＠下北沢 ザ・スズナリ(2011/12/27-29 5ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全自由(整理番号付) 予約 一般 3000円 学生2000円 高校生以下500円
当日 一般 3300円 学生2300円 高校生以下500円
作・演出：工藤千夏 音響：藤平美保子 照明：小杉明正（スペース・ラボ）
舞台美術：山下昇平 演出助手：三上晴佳 制作：西後知春、吉田唯、井上啓子
宣伝美術：工藤規雄（Griff inc.) 総合プロデューサー：平田オリザ
主催：青年団リンク・うさぎ庵、（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
企画制作：青年団、（有）アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
出演：
近藤強 ：服部次郎(大手菓子メーカー服部製菓社長、飛行機事故で死んだ服部一郎の弟)
羽場睦子 ：服部雅子(飛行機事故で夫を亡くしたが、九ヶ月後弟である次郎と再婚)
安倍健太郎：服部公人(服部製菓前社長と雅子の息子であり、現社長の甥)
水下きよし[花組芝居]：笹本卓(服部製菓常務取締役。かつてウィリアム・チョコに勤務)
長野海 ：笹本まりあ (笹本の娘。公人のフィアンセ)
天明留理子：結城知美(キャビン・アテンダント。服部製菓取引先ウィリアム・チョコの社長令嬢)
ジェイソン・ハンコック：木村ビル(服部製菓の社長秘書だった故木村瑛子と結婚、日本に帰化)
声の出演 ：各務立基、山藤貴子、山内健司、ブライアリー・ロング
2011/12/28(水)晴 7:03-8:30PM(1'26)入口側下手 客席9割(70人)
客層：20-30才代中心に幅広く、男性7割。
客入れ：開場時数人。センターステージ、通常舞台にも客席をしつらえ。手前5列、
奥側3列。手前側の2，3列間に通路設置。折り込みチラシそれなり。
パンフ A4 3ページ。挨拶、あらすじ、配役、プロフィール、予定。プレゼンの資料
みたいにコンパクトに網羅。物販。台本とか。カーテンコール1回1分。
うさぎ庵は久々ねこ。
舞台。劇場幅の薄青い通路。中央が濃く、後に飛行機の通路に見立て。壁際に青い
キャスター付きボックス。天井に光る小さな切片がいくつか吊られ。
お話。ニューヨークからバミューダまでのチャーター機内。飛行機事故で亡くなった
大手製菓会社の社長らの慰霊塔に向かうため、後釜の弟と彼と再婚した嫁、関係者が
乗り合わせている。ハムレット、忠臣蔵などをモチーフに、曰く因縁ある人達の
仇討つ心中が交錯していく。
どうなるのかなと興味津々、知的好奇心を刺激する仕掛け、展開構成があれこれ。
雑談からさりげにパイプ椅子をならべて飛行機内。息子がすっとこどっこいなことを
言い始め、「ハムレット」連想の家族劇が始まり。やがて事故で死んだ社長秘書の
夫だった外国人男性や、キャビンアテンド＝社長を恨むつぶされたライバル会社の
娘の絶望と恨み節が雲間にみえ。手は汚さず、みなを焚きつける、リチャード三世
ばりの常務の腹黒さがいや増し。など、モザイクが晴れるよう、点と線を結んでいく。
が、謎は残って嫌らしいところが○。
演出の手練手管三昧。途中から同じ場面を繰り返し。同時多発会話の音量や日英語を
違えたり、照明切り替えで場面や、個々心中へスポットを当てたり、視点替え。
映画のような見せ方をあの手この手。繰り返しは、タランティーノへラブ開始かと
面白くみたりするねこ。客席内通路使いは、演劇ならではのサービス。
で。キャビンアテンダントことライバル会社令嬢の中途半端な毒盛り仇討ちに
続いて、帰化外国人・木村ビルの忠臣蔵・たすき掛け仕草＋雪装置が開始、飛行機
落としで必殺のクライマックス。木村ビル＝キル・ビルって、ラブ継続かよんと
受けるねこ。
