ＥＮＢＵゼミ 高井浩子＆永井秀樹組公演「Ｄａｍａｇｅ」
＠三鷹市芸術センター星のホール(2003/4/9-11 4ステージ)
http://mitaka.jpn.org/parkcity/geibun/frame.htm
全自由（整理番号付）前売1500円 当日1800円
作・演出：高井浩子［東京タンバリン］ 舞台監督：松下清永 照明：菊池庸子
音響：中平美紀 舞台美術：横田修 小道具：渡邊幸恵 衣装：木村春子
制作：永井秀樹、ENBU[演劇＆映像]ゼミナール
出演：
田村拓也［東京タンバリン］：カズオ(父が自殺）
佐藤真弓［猫のホテル］：フキエ？（その姉）
山本美月：サナエ（妹）
山根将司：シンイチ（その恋人）
志賀廣太郎［青年団］：？（父。息子が自殺未遂、植物人間に）
池谷のぶえ［演劇弁当猫ニャー］：ヨシエ（長女）
大鳥由紀子：アカネ（次女）
中川幸子？：サツキ（三女）
永井秀樹［青年団］：？（父。娘が自殺）
中西愛？：？（母）
森下菜美：？（娘）
新井友香［HIGHLEG JESUS］：フユナ（占い師。祖母が自殺）
富士タクヤ：イズミ？（その弟。）
藤井麻由？：ナツミ？（イズミの恋人）
瓜生和成［東京タンバリン］：クリモト（会社員。妻が自殺）
山内康治：ハシズメ（その同僚。上司のカズオ父に裏切られたと思いこみ）
片岡恭子：？（その同僚）
大谷きみお：ナカジマ（ヨシエの店のウェイター）
高貫弥生：？（サナエ友人）
森淳子：？（サナエ友人）
2003/4/11(金)曇 6:00-7:34PM(1'34) 中段より 客席3割（80人）
客層：10〜20歳代女性と親類縁者？。
客入れ：平日の6時開演、三鷹、駅からバス のあってか空席多。やむなしか。
折り込みパンフ。B5 4ページ。顔写真つき役者紹介。配役の掲載なし。
次回公演。大島、富士、山本さんは次回東京タンバリン公演に出演。
演劇学校卒業公演。なぜか、客演が豪華。いいのだろうかな。
舞台。幾何学的、抽象的な群島。床と装置は白色。中央よりに赤い柱５本、周辺に
青い柱５？本が天井まで起ち。中央奥に下手に上がる階段。上手下手にお盆。それ
ぞれ、会社、病室、お茶の間に見立て。のっぺりした装置が役者を引き立てて○。
衣装は法衣然としたのとか、ダンスシーンでおそろい。
お話。同日同時刻、各所で自殺者が続出。いずれも動機ははっきりせず、共通する
のは同じ宗教団体に入っていたこと。身内の死を訝しく思う人々は、やがて被害者
の会を結成。目的は自殺の理由を知り、家族を奪われた償いを求めること。しかし
活動はいつしか活動自体が目的となり、まるで宗教団体のように変貌していく。
忘却、暴走する呑気顔集団の過ち。過去＝ダメージを繁忙にまぎれて、なかったこと
にする。暗黙の了解、全員一致で闘わずに時効成立。外部の狂人によって、集団は
ダメージをうける、が同じ事を繰り返す。奇妙さ、卑怯さを唱える少数は、多数に
飲み込まれていく。できることといえば、 一派に加わらず、孤立を守ること。
まるで平和日本の戦後を思わせる寓話。市井の人達の緩やかな狂気を、醒めた目線
でみつめ、淡々と描いていく。日常であるが故の怖さが、近接感をもって迫って、
うーむねこ。東京タンバリンでは、必ずあるダンス（振り）は冒頭と中盤に。ゆるめ
のマスゲームみたい。
役者。客演の濃い役者陣はニュートラル、個性はそこそこにアンサンブル重視。
若手役者に個人差あれど、違和感なくとけこませ。その中でも、大鳥由紀子、山本
美月、富士タクヤが、頭一つ出た存在感あり。
［月間一覧］
|