＠浅草 アサヒ・アートスクエア(2005/12/22-23 2ステージ）
http://www.asahibeer.co.jp/csr/philanthropy/artsquare/
全自由（整理番号付き）当日3200円 前売2800円 学生前売2500円（ウェブ予約）
企画・構成：桜井圭介 企画協力：紫牟田伸子
舞台監督：寅川英司 照明：森規幸[balance.DESIGN,inc.] 音響：木下真紀
イラスト：五月女ケイ子 デザイン：則武弥 製作：中村茜
提携：アサヒ・アート・フェスティバル
主催：桜井圭介
2005/12/23(祝金)晴 3:07-6:01PM(68/休20/82)正面前方 客席超満員（270?人）
客層：20-30歳代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：建屋外に整理番号20番づつ整列、10人づつエレベータで階上。当日券客
50人ほど。休憩時間に立ち見客を桟敷空席に誘導。桟敷1〜4、ベンチ1、雛壇に椅子
2〜4で舞台を囲むよう横に広がり。場所で印象変わりそう。 折り込みパンフ。
A4 3ページ。プログラム、出演者紹介など。 次回公演3/24-25。 物販。マト
リューシカ型テルミン「マトリョミン」44000円からほうほう堂プロモビデオ・
靴下とカレンダー付き1000円まで。Ｔシャツ2000円 カーテンコール1回。
ダンス評論・桜井圭介氏主催のコンテンポラリーダンス・ショーケース。好評につき
本年度第二弾。東京、京都、名古屋から招聘、舞踏から演劇、テルミン演奏まで
いれ、より幅広く多彩になっての年末スペシャル。ベテランから若手まで、いろんな
身体と表現がみられて、ニコニコ楽しいねこ。
1. Off Nibroll「Public=un+public」 10分
振付：矢内原美邦 映像：高橋啓祐 ピアノ：岩田智夏子 音楽：a sound sleep
出演：矢内原美邦
「身体と映像の関係性」表現に特化したニブロール内ユニット。
舞台。シャンデリアなスタンド、鳥模様の椅子、姿見。背景に全面スクリーン。
部屋の内外は矩形の床照明の大きさで表現。
構成。自分の部屋でのくつろぎ、いらだち。床延べのリラックスまじりも、焦り走り
が次第瞬発。マフラーを再び巻き、戸外へ。映像は同題横浜公演画像での共演者を
シルエット化、やはり部屋内の立ち振る舞いを重ねて、デュオの体。人型が無数の
鳥になって分解するも同様。戸外な後半で、生ピアノからバッハ。夕とろ時な
明かりの中、手を地面と天に延べ、なにをか掴もうとするなど。画像は無数の部屋
にいる人型シルエットなど。
同作品(2005/5)短縮別バージョンの趣。内から外への展開は日常の所作、照明や
映像の広がりでわかりやすく。絶え間のない動き、時折のちいさな悲鳴のような声
がぎりぎり感を醸し。静謐なバッハ音楽を背景、制止の瞬間が痛々しい。何かに向
かいつ叶わない内省＝孤独と焦燥を、がちゃがちゃ動きから感じるねこ。
2.ボクデス＆チーム眼鏡「親指商事・営業課」 12分
構成・演出：小浜正寛[ボクデス] http://www6.plala.or.jp/BOKUDEATH/
出演：小浜正寛、足立智充、鈴木将一朗、山縣太一、山本圭祐
小浜正寛ソロユニットの増殖版。
舞台。素舞台、小道具は各自持ち込み。
構成。眼鏡に黒スーツクローン、ポップにユニゾンダンス。時計を気にするサラリー
マンの体。本物小浜の背中に大時計。大きな親指の作り物をつけて、なぜかトラック
をヒッチハイク。指圧の心。マスクマンのスローモーション・プロレス（BGM
What A Wonderful World)。どんぶり片手、延ばしきったうどん1→3本の端を
もたせてバトル？。ビール箱を防壁にしてインベーダーゲーム、津軽三味線1→3人。
手に吊革、通勤電車にて便意で苦悶するの体。眼鏡クローン達のもじもじをムーディ
なラテン音楽にのせて。