役者。演技より以前になるほどな佇まいが似合い。天明さんのキャビンアテンダント
とか、そんな感じだし。
ポストパフォーマンス・トーク 8:33-9:05PM 7割方居残り
山内ケンジ[城山羊の会]、工藤千夏
覚書につき、抜けや不正確なことはお断りします。
工藤 城山羊の会「探索」は情報の出し方の印象が強かったと、舞台の話。ちなみに
探索の本は本番1週間前にできたそう。お客さんは日常を引き摺っているので、
なだらかに始めている。探索では支配人の森元さんがいつもの諸注意をして、
舞台に出ろといわれたと言っていたら突然撃たれて倒れてしまう。実はキーマンが
客入れをしていた。違和感があるのが違和感なしであるのが凄い。
山内 その前に不条理劇をやっていた。情報が少ないのが好き。今回はどんどん
出して、どこまでわかりやすくするかと。でも、つじつまあわせで困ってしまった。
わかりやすさとわかりにくさがどうなのか、わからなくなった
（工藤 自分を探索する感じですね）
今日の舞台はわかりやすそうでわかりにくい。ハムレットかと思うと違う。上下が
逆になるのが映画的、グランドホテル形式。タランティーノ、ハイバイの「手」
とも違うけど。
工藤 離陸して40分間まで対して飛んではいない。いろいろな企みをしたかった。
同時多発をするなら、こっちのボリュームをあげたり絞ったり。平田オリザは
どっちでもいい、聞きたい方を聞いてほしいと言うが、その辺の作意を極端に
したかった。ズームしたり、クローズアップしたり演劇でもやりたくて。
演劇で再現は当たり前なので捻らないと。飛行機かと思うと宮殿になったり。
山内 リアルタイムで同じ事をするが、ビルが同じじゃないなとか。基本的に
製菓会社の騒動がわからないので意外と複雑で読み取ろうとする。
工藤 わからないのが好き。全部わかるとつまらない。2人とも演劇でない仕事出自の
話。
山内 広告はロジカルな仕事なので、演劇に入るとわからなくも成立する世界がある
ことに混乱する。
工藤 山内さんは不条理な広告で通しているが、大変だなと。広告は1人でもわから
ない人が居るとダメな世界じゃないですか。
山内 広告は商品の名前が記憶に残りさえすれば、なんでも許される。むしろ、
曖昧なところが許されないのはドラマ番組。演劇は曖昧さを許す幅がある。僕ら
転向組は物語りに縛られているが、若い人達は物語から離れてつくれているのに
驚かされる。(広告の尺の長さで作り方は違うのか）書きながら考えるので、
決めていない。（企画書が戯曲で、コンテは演出でしょうか）最初にキャス
ティングを決めて、当て書きなら書けそうと、そこから物語を考える。
工藤 ハムレットをやろうと阿部ができそうと設定、天明がキャビンアテンダントの
制服が似合いそう、なら飛行機内、ハムレットと関係ない場所でやりたいと。
（2人の照明らのスタッフが共通の話）スタッフがいい。転換の間で流れる声は
青年団の山内健司。ハムレットの劇中でハムレットが演劇論をいっているのを
書き換えた。お前はシェイクスピアが言っているんだろうという。靜かな芝居と
同じ事を語っている。 山内さんと一緒にやる機会があったら、広告業界のねたを
やりたい。
山内 「微笑の壁」は広告業界を題材にしました。（工藤さん未見とのこと）
工藤 カメラ視点でみせることを考える。
山内 自分は舞台で映像っぽいことはやらない。今日は、タランティーノかと思って
裏切られ、キューブリックの銀行強盗だと。視点の変えるとこが。
工藤 木村ビルについて。雪か飛行機の破片かと、降らせている。
山内から監督映画「ミチコ感覚」の情宣。
質問 英語版をつくって海外で上演したら？。
稽古場でアメリカ公演しようと盛り上がった。わからない言葉が入るのに興味がある。
重ねて英語をいれると、ボリュームを絞る感じになる。
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