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 宇宙堂 第二回公演 「詩のしの詩」

 @下北沢 本多劇場(2002/6/19-30 18ステージ)
 http://www.honda-geki.com/honda.html
 全指定 前売5500円 当日6000円
  @静岡7/2 大阪7/4-8 佐賀7/11 福岡7/13,14

 作・演出:渡辺えり子 美術:加藤ちか 照明:宮野和夫 作曲・演奏:近藤達郎
 振付け:川崎悦子 音響:原島正治 スタイリスト:矢野恵美子 衣装:山本安規子
 和装コーディネート:竹内将 歌唱指導:深沢敦 殺陣:前田悟
 演出助手:坂本聖子 舞台監督:榎 太郎
 宣伝美術:森崎偏陸 制作協力:中村文重(有)ビコーズ、飯沼利美
 出演:(役柄は後日掲載)
 片桐はいり :風花徹子
 篠井英介  :二宮 仁、松、次郎、石川先生、千恵子
 寺島しのぶ :清美、ルリ子
 深沢 敦  :久保信三郎、房子
 渡辺えり子 :久保すみれ、和歌子

 近藤達郎(公式HP) :近藤カストロマルティ

 内野 智 :カラス、牧口健、農民、観光客、作業員
 土屋良太 :カラス、塩田隆行、農民、観光客、医者
 矢澤 庸 :カラス、看護婦ユミ、キューバの人、観光客

 金子 敦 :サッカー少年、キューバの人、観光客、医者
 坂本ひとみ:カラス、看護婦悦子、キューバの人、観光客
 熱田福美 :カラス、キューバの人、観光客

 仲野仁雅 :サッカー少年、キューバの人、カラス
 稲津敬太 :サッカー少年、キューバの人、カラス
 小谷真一 :サッカー少年、キューバの人、カラス
 吉田裕貴 :サッカー少年、キューバの人、カラス
 (杉嶋美智子は休演)

 2002/6/23(日)曇り 2:07-3:52PM(1'43) 中段より 客席超満員(410人)
 客層:老若男女。各世代が同窓会的にまとまり、まんべんなく。親子連れも結構。
 客入れ:前方通路補助席1列。階段座布団席10人弱(20才代女性達に混じり、初老の
 紳士も)盛況は休日昼のみ、夜はお客さんがいません、とカーテンコールで苦笑いの
 えり子さん。もったいない。折り込みパンフ。A4 1枚 スタッフ、配役。
 物販。B2ポスター(出演者サイン入り 500円)、戯曲本(今回戯曲はなし)

 渡辺えり子、書き下ろし新作。ファンには嬉しい、お友達役者が揃っての公演。

 舞台。幻想と現実まぜこぜ風。乾いた田んぼが段々。一番上は草ぽつぽつ、手前上手
 に大きな切り株。両脇壁に町並み。背景はデザインしたよな家並み、両脇にもこもこ
 雲のオブジェ。中央、道路がぐわんと歪んで天上にかかり。

 お話。週末農業の人達。見つめるカラス達。中年夫婦(渡辺、敦)、若くもない
 女1人(はいり)は指導する農家の男(篠井)のうんちくに関心しきり。でも、
 勘違いもしきりの都会人。のうちに農家の男を巡り、怪しい噂と人物が往来。それ
 ぞれの人達の訳あり過去浮かび、若くもない女1人の割りきれない愛の回顧物語と
 なっていく。

 はいり英介敦えり子、が歌って嬉しい。揃って、それぞれに個性の芝居が楽しい。
 取り分けに、篠井さんスペシャル。いろんな役をして美味珍味、と美味しいところ
 独り占め。農業男の妙な嵌りぶりとか、微笑みねこ。はいりさんもさすが。淋しい
 存在をユーモアとペーソス混じりに真摯に演じて、感動させ。あっちゃん(敦)と
 えり子さんは今回アナザーフェイス。引っ込み思案に内省中年、我慢成らずか、
 後半厚顔にごり押しキャラ。ファンにはちと欲求不満?、でも芸達者ぶりは健在なり
 歌、結構たくさん。味わいの篠井、はいり。麗しい敦、えり子。きれいにハモって、
 仲良きことは良きことかな。

 様々な問題が浮かび、重なっていく物語。結構深刻、でも笑いと歌で包んでソフト
 リー。種を植え、育て、実を結ばせたいと帰農な願い、それが出来ない今の現実の
 やるせない悲しさを見せていく。農業、家族、夫婦、恋人、姉妹、とさまざまに展開。
 それぞれを大事と描き、明日に願いをつなぎ結んで、シニカルな内容もそうは
 感じさせない。底にある信じる力が、えり子さんの演劇への思いと重なり見えるよう。
 なんかしみじみ、感動ねこ。

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