＠森下 ベニサン・ピット(2008/5/8-27 24ステージ)
http://www.benisan.com/studio/benisanpit.html
全指定 前売5500円 当日券6000円
作・演出：長塚圭史
美術：加藤ちか 照明：佐藤啓 音響：加藤温 衣裳：伊賀大介
演出助手：下村はるか 舞台監督：福澤諭志 宣伝美術：Coa Graphics＋中山祐一朗
制作：伊藤達哉 主催：ゴーチ・ブラザーズ 企画・製作：阿佐ヶ谷スパイダース
助成：芸術文化振興基金
出演：
中山祐一朗：男１
長塚圭史 ：男２
伊達暁 ：男３
奥菜恵 ：女
2008/5/10(土)雨 6:10-7:46PM(1'35) 最前方下手 客席超満員(210人)
客層：20-30才代中心に中年層ちらほら、女性7，8割。
客入れ：当日券。奥通路座蒲団席6、中通路補助椅子7人、本席は不明。開場時でまだ
残席あった模様。 ひな壇に椅子席9列がみっちり、舞台が至近距離で見られて○。
通路3つで導線配慮も、出入口一箇所で退場はまったり。 折り込みチラシそれなり
パンフ A6 3ページ。スタッフ、ＰＲ。物販。パンフ A5 93ページ 1500円。
役者ページに読み物たっぷり。 カーテンコール1回1分。
オリジナル・メンバー3人が初のワークショップを経て、造り込んだ新作とか。
出演者が伏せられていた「あとひとり」奥菜恵を加えた、男３と女１の会話劇。
舞台。枯れ堀に囲まれた板敷きの島。緑色の公園ベンチ、街灯、白いくずかご。
周囲は土壁、とこどこ板が打ち付けられ、歪んだ台形の扉が三方、桟橋越しにあり。
後半、壁の向こう、もう一つの世界をみせ。
お話。晩秋の公園？。猫を捜す男につきまとう女。自己嫌悪に陥っている男。読書を
する涼やかな男。そんな彼らは様々にして出会う。
私が考える世界、作家の脳内が挑戦的に立ち現れる異色作。いままでにないテイスト
に、ほよよねこ。物語特急で荒々しく連れて行かれるこれまでと違い、荒野に放り
出されたよな気分の今回。不可思議な男女に不安と好奇心をかき立てられ、やがて
同時代の喪失感や怒り、やるせなさがちくりと心を刺していく。「答えはある、でも
解決はしない」（男１）とか、うーんねこ。
「動物園物語」の断片を言葉とイメージでみせ、相対化ももはや力なき今の虚しさを
浮かばせ。そんな中、一人一人の身もだえするような様、激しい言葉に、逆に確かな
生を共感したりするねこ。これまでから心機一転、自由な発想でつくられた意欲作。
物語を探らず、あれこれと自由に感じながら観た方が吉と思うねこ。
役者。長塚さん。男のかわいさ。伊達さん。男の色気。中山さん。真摯にやりこむ
演技に素直に胸打たれ。お疲れ様です。奥菜さん。恐れながらも逞しく優しく向かう姿○。
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