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 HIGHLEG JESUS 新井友香の世界「ミンシン」<下北沢演劇祭'99>

 @下北沢・駅前劇場 (1999/2/13-17 6ステージ)
 作:新井友香 演出:河原雅彦 照明:濱田祐子 音効:荒木まや
 舞台美術:大内美穂 衣装:伊藤巧恵ほか 小道具:竹田紀子
 舞台監督:小野八着 チラシ:関根将由 スライド:野村朋子
 演出助手:梅村貴司 制作:高橋麓
 出演:
 千葉雅子[猫のホテル] :カルメン(処女を守り通す、古城の主。趣味・官能小説)
 今林久弥[双数姉妹]  :ルシアン(カルメンを愛す。どこでもブリーフ一枚。)
 中山祐一朗       :セルゲイ(カルメンを愛す。人見知り、引っ込み思案。)
 顔田顔彦[大人計画]  :アガメムノン(旧姓・福田。お調子者、ならぬ鬼畜)
 澤田育子[拙者ムニエル]:モニカ(海から来た元・人魚姫。一見とち狂ってる)
 野村朋子[HJ]      :乙戸橘姫エリス(官能小説家。実は処女)
 峯崎伊万里       :真由美(コンビニ店員。セルゲイにラブ)
 新井友香[HJ]      :案内役、釣り好きの髭おやじ、カルメンのひいばあさん
                 ・アグネーテ、カルメンの妹・典子)
 エッヘの3人[HJ]   :黒子役、コントもあり。

 1999/2/15(月)晴れ 7:40-9:50PM(2'10) 最前列より 客席超満員(160人)
 客層:20才代中心。女性過半数。
 客入れ:当日券の入場は開演10分前。整列入場、誘導適度あり。荷物預かり
 きちんとあり。桟敷5列?、後方椅子席。役者が通るので桟敷中央にはキケン注意
 と場所空けのお願いあり。桟敷最前列にもキケン注意(実際そうじゃなかったけど)
 遅れた客が続々と間際入場して10分押し。あんまり遅れないでね。

 バカエグのHJ、「私の世界」で客引かせまくる・新井友香。彼女のホンで上演企画
 舞台。ピンクの床。奥に赤い雛壇。下手にグリーンとブルーな青空に綿の雲。上手
 にベンチボックス、黄色壁に窓枠、パステル色の蓄音機。

 お話。とある海に面したお城。主のカルメンは処女を守り通して、うん十年ないい
 歳でな。なんか彼女の取り巻きの男、ルシアン、セルゲイ、アガメムノンあり。特
 に前の2名は彼女にラブラブ、ってすけべな下心ゆえ?。そんなある日、海から不
 思議少女モニカが現われ。元人魚姫という彼女、もうひとり狂いにご陽気、すっか
 りみなと仲良し。そんな間に、カルメンがファンしてる官能小説家が現われたり。
 結構本命な声がよくて、いつもブリーフ一丁のルシアンはシベリアに修行にいった
 り、実はご近所ので思いがけなくすぐ帰ったり。

 ばたばたした呑気な日常も長くは続かず。午睡な夢にばあさん現われ、嫌な過去
 〜昔、妹に亭主を寝取られたこと、を思い出すカルメン。夢から醒め、力むと変な
 たまごを生んじゃうし。処女だからもてるコンプレックスもあって、混乱カルメン。
 そこに天敵な妹が突然にやってくる。聞けば亭主に逃げられたと告白。カルメンが
 既婚、非処女と知れるや、急によそよそしくなるバカ男達。頭ぐるぐるの彼女は
 処女なんか〜と棒で処女まくを破っちゃう始末。結婚はしたが処女はまもっていた
 のですね。それに感心する、またまたバカな男達。絶望したカルメンは海に入水
 泡と消えてしまう。一方、モニカもまた、泡に。残された服をみて、ボーゼン一同。

 なんかそんな悲しみも、いつしか忘れちゃう残された人達。忘れなかったルシアン
 は凍える冥王星に1人、カルメンが生んだ卵を埋葬に。と、卵からカルメンとうり
 ふたつの女性が誕生。まるで人魚姫のような彼女は一切の記憶をもっておらず。
 2人は互いに名前を付け合い、彼らだけの新しい始まりに抱き合うのだった。

 女性らしい生理を感じさせるお話。逞しくいて、あこがれな夢忘れずな。ファニー
 好きだけど、残酷にもなれるな。コンプレックスを抱えたカルメンが滑稽で悲しく
 て○。絶対孤独な惑星で出会うふたりぼっちなハッピーエンド。切なさの裏打ちが
 いい感じ。とこの1本の物語はべたといえばそう、とみたか演出と付属ねたは
 おバカてんこもり。カルメンを追いこむバカ加減導入はわかるけど、いかにも
 雪だるな蛇足なねた進行にはうーん。もっとすっきり整理、芯通した構成を希望
 ねこ。

 役者。カルメン役・千葉さん。出ずっぱり。妙におばさんしてる演技、その妙な
 不器用さが好き。今林さん。こでぶなお腹がなんとも(健啖もさもありなんな)。
 なんかいい声でいい芝居してるし。うーん、それだけって感じもして淋しいねこ。
 野村さん。なんか従来比でかわいい。新井さん。出番小なれど、存在感大は
 さすが。とわいえ、もっと彼女自身の芝居も見たかったねこ。