バカ小爆発。くだらないのに汗だくの無駄むりぶり。面白いやら、呆れるやら。
3.康本雅子「ようこそココへ」 7分
出演：チーム眼鏡、康本雅子
構成。音楽に身を任せたり離れたりで踊りまくり。眼鏡クローン達が袖から様子
伺い。彼らが群がって、ウサギ耳、サングラスにバスローブに着替え。後半は眼鏡
クローンに同化して、ユニゾン。
子供にも似た奔放さ。子供にも似てなにを考えているのか不明。長い手足と優れた
新体性を活かした動きは目を離させないが、無駄の奔流な印象もあり。構成で
もっとおもしろくなりそう。
4.室伏鴻／Ko & Edge「DEAD1」 8分
振付：室伏鴻 http://www.t3.rim.or.jp/~sakurah/ko.html
出演：室伏鴻、目黒大路、林貞之
構成。暗転中からロック、しばし後無音。溶明すると銀粉を塗った半裸の男３が
首と背中で逆立ち。ゆっくりと足を上下〜四つん這い。伸びようとする間際に
暗転、再びロック。
暗転＝ロック音楽、明転＝静止パフォーマの相反演出○。強靱な肉体を彫像と見せ
つけつ、不自然な姿勢の危うさをはらませて、刹那に美しい。圧倒されたねこ。
5.SNACKY!&GIRLS(ピンク)「わたしはSNACKY!」 8分
振付：砂山典子 映像：棚田清 イラスト：石田剛 音楽：center44
http://www.zubobin.com/
京都から。「ダムタイプ」メンバー、「キュピキュピ」映像出演などで活動とか。
構成。チアガールが転がりながら登場。赤ジャケと皮パンツ、トンボ眼鏡、青髭
ごりごりの怪しいおじさん、玩具マイク片手に歌い踊り。「私はスナッキー」反復。
背景は彼の劇画アニメ。叫べばパオーンと字幕。後半転調、併せてカエル画像
ぴょこぴょこと増殖。
胡散臭いギャグめきキャラで、自由に自己主張。なんと10年作品とか。バックダン
サー達の体に似合わぬ時々おどろぶりとか、バタ臭いくせ者印象。クラブのアトラ
クションとか、とってもお似合いに盛り上がりそう。
6.alt.(aka.AKIO MIYAZAWA)「言葉に揺れる水」 17分
振付：宮沢章夫
出演：南波典子、上村聡、田中夢
舞台。後方全面スクリーン、下に水を張ったコップ40ヶ。
構成。男性の朗読と映像。床に並んで寝る、青いワンピースの女性とみすぼらしい
重ね着の女。平穏な朝の散歩をする中年男性(小田豊)、川岸で若い女性の水死体
発見。浮浪する女性のおぼろげな記憶についての長いモノローグ。そうしながら、
水死体な女性を含め、水コップを床に等間隔におき、埋めていく。パフォーマが
捌けて、黄昏の明かりにコップが金に光る。
「トーキョー/不在/ハムレット」(2005/1)部分パフォーマンス。詩人役南波さんの
長尺モノローグ、映像と床の女性(水死体)、埋められていく水コップの群。切り取ら
れた時間と空間、しゅんとした間の緊張感が不思議と心地よいねこ。
チーム眼鏡の後かたづけ5分 床のコップを1,2杯目は一気のみ、やっぱりアサヒは
うまい、メリーXmasと各方面へリップサービス。後は飲みより振りをみせながら、
クローン達が撤収。椅子6×2列 間に譜面台でマトリョミンアンサンブルの準備。
休憩20分
7.ボクデス「夢で会いましょう」
構成・演出・出演：小浜正寛
構成。横になって妄想を連想。水泳、事故、救急病棟…。ダメだしもあり。後半、
マトリョミンアンサンブルがチューニング、宇宙音と妄想を膨らませたりなかったり。
8.マトリョミンアンサンブル“マーブル”「黄金の下に大集合」 14分
代表：竹内正実(テルミン演奏家、マンダリンエレクトロン社代表)
http://www.mandarinelectron.com
出演：梶野由佳、久米祐加、佐々木潤、佐藤沙恵、濱口晶生、相田康一郎、
塩出真弓、鈴木美枝子、高扶美枝、新美大輔、野呂早苗
ピアノ：橋口かおり
演奏曲 1.きよしこの夜 2.マーブルのうた 3.Falling 4.黒い瞳 5.ともしび
