荒いドット状。それら無機質空間のとこどこに、水道蛇口が
唯一生きる場所な証。散会する少年達はいつもの黒の吊りズボン、白のシャツで
モノクロームに溶け込み。雨天の今回。光沢する立方体が艶っぽく、けぶる明かり
に浮かんで美しい。
お話。街頭に住まう少年には、生死危うき都市。その一人が全身機能を奪われた
さる重態患者を奪い、逃走。視角障害のもう一人の少年（石本）はさまざまな幻視
のなかで、失踪する彼を感じ取る。しかし、呼びかける声は届くことはなくて…。
あの世の少年達の魂の行方をテーマに、サイコサスペンスな物語を刹那に覗かせ
ながら描く、パノラマ精神世界。
シュールな空間に孤独の叫びが生々しく浮かび、胸をつく。いままで公演とは一線
を画する、今の絶望を直視した舞台。時計仕掛けな動きの少年達。展開するシー
ケンシャルな動きは種々様々。絵のように決まりつつ、一時も留まらず、見事に
空間造形。パズルのようで、興味津々ねこ。かといって、お茶らけ、忘れず。
傘を背負った磯辺少年＋ダンボール男の奇天烈さに笑い（傘が羨ましい気持ち
混じりにして）
照明。たっぷりの光量で「黒」を演出。モノトーンに時折射す「赤」。生と死の
二面性を生理的に感じさせ、印象深し。音響。歴代最高の出来。サラウンドに
飛び交うヘリコプターの臨場感。打ち込みリズムのダイナミズム。空間に漂う
内橋和久ギターの美しさ。メロディアスに、ノイズィに、変幻自在にして奇才天才。
精神世界に去来する、生き地獄イメージ。奇病、少年達の殺人、ディスコミュニ
ケーション。殺伐とした風景に浮かぶ、孤独な少年。痛々しい存在が銀河、流星へ
昇華するラスト。孤独という名の流星群、それぞれの絶望が胸をつく。同時、共に
虚無にあるという、結びつきは仄かな希望も感じさせ。まるで、意味なき星星に
星座を想い描いた時のように。
絶望にこそ、みえる希望。そんな哲学を少年らの肉体と舞台美術の融合から
物語る。その語り口はまさに維新派。シュールな舞台でより純化された、今回。
次回公演で世界がどう進化していくのか、楽しみねこ。
・「流星」公演データ
脚本・演出：松本雄吉 音楽監督：内橋和久 舞台監督：大田和司
舞台美術：田中春男 音響プラン：松村和幸 照明プラン：柿嵜清和
照明：柿嵜清和、パシフィックアートセンター 音響：松村和幸
ＳＥ：塚田珠美 音警助手：伊藤伸治 衣裳：井田香苗、山田真由美
ヘアデザイン：新宮延子 メイク：森永かおり、名村ミサ、松村妙子
特殊効果：野田豊年、羽柴英明 宣伝美術：東學[g'Az] コピー：村上美香[g'Az]
宣伝写真：福永幸治[スタジオ・エポック] 制作：衛藤千穂
海外公演プロデューサー：青木道子
スタッフ：
五十嵐大輔、羽柴英明、内田欽弥、原口敏幸、野村幸弘、金城恒次、橋本一弘、
阿部弘秀、野火坂ペンク、福島京子、井上智子、久保田めぐみ、板野溶子、
前村多絵、田中藍子、奈良今日子、長尾美樹、別宮さゆり、内田雅巳、中麻里子、
米田典子、本岡麻理子、雪竹珠美、小川紀子
出演：
木村文典、田辺泰志、鮫島さとし、升田学、岩村吉純、鹿田大樹、西山浩史、
田中慎也、新田ヒロユキ、藤木太郎、大岸孝行、高橋洋暁、米山米吉、石本由美、
平野舞、みずちおむ、四谷エスタ、工レコ中西、ぽんず、とりいまり、大駕直央、
小山加油、石黒陽子、タカノ、久慈麻美、春口智美、石丸美加、川田きよ、
稲垣里花、大西千晶、江口佳子、瀬谷香子
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