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 演劇集団円「トラップ・ストリート」

 @浅草田原町 ステージ円(2004/10/1-14 14ステージ)
 全指定 一般4400円 劇団割引4000円 学生3500円 ペアチケット7800円(劇団扱い)

 作:別役実 演出:國峰眞 美術:島次郎
 照明:小笠原純 衣裳:緒方規矩子 音響:斉藤美佐男 舞台監督:田中伸幸
 演出助手:森新太郎 宣伝美術:佐野洋子(絵)、丹羽岑守
 制作:桃井よし子、川部景子
 出演:
 岸田今日子:女1(その家に住む女)
 平木久子 :女2(同上)
 馬渡亜樹 :女3(お茶に呼ばれる若い女)

 石住昭彦 :男1(ぼんやりと訪ねてくる男)
 山崎健二 :男2(女1に呼ばれてくる男)
 三谷昇  :男3(その家に住む老人)
 渡辺穣  :男4(お茶に呼ばれる若い男)

 2004/10/3(日)雨 3:07-4:32PM(1'24) 後方より 客席超満員(110人)
 客層:中高年中心に幅広く。男女半々。
 客入れ:当日券あり、最前列桟敷に5,6人。雛壇に椅子席7列、見やすく舞台も
 近くて◎。折り込みパンフ。A6 6ページ。作、演出と松田正隆の寄稿掲載。
 役者の写真つきでわかりやすくて○。物販。戯曲掲載のせりふの時代ほか。

 別役実の書き下ろし新作。タイトルは、地図製作者が署名代わりに、原図に密か
 に書き入れておく偽の街路のこととか。

 舞台。新旧混合のリフォーム洋間。舞台の2/3に装置、残りは戸外設定。後方、
 格子壁の向こうに旧家屋。下手、引き戸向こうに四畳半設定。上手、弧を描く
 2階への階段一部。手前に新間。壁沿いに木製キャビネット、上に蓄音機や茶器。
 下手にソファ、上手に円卓と椅子4。いずれもアンティーク風。
 
 お話。最初通りがかりと言っていた旅行者・男1は、実は不明の妻から送られて
 きた地図に呼ばれてきたという。番地は確かにここなのに、地図の路地はなく、
 様変わりしているという。その家の主?な女1に、お茶に招かれて来る人々は、
 彼女に振り回される。忌まわしい子ども殺しの犯人が自分、あったこともない
 旅行者は、家族を捨てて逃げた男だという。まるで家族のように同居する老人、
 彼女に話を合わせる家族という女。狂気にあるのは誰で、真相は一体なんなのか。

 偽の物語と、そこに迷い込んだ人々のミステリー。着地することがない、足がかり
 がすくわれるよな、危うさを孕んだ展開。行動の動機はみえずとも、喪失感と不安
 は伺われる登場人物。明らかな筋立てやメッセージより、不明な有様を描くことに
 尽くしてて、興味深くみるねこ。装置が解体し、更地に家の断片が散在するラスト
 が登場人物の心象風景を体現してて、以下同文。

 役者。不安定な世界を、着実な演技で描いてて、さすが。
 

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