＠東池袋 あうるすぽっと（2012/10/4-8 6ステージ）
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全指定 一般3500円 学生2800円 豊島区民3000円
原作:山本周五郎 脚色・演出:戌井昭人[鉄割アルバトロスケット]
音楽:不破大輔 演奏：渋さ知らずオーケストラ 美術：笠原真志
照明：辻井太郎 衣裳：萩野緑 音響：高塩顕 ドラマツルク：谷野九郎
演出助手：所奏 舞台監督：後藤恭徳 イラスト：青山健一 宣伝美術：早田二郎
広報：小仲やすえ(あうるすぽっと) 制作：福本悠美 藤野和美
プロデューサー：ヲザキ浩実(あうるすぽっと)
主催：あうるすぽっと（公益財団法人としま未来文化財団）、豊島区
企画製作：あうるすぽっと 平成24年度 文化庁地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ事業
出 演:
飯田孝男[発見の会]：父親（乞食。未来につくる家の話をする）
池袋遥輝（子役） ：子ども（その連れ合い）、刑事
中島教知[鉄割アルバトロスケット]：六ちゃん（鉄道馬鹿）
江本純子[毛皮族] ：六ちゃんの母親、ジュン（増田妻）
宇野祥平 ：増田（緑色の夫婦 夫）、八百屋
山本ロザ ：ロザ（川口妻）
古屋隆太[青年団] ：川口（赤色の夫婦
夫）、平助（六ちゃんが猫を届ける）
金子清文[毛皮族] ：島さん（片足が不自由、顔面神経症）
伊藤麻実子 ：大きい女（島の妻）、見たことのない女
坂口芳貞[文学座] ：寒藤先生（憂国塾塾長）
中村彰男[文学座] ：八田青年（憂国塾に入門する）
リアルマッスル泉（飲み屋のおやじ）、斉藤直紀、稲益礼生、武田英司（刑事）、
岡野浩之、武藤侑希、谷村守夫、水川美波
2012/10/07（日）曇 6:03-7:56PM（1'53）中段上手 客席ほぼ満員（290人）
客層：20-30歳代と中年層、チープもおしゃれこだわりな人多め。男女半々。
客入れ：通常客席。折り込みチラシそれなり。パンフ オールカラー A4 4ページ。
挨拶、ゲネプロレベルの稽古場写真、配役、スタッフ。物販なし。
カーテンコール1回 熱心な拍手続くも2回目なし。
黒澤明監督(カラー！作品）で映画化もされた作品を、鉄割の戌井昭人の本と演出にて。
舞台。動く家並み。家ごとに色彩を変え、グラディエーションされたトタン壁の
安普請が６棟。これが回って部屋内、動いて視点を変え。床に白墨で線路、劇中
電車馬鹿こと少年六ちゃんが「どですかでん、どですかでん」と自走。
お話。時代に取り残された貧しい街。おかしな住人達のささやかな夢と挫折のつづれ
織り。黄緑カラーと赤カラーの夫婦、ガテンな亭主は毎夜酔いどれ。女房達はふと
思いついて夫婦交換をするがなにも無かったように戻ってしまう。越してきた男は
足が不自由で顔面ほかも麻痺、女房は無愛想で強面だ。世を憂い空論を吐く親父の
もとに、個々ではない所を夢みる若くも無い男が弟子入りする。先生のぐうたらぶり
を知るばかり。路上には乞食の父親と子供がいる。父はいつも自分たちが未来に
作る家の話。そんな中を電車馬鹿少年は走り続ける。
当て書きのように舞台化された群像劇。デタラメ、悲惨などん底生活もエネルギーを
感じさせる人々をとりどりに活写。破天荒に抒情を忍ばせる、独特の筆致が魅力。
最近見ないタイプの演劇でとても楽しく、演劇の快感を感じるねこ。飯田孝男、
坂口芳貞、江本純子ら、多彩な年代、出自の役者陣が世界に溶け込み、素晴らしい。
とりわけて、飯田孝男のトボトボとした味わいは独特でますます好きになったねこ。
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