20数cmのマトリューシカ人形内には小型テルミン。頭部に手を近づけたり遠ざけた
りして音階。5オクターブ可能とか。曲間でぶんぶんと音だし。人形の擬声のよう
で面白いねこ。
9.ほうほう堂×チェルフィッチュ「ズレスポンス」 11分
振付：新鋪美佳、岡田利規、福留麻里 衣装協力：靴下屋(ダン)
出演：新鋪美佳、福留麻里
構成。眼鏡達にナンパされそうにして、逃れた２人。見つめる相手はそっぽ向いたり
、別のことに心奪われ。とっても近いのに、互いにそんな風な二人は「出会わない」
後半、音楽入り、間合いと動きを大きくとりながら拡大。
より細かな手振りを加え、絶え間なく動きながら、「すれ違う」関係性を緊密に描く。
細部にチェルフィッチュ、構成にほうほう堂の特徴が生きて、高密度の小作品となり。
予定調和な「ダンス」に落ちない多彩さ、自在さがすばらしい。まるで奈良美智の
キャラのよな、苛立ちと哀しみの鋭い放射が強度を増してて、強く印象をうけたねこ。
10.康本雅子「雨ったれ」 12分
出演：小浜正寛、康本雅子
構成。暗転中、小動物が呼び合うような声。２人丸まって寄り添い、節をつけて
「しとしとぴっちゃん」と歌い。音に合わせて小さく振り付き、大雨になって
「ざーざー」。中盤、康本さんソロをいれ、最初の２人に返り。
動くための音大事、なるももっとバリエーションに飛躍がほしい感ありねこ。
自由自在なソロの動きは前半作品同様。
11.首くくり栲象／黒沢美香「わが魂のジュリエッタ」／室伏鴻砂「DEAD2」 32分
出演：首くくり栲象(アクション)、黒沢美香(ダンス)／室伏鴻砂
舞台。中央後方、赤い首くくり紐を吊り。
構成。暗転。ＪＢのセックスマシーン。明転とも無音。下手袖に寝転がったまま
動かない、黒衣の室伏さん。コンクリートブロックをもち、試すように頭上を含め
て上げ下げし、舞台中程に移動する黒沢さん。首くくり紐の直下におき。絶え間なく
、小さな手振りとゆるやかな全身の回転をまじえて、下手を中心に移動。
シャツを脱ぎ、黄色の片靴とももって、栲象氏はゆっくりと中央。首くくり紐の
ところでシャツを着て、靴をそろえて、綱を首にかけて宙ぶらりに「首くくり」。
動いているかいないかの微妙なところで、ゆっくりと自転、しばし。
その間、黒沢さんは絶え間なく踊り、室伏さんは一端起き、また横臥、赤ん坊の
ようにして、栲象氏の傍らにスリより。首くくりから降りた後、栲象氏の顎には
赤い綱跡。黒沢さんはひたすらに手をすりあわせる。栲象氏ぶらりと帰り。
暗転、再びＪＢの歌。
静止したありさまでお腹いっぱいの表現力。動けない首くくり間もせわしなく感情
と思索は動いている、とばかりに黒沢ダンス。そうとは見えないながら、生理的に
しっくりデュオの風景に強く印象。室伏さんはつけ合わせに見えつ、表立たない
通奏低音状態で存在感を出過ぎず添え（宮沢章夫さんの日記によると、室伏さん
は上演中ホントに寝てしまったとか。栲象氏は吊られたまま暗転の段取りだった
のが待ちきれず(予定は10分）、自分で首くくりをやめて下りて帰ってしまったらしい。
面白いなあ。）
12.C.Snatch Z.「How to use the weapon」 11分
振付：砂山典子 映像：棚田清
出演：C.Snatch Z.、堀江進司、松之木天辺
構成。映像。毒ガスマスク、銃口に花を刺したコマンダー姿、満開の桜の土手を
匍匐前進。その姿のまま舞台。脱衣すると、コルセットに胴着、股間にペニスの
ハードコア衣装。現代の独裁者の写真に唾して踏みにじり、戦争死体写真とキスを
させ。音楽は典雅な恋歌映画音楽(失念)。
主張がわかりやすい。緩いXmasにハードコアも、その心は平和を願いソフト至極な
パフォーマンス。パフォーマと、トリに配した主催・構成者の反骨精神○。
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