弘前劇場「Ｆ．＋２」
＠駒場東大前・アゴラ劇場 (1997/1/10-12 3ステージ）
全自由前売り2500当日2800
作・演出：長谷川孝治
出演：後藤伸也、沼澤豊起、肥後宣典、杉原文子
1997/1/12(日)晴れ 7:35-9:10PM 最前列から 客席満員(60人)
客層：20〜30歳代中心、年齢層高め。客入れ：福士さん（役者）がにこやかに。
本公演とは違う少人数のシリーズ、FRAGMENT。初演（'94）の男二人芝居＋男女
二人に改訂。初見。
舞台。黒（壁）、赤（周囲に下がった重り）の原色とグレー（床）。モノトーン
が素敵。上手に大型バイク、コーク瓶、下手に200Lドラム缶。正面壁には錆かか
った鉄板二枚。壁一周、天井から下げ振り（重り）。舞台床には、鉄板とタップ
シューズ。
お話。真夏。快晴。気温３５。ガソリンスタンド。大学の先輩、後輩な工員（後藤、
沼澤）のとりとめない会話。やがて隠された嫌悪、憎悪の露出。狂気の加速。行
き場のない駄目な二人の閉塞感と、行き過ぎるだけの男女の開放感。
ぎりぎりに追いつめ、追い込む役者。心身を削ぎ落とす演技の殴打。こりゃ、一
日一ステなのも納得。役者、マジ殺しますもの、これ。
過剰なまでに盛り込まれた台詞は３倍速で交わされる。情報と知識の渦。その合
間の沈黙に爆する、赤裸々な感情にぞくりねこ。愛想笑いの後輩が理屈抜き、気
に入らない先輩。大事のタップシューズを眼前で踏みにじる。対する憤怒を狂っ
たようなタップでリセットする後輩。遊び半分、目は狂気でナイフ持ち、カウン
ターパンチを入れる先輩。怒りのあまり無言、疲れ果てる後輩。駄目なこと、自
分の不在を知る焦燥、嫌悪が眼前の相手から自分自身に向けられる。どんどん、
どんどん内側。出口なし。こんな観てて辛いのなし、こんな緊迫に囚われる快感
もなし。痛いけど、気持ちいいＭですか？ねこ。
構図の良さ○。どん詰まりの男二人のどろどろ。出会いだけで行き過ぎる、若い
男女のさらり。快晴の空。風一つなく、凪いだ海。イメージの取り合わせが好き。
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