Ｈ・アール・カオス「Dolly」＆「砂漠の内臓」
＠三軒茶屋 世田谷パブリックシアター (2000/11/10-12 4ステージ)
全指定 前売･当日5,500円 Sept倶楽部5,000円
構成・演出・振付：大島早紀子
舞台監督：北条孝照 明喜多村貴 音響：藤田赤目 音響オペレーター：水谷雄治
映像：太田実 衣装：朝月真次郎 宣伝美術：小田善久 宣伝写真：鈴木映里
空間美術：Ｈ・アール・カオス 企画制作：東京アートファクトリー、
H･アール・カオス 柏雅弘ほか 制作協力：カンバセーション
提携：世田谷パブリックシアター 協賛：キリンビール株式会社、
STUDIO FIVE CORP. 、SPJC & Company 助成：財団法人セゾン文化財団
出演：
・「Dolly」
白河直子、菊池久美子、勝倉寧子、北山徹子、木戸志乃
バイオリン演奏： 室屋光一郎 作曲：笠松泰洋
・「砂漠の内臓」
白河直子、内田香、勝倉寧子、菊池久美子、北山徹子、木戸志乃、西田弥生
本徳亜希子
2000/11/12(日)晴 4:05-5:35PM(85/休15/45) ２Ｆより 客席９割(550人)
客層：20-30才代女性中心に老若男女。かっこよさげな人多し。
客入れ：変形Ｂ５パンフ ４Ｐ。オールカラー写真。必要最小限の内容。
1年ぶり公演、しかも新作二本立てとお楽しみな今回。
・「Dolly」
舞台。明かりがはいると、上手に開けると自照ボックス。そこから光の帯を
放射状に広げたりは、COSMIC GATE＠イグナチオ教会、彷彿。
展開。羊水な囲われ光から覚醒する、白河。浮かぶ台に睦みあう男女。立ち上る
螺旋の光の糸。狂おしく動くうちに、クローニング。幾人ものダンサーが四角の
囲われ光でユニゾン。やがて、個性にずれが生じ、また個々にクローニング。
枝に分かれるように際限なくして、台に上半身半裸の白河一人。鏡に映る自分に
口付け。彼女を源に光が水脈のように広がり。アベマリア音楽。痛々しくも美し
しい白河ソロ。
祝福たる誕生に苦しく狂おしくある人。その様に生気、美しい佇まいに悲しみの
相反、不条理を体現しちゃう。わかりやすい物語性あり。けど、言葉では表せない
感情の念波で圧倒して、ダンスな魅力◎。生バイオリンの艶かさ、横と上方照明が
浮かばせる闇の濃密さも素敵。白河さんは、いわずもがな。同時代で観られる幸せ
を感じるねこ。
・「砂漠の内臓」
舞台。最初は下手、やがて中央に白砂がカーテン然と舞い降り。上手前方にパソ
コンのった机。正面奥にソファ、と傍らにノートパソコン、光るディスプレイ。
展開。砂から立ち上がる白河。かばんを持ち旅紀行。亡霊のように自分増殖、幻覚
がユニゾン。自分デスク、パソコンに入力。気が付けば暖色明かり。思い出のよう
に女達がソファからで迎え、ハッピーバースディ。ケーキにろうそく。亡霊な三人
の自分。女とペアダンス、狂おしく絡み。女達を手で測ってはパソコンになにやら
入力、思案顔。組み敷かれていた女達もいつしか反発。自分は（ワイヤ吊り）で
すれすれに浮上、回転。そして女達も刹那に浮上、周回。降る砂に埋もれていく
ような自分。気が付けば暖色明かり、ケーキの灯はまだ消えてはいない。哄笑、
重苦しい幻覚、そしてまた砂に埋没。
緩＜＜急とダンス。スピード感と切れのよさで最高速にドラマチック。白河、だけ
じゃなく、カンパニーとして見せてくれる充実。時折降る砂やら無形のモチーフ
であれこれ妄想させてくれるお楽しみ付き。シニカルな作風にはふーんねこ。
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