＠名古屋 損保ジャパン日本興亜人形劇場ひまわりホール(2015/1/15-18 6ステージ)
http://aichi-puppet.net/apc/himawari.htm
全自由 前売2800円 当日3000円
作：北村想 演出：小林正和 舞台美術：松本ひろし（ステージクラフト三舞）
舞台監督：中村公彦（イリスパンシブルティ）照明：石原福雄（ＦＲＡＣＴＡＬ）
平野行俊（劇座） 作曲・音響：ノノヤママナコ（マナコプロジェクト）
挿入歌：西本さゆり（Ett） 歌唱指導：折野純子 衣装：大池かおり
宣伝美術：下東英夫 イラスト：あおきひろえ 制作：金原祐三子
制作協力：加藤智宏（office Perky pat） 企画製作：avecビーズ 北村想
共催：愛知人形劇センター 協賛：損害保険ジャパン日本興亜株式会社
主催：avecビーズ
出演：
小林正和 ：郡山藤兵衛(施設院長)
金原祐三子：小湊景子(元舞台女優)
中島由紀子：阿毬塔子(元舞台女優)
ヒート猛（スクイジーズ）：団 四十郎(元プロデューサー)
たなかちさ：美嵜鈴江(元舞台女優)
こつじまさのり(人形劇団むすび座）：柳研吾(元舞台俳優)
スズキナコ：間丘新菜（元歌劇団女役）
火田詮子 ：鴻ヒナ（元歌劇団男役）
2015/01/17(土)晴 2:04-3:53PM(1'49)前方中央 客席9割?(70人?)
客層：高校生〜中年シニア層まで、大人中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：整理番号順、開場時20人超。座椅子1、ひな壇に椅子7，8列。演出家から
大人な諸注意。携帯は人情酒場に人情なく、マナーモードにマナーなしとか。
物販。台本 1000円。想さんがその場でサイン。カーテンコール1回。
年一 北村想新作公演。次回公演の台本は既にあるも、メンバーが楽器演奏を
マスターするため、2年後とか。
舞台。屋外バルコニー？。石造りの円形台、端からスパイラルに車いすが通りやすい
傾斜路。四隅に巨大レゴブロックのような、腰掛け。
お話。高齢役者たちが引退後過ごす養老施設。バイプレイヤー達は歴史に名は残せず
と手応えのほどをふり返り、元敏腕プロデューサーは変わらず浮いた口で弁じ、
歌劇団の花形は多少台詞を忘れても余興劇に興じと健勝しごく。一人、見えない湖、
対岸のお城、いつか涙の水路を渡って自分を迎えにくると夢見る車椅子の元女優あり。
世話をする元役者と彼女の物語を聞く仲間達は、チェーホフ「かもめ」のニーナと
同じ世界を彼女に映し、自身の胸のうずきも感じている。そんな日々に突然おしまい
が訪れる、財政難で施設が閉所になるというのだ。変わりゆく世間に復讐するよに、
老いて生き続けることに前向きに、変わらない演劇人の心意気をまじえ描く。
醒めつつ、きれない情熱と夢、演劇愛。いつも以上に見晴らしよく、美しい風景と
人を見せてくれて、嬉しいねこ。汚れた現実に立ち、虚構ともよく踏まえての舞台
「表現」を展開。老いた俳優たち（老人設定でそうは演じない、がラストの再出発の
時に老け化粧をするとか、心憎い仕掛け。）の思考と遊び・演劇エクササイズが
愉快ねこ。らしくしつつ、アドリブ風にメタに現実に返ったり、あちらとこちらを
いったりきたり。など猫の目のように惑わされ。演劇ファンにはとりわけ楽しい処。
「かもめ」がクローズアップ。登場人物の踏み外しぶりは紙人形を使ってのあらすじ
で解説。永遠に女優に焦がれたニーナ、その孤独と同時甘美な夢の景色を涙、幻の
湖と重ねてロマンティック。透明感のある夕暮れの演出でひとしお。唐十郎芝居の
夢幻を思い起こしたり、浸るねこ。
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