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 PARCO制作 「ウーマン・イン・ブラック」

 @渋谷・PARCO劇場 (1996/8/5-25 25ステージ) 前売当日S7000、A5000
 原作:スーザン・ヒル 演出:ジョン・デイヴィット
  出演:斉藤晴彦(キップス)、西島秀俊(俳優)
 
 1996/ 8/14(水)曇7:00-8:55PM(休憩15) 中段より 客席9割(400人)

 舞台。朽ちかけた劇場。床下は剥げ、カーテン、壁は煤けてる。いかにも雰囲気
 お話。自分の恐怖体験を家族の前で演じ、厄は払いしようとする男。ど素人な彼
 は役者の若者に助力を請い、稽古を始める。次第に熱が入る稽古。それとともに
 見えなくてもいいものが見えてきて。

 劇中劇な形、素人おやじのあたふたを導入にして、舞台上の現実と客席を結ぶ。
 カーテンコールさえ、劇中劇にかと錯覚させちゃう。恐怖の残滓があって巧し。
 わかり易いし。これが小劇場演劇だとカーテンコールなしにしちゃって、そのま
 まお客を放り出す演出やるか。そっちのが気持ちの踏ん切りつかなくて、面白い
 かも。斎藤晴彦さんのしたしみ易い演技も、お客を引き込むのに功を奏して○。
 西島秀俊さんもさっそうとしてて、いい青年ぶり。

 黒服の怨念幽霊は、なんか即物的で△。それより、無人の部屋からの音や、霧の
 背後の闇のが恐い。わかっちゃうのはつまらないねこ。得体の知れないのが○。
 しかし、あの幽霊は酷い上に興がない。罪もない子供を。非道を知りながら、う
 らまずにいられない業を抱えた、ややっこしい日本の幽霊のが好き。この芝居に
 関係ないか。

 
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