ＰＡＲＣＯ制作 「第２章」
＠ＰＡＲＣＯ劇場 (1999/2/7-28 27ステージ) 全指定 前売り当日共7350
作：ニール・サイモン 翻訳・演出：福田陽一郎 美術：朝倉摂
照明：沢田祐二 音響：高橋巌 衣装：宮本宣子 ヘアメイク：角田和子
舞台監督：矢野森一 企画制作：パルコ、オフィス・トゥ―・ワン
出演：
西岡徳馬：ジョージ・シュナイダー （作家。妻と死別したばかり）
近藤芳正：レオ・シュナイダー （ジョージの弟。浮気性、でもいいやつ）
浅野温子：ジェニファー・マローン （女優。離婚したばかり）
長野里美：フェイ・メドウィック （女優。ジェニファーの友達。夫と不和）
1999/2/14(日)晴れ 2:05-5:05PM（85+休15+80） 最前列より 客席７割
客層：老若男女。20才代と中年層を中心。女性過半数。
客入れ：パンフ(1500)。最後尾３列は空席。入場料金高いしね。
なんかニールサイモンがいろいろ上演されている都内。これは81年日本初演の作品
舞台。主人公２人のアパート部屋を左右に。上手は作家ジョージの、下手は女優ジ
ェニファーの。それぞれのキャラを反映してか、作家側はウォールナットの地味・
重厚。女優側はアールデコな曲線家具にペパーミントグリーンに代表される色使い
中央のソファ部分が背中合わせで回転。隣り合わせで見えているのにわからないな
、男女の距離感メタファーみたいな装置。廻り舞台は上手下手にもあり。作家側、
書斎＜＞ホームバー。女優側、リビング＜＞ベットルームと切り替え。他、背景に
台所などあるけど、風景に過ぎず。
お話。最愛の妻に先立たれたショックから復帰中の作家ジョージ。結婚生活にピリ
オド、その痛手を癒している女優ジェニファー。勝ち気にしている２人だけど、それ
ぞれの友人はとても心配。浮気者だけど、兄思いの新聞記者の弟レオ。おんなじ
女優で冷めた夫婦仲に悩みながらも健気賑やかなフェイ。2人は友人に新しいデート
の相手を紹介する。でも、気が乗らないジョージとジェニファー。そんなある日、
ジョージは仕事の電話と間違え、デート候補の1人ジェニファーに掛けてしまう。
互いに関心をもって2人は、持ち前の当意即妙な会話ですっかり息投合。早急にラブ
ラブ突入。たった、2週間で2人は結婚を決意。でも、レオはとても心配。妻を失っ
たときのジョージの深い悲しみ、打ちひしがれた姿を知っているから。早過ぎる2人
の接近に不安を思えるレオ自身もまた冷めた結婚生活の悩みを抱えている。そして
不安が共鳴したように、フェイと刹那の情事に。結婚直前、ジョージは亡妻への想
いを断ち切れないことをジェニファーに告白する。真摯に受け止め、苦しみを共有
克服しようと告げるジェニファー。しかし、ジョージとの距離は広がるばかりで・。
仕掛けなしの会話劇なコメディ。ユーモアとウィットに富んだ会話に、痛みを知る
大人の暖かさあり。登場人物はみな人間味あるいいやつ。なんかちと情けなくも
あるジョージをしっかり受けとめる、ジェニファー。自分に正直な、でも現実との
ジレンマに悩んだりもするレオ。どこかにいきたくて無茶を承知でバカしちゃうけど
、前向きなフェイ。意志持ち、真摯に人生に立ち向かう人達のドラマに素朴な感動
覚えるねこ。とりわけ、ジェニファーが◎。自分達のすることがたとえ間違いでも
、それを間違いでなくしてみせる、な意味の台詞とか、逞しさにほれぼれするねこ。
ジェニファー役の浅野温子◎。かわいい、健気、逞しいと魅力たっぷり。小首、手
足をちゃきちゃきと動かす演技はＴＶドラマと一緒。普通な日本人だと鼻につくけど
、痩身なれどスタイル◎・６等身の彼女だと、もうキューティ。絵になって◎。前半
熱に浮かされたようにラブラブする過程がとりわけ。お目目パッチリメーク、胸元を
微妙にみせ、プロポーションを活かす衣装もあいまって、キケンなほどのかわいさ
後半のシリアス場面はきっちり演じてくれて、安心。彼女だけでも見に行く価値
十二分あると思うねこ。
相手役の西岡さん。キャラにあった、女性にはちと弱いな感じ○。なれどちょい身
勝手おじさん入るとこは、うーんなべたさ加減。あくまで優しく知的であってほしい
ねこ。レオ役の近藤さん。いいやつなキャラを真摯に好演。フェイ役の長野さん
賑やかでナチュラルなキャラを、テンポを失わずに演じて○
ラスト。2人のそれまでを書き上げた小説の第一章に閉じ込めて、新しい生活な第
二章を始めようは、粋な快哉趣向。逆にままならない、そうは普通納まらない、
男女の難しさを感じちゃったりもしたねこ。音楽。”THE MAN I LOVE”を場面毎に
あったアレンジので。おんなじ曲で通したが、シンプルな感じで○。
［月間一覧］
|