＠浅草 アサヒ・アートスクエア(2005/9/23-24 2ステージ)
http://www.asahibeer.co.jp/csr/philanthropy/artsquare/home.html
前売2800円 当日320円 学生前売2500円
企画・構成：桜井圭介 企画協力：紫牟田伸子
舞台監督：中原和彦 照明：森規幸[balance.DESIGN,inc.] 音響：木下真紀
イラスト：五月女ケイ子 デザイン：則武弥 製作：中村茜
提携：アサヒ・アート・フェスティバル
主催：桜井圭介
2005/9/24(土)雨 3:05-5:48PM(65/休18/77) 正面前方より 客席超満員(250?人)
客層：20-30歳代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：開演定時1時間前から整理券配布。アサヒ本社前に1列に整列、エレベータ
に乗って4Fへ。三方を取り囲む座布団桟敷2〜3列、雛壇に椅子席3,4列。休憩時間
、当日券立ち見客の空席誘導あり。折り込みパンフ。A4 3ページ。出演者紹介、
プログラム掲載。 物販。Tシャツ2000円ほか。カーテンコール1回3分。
ダンス評論家・桜井圭介企画。気鋭の、また面白ダンスパフォーマを集め、持ち時間
10分でのショーケース。前売りは完売、立ち見も多数の盛況。
構成。前後半それぞれといずれかの２組。ほとんどが新作（黒沢美香作品は60分作品
の短縮版とクレジットあり）。
敷居は低く、志と才気は高く。凡庸とはほど遠い、コンテンポラリの名に相応しい
意外性と、エンタメの志を併せ持った作品ばかり。客席もダンスやパフォーマンスと
身構えることなく、良い感じに楽しみ親しみ。
ボクデス、男子は…の真面目顔の脱力感。堂々の黒沢美香。不可解さと非凡な動き、
構成が巧い康本雅子。語る言葉の数は少ないけど、圧巻の筆致の黒田育世。
お客もおバカに参加型、KATHY。やっぱ、ダンスじゃないダンスの新鮮な面白さ、
チェルフィッチュ。が印象。冬に早くも第３弾があるとか、楽しみ楽しみ。
プログラム
1ボクデス「チマチマダンス・コレクション」(9分)
出演：小浜正寛
構成。スーツにターバンでインド人装い。勢い込んでカレー早食い。アバ ダンシン
グクイーン♪。ターバン解いて、指先ダンス、両手と体をつかいつ、こちょこちょ。
後ろ向きで、指先左右にむけて「東急ハンズ」とかダジャレつき。得意技？、
スプーン曲げ。後半は先日のボクロール公演と同じ構成、ユビコプターで終い。
お惚け顔でアイデアあれこれ、小さくダンスめいて、愉快ねこ。
2ＭＣ 山懸太一
チェルフィッチュな立て板に水の口調と手振り混じりのトーク。姓名につき先祖の
ことなど。
3康本雅子「Honeymoon」(7?分)
出演：康本と雅子
構成。後ろ向き、兎耳が頭、手書きの目が目元。長い手足を横に種々繰り出しながら
、ゆらゆら。前方へ。立ち上がり、ゆらゆらくるくる、手足ぶり混じりに止まらず。
暗転後、兎耳の等身ビニール人形をギターに見立て、黒衣のギタリストへ変身。
なりきって、激しく演奏。
なにを考えてるかわからないけど、長い手足としなやかな姿態を活かした動きは
非凡。後半の変身とか、意外性のある構成の上手さはさすが。
4丹野賢一/NUMBERING MACHINE「017-SPEAKER」(10分)
演出・構成・出演：丹野賢一
構成。場内暗転のまま。客席から荒い息づかい、ゆっくり前方へ移動。溶明。ハンド
マイクをもち、顔に拘束帯をつけ、木綿のシャツに革パンツとパンキッシュな装い。
高く低く呻きながらステージへ。極まって叫び、ハウリング。無言で客席に下り、
溶暗。
異形なありさま、獣めいた息づかいを増幅し、張りつめる場内の空気。好奇心を
呼ぶ、緊迫の時間。
5黒沢美香＆ダンサーズ「接吻」(15分)
振付：黒沢美香 音響：サエグサユキオ 衣装：小林ともえ
出演：磯島未来、江積志織、黒沢美香、木檜朱実、小林美沙緒、清水和、
須加めぐみ、関準太郎、ひろこさま、堀江進司、松之木天辺、吉川恵子
構成。白塗り、フワリとした衣裳の剃髪男性と爆発パーマ女性。むつみ合うように
近接しての絡み。ついで、クローンのような出で立ちの女性１人が登場。さらに
女性を中心とした十数人のクローンが、不揃いに行進しながらステージへ。タンゴで
散開して踊り。ついで、黒沢美香ソロ。回転、手振り、繰り返しのようでさにあらず
のバリエーション入り。またモブダンス。アップテンポのケチャ？。片方の肩を上げ
下げ、震えながら踊り。
予測のつかない小動物達な印象。黒沢さんの太々しくもキュートな存在感はさすが、
しびれるねこ。
6男子はだまってなさいよ！ 「ヘソを当てる」(9分)
出演：大堀こういち(父)、五月女ケイ子(母)、池津祥子(長女)、佐伯新(長男)、
井苅智幸(子供)、細川徹(子供)
構成。ゴットファーザーのテーマ♪。お約束に裏切るように、白いブリーフ一丁の
男性達とゆるくＴシャツの女性達。は家族。もうお腹一杯！、踊る！とわけのわから
ないことをいう父親を止める家族。長男が誰がへそを触ったか、観ないでもわかると
豪語。まず、触らせて感触とそれが誰かをインプット。その傍らでは、父の言いつけ
で長男の気持ちをダンスで表現しようとする母。結局誰も当たらず、ダンス腰砕け。
リラックスしすぎ、または無駄に熱中する外しぶりが相変わらず愉快ねこ。大堀さん
の変な顔、五月女さんのローテンションぶりがヒキョウに面白し。
7KATHY「MISSION/Az」(13分)
構成。ロリータなドレス、金髪、顔に黒いストッキングを垂らした３人組。回転、
手振り、ボレロを踊る？と思いきや、客席へ。お客に金髪かつらとストッキングを
つけて舞台にあげて、ダンスに参加させ。ワンフレーズ踊り、またスカウトを繰り
返して９人のお客をあげ。次第高揚する音楽、増えるお客ダンサーズ。
参加型。高揚する音楽と踊り、いつスカウトされるわからない緊張感と期待感？も
シンクロして素敵。
休憩18分
8チェルフィッチュ 「ティッシュ」(10分)
出演：端田新菜[青年団]、松村翔子
構成。街金なＯＬ制服、手にポケットティッシュをもった端田さん。ブラウスに
スカートの松村さん。マーラーの交響曲５アダージョ。ゆらゆら、ティッシュを下げ
上げ、斜め姿勢で足を組んだりほぐしたり。相手の松村さんは、誰それを知ってるか
話なぞしながら、前かがみで手振りなぞ繰り返し。ティッシュを取ろうとするも、
はぐらかされて取れないようにもとれ。繰り返しのようで次第変化、床の四角い
スポット照明も移ろう構成。ラスト、２人ひと組でのティッシュ配りとその趣向が
知られ、捻ったオチのようでにやりねこ。
ダンスじゃないダンスの新鮮さ、面白さ。心ここにあらずの体ながら、手に持つ
ティッシュでなにかしたそうな動きの奇妙さ。絶え間なく話しかけつつ、話やら
動きやら終着不明の不可解さ。興味津々と引きつけられたねこ。
9丹野賢一/NUMBERING MACHINE「011-DOT」(9分)
演出・構成・出演：丹野賢一
構成。赤ら顔で立ち。電子音にあわせ小刻みな動きはしだい激しさを増し、前後に
転倒。ミラーボールら照明も派手さを増し。
刻むようなくっきりとした動き、クライマックスへいたる着実な構成。かっちりと
創られた過激さ。
10康本雅子＆山懸太一「Washing Machine」(10分)
出演：山懸太一、アラエール
構成。真白な服の康本を連れた山懸。康本はリモコン付の洗濯機。スイッチオンして
寝そべる山懸。手振りを小刻みに入れながらひたすら加速しながら回転、時に逆転
する洗濯機・康本。ロックからハワイアンに変わって、ゆったりと停止。
後半は乾燥。手助けがいるとお願いする洗濯機・康本。山懸にドライヤーで風を送っ
てもらい回転開始。山懸とゴーゴーダンス、デュオ。
アイデアの奇抜さつうか、非凡な体をつかっての洗濯機ぶり、やんちゃさに呆れ。
後半のドライデュオも面白し。
11男子はだまってなさいよ！「一本さん」(10分)
構成。テーマ曲、ゴットファーザー♪。父親にダメだされたのに、ついつい長男の
へそを触ってしまう。野球をすることになり、ベース替わりに横たわる長男。その様
を一本糞呼ばわり、えんがちょと面白がられ。いろいろと気遣う一本糞・長男を
１人残して、みな帰ってしまう。
小学生ですかあ？な、おばかぶりに笑い、和むねこ。長男・佐伯さんの真面目故の
情けなさ○。
12ボクデス「ラ・ラ・ラ・脚立・ステップス」(10分)
出演：小浜正寛、佐川智香
構成。小浜さん、林家ペー装い。脚立に登り、横にしてぶん回しなど、ダイナミック
に「デュオ」。佐川さん、パー子装い、これもピンクで写るんですで加わり。
小浜さんが倒した脚立を受けたりなど、アクロバティック混じりにデュオ。
脚立ぶんぶんの迫力、体を張ったダンスに場内拍手。相棒、佐川さん。コミカルと
いうより、キュートな容姿が際だち、微笑みねこ。
13黒田育世×松本じろ「モニカ モニカ vol.2」(13+5分)
振付：黒田育世
出演：黒田育世、×松本じろ
構成。松本じろのギター伴奏。しなやかにステップ、激しく切れるよにジャンプ、
髪を振り。緩急をつなげながら、繰り返しながら高揚。限界を過ぎるまで舞い。
酸欠で倒れて？、休憩。「くたばっているあいだ」に松本１曲。復活した黒田さん、
お茶目に絡みながらコミカルに舞い。
言葉は少なくも、一つ一つが力強く語りかけ。ぎりぎりまで激しく動き続ける姿は
苦しみより、むしろ至上の喜びを感じさせ。うーん、でも構成に一ひねりほしい
ねこ。
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