ひょうご舞台芸術「ダブル・アクト」
＠三軒茶屋・世田谷パブリックシアター (1999/2/18-28 15ステージ)
全指定前売りS-6000 A-4500(DM会員予約割引5000？） 当日S-6500 A-4500
作：B・クレイトン 翻訳：鈴木小百合 演出：井上思 美術：徳舛浩美
照明：塚本悟 音楽：甲斐正人 音響：実吉英一 衣裳：宇野善子
ヘアメイク：中原雅子 漬出助手：釜紹人 舞台監督：鈴木考宏
プロデューサー：押谷泰紀 芸術監督：山崎正和
主催・企画制作：兵庫県，（財）兵庫現代芸術劇場
制作：オールドラマ 製作：ネオテック・エンタープライズ
出演：近藤正臣（ジョージ）、五大路子（アレクサンドラ）
1999/2/19(金)小雨 7:00-9:20PM(60+休15+65） 1F最前列より 客席5割(300人)
客層：おばさま最多、あと20才代女性とおじさま。関西言葉の方ちらほら。冒頭
役者登場で拍手あり、お気に入りの場面終わると拍手あり。携帯２回鳴り、効果音
かと思ったねこ。
客入れ：後方中心に残席多数、２，３Ｆは片手で足りる小数。当日券１時間前から
最前列でいいかな、とねこ。「診療室」シーンでは舞台両袖に別れ、つと観難し。
でも、中央で隣り合わせ場面のが多、役者みたい人には○。パンフ(A4版 700)
手ごろな内容。他物販なし。このカンパニーはDM会員割引額大、アンケート書いた
ほうがいいことあり。
1987年、オーストラリアにて初演作。豪作家の作品は所見ねこ。
舞台。白黒モノクロームのシック、シンプル。中央壁一面と床で５×４の升目格子
中に間延び英文字：a?/cs/ain/d?/at/ ge/wi/oin/im/ucな？もの。劇中場面で得心。
クロスワードパズルなんね、これ。不可解複雑そうで答えは１つなパズル。こまは
二つ、単純そうで答えは１つじゃない、複雑な男女関係。ふふーんな美術。床、中央
線対称にすっきり直線的なテーブルと椅子。両袖に横になれる、理容室みたいな
椅子（精神科医診療室場面で使用）
。あと、ときおりのベット場面では天井まで
の蒼い壁を背景におろし。２幕最初の旅行場面ではカラフルな書き割り使用。
お話。離婚→再会→恋愛→離別の物語。離婚した二人は５年ぶり再会。結婚中は
愛し合いながらも、子供がないことなどに起因したわだかまりもち、過した二人。
丁々発止な舌線が楽しいのも、君だからこそと、再会にすっかり意気投合。それぞ
れの恋人、夫をうっちゃって、ラブラブ欧州旅行に旅立つのだったが・・。
２幕全20場(30景）を軽やかなテンポ、互いに負けてないユーモアとウィット会話
バトルで。さらっとした場の内側を補間するよな、セクシーなフラメンコ・ツイン
ギター音楽。人物を引き立てるシンプルな美術。と、空間と時間を埋める隙のなさ
は、このカンパニーらしい、巧みなアンサンブルで○。
海外コメディおなじみのダブルミーニング台詞。これでもかの小じゃれさはあれど
洗練度もひとつ。ちとやぼったいのが特徴かしら。邦訳はコギャル、〜ねえちゃん
な風俗いれたこなれ具合。この辺、もひとつ板についてない印象あり。努力してる
のが察しられるだけに、うーんな。ちと艶色、きわどさ伺わせなとこ、結構あり。
おじさまおばさまの笑い声ぽつぽつ、結構受けていたよう。過ぎないさらり加減が
かえってむずかゆかったりしたねこ。
ドタバタなソープオペラ！？、と思いきや、しだい、後半、心の闇を覗かせる展開
煮え切らないスラップスティック？と当初困惑ねこも、興味深く、津々と。皮肉屋
男ジョージにトラウマあり。愛に臆病（アプローチも話そらすし）な彼。少年期に
母親に疎まれ、その母はまた病気（不感症）を「武器」に父を追いつめ、一家は破
綻。大人になった彼は、いつのまにか不感症（インポテンツ）。自身の苦しみが重
なるためか、子供をもつことも頑なに拒み、妻と心すれ違ってしまう。心ならずも
繰り返す悲劇に、しみじみねこ。一方、妻・アレクサンドラは不安のただ中。実業
家として成功、でも心満たされない。惜しみなく愛を与えても、疎まれる結婚生活。
虚栄と虚偽の出会い。舞台両袖でセラピーの形で同時に語られる、相手への飾ら
ない想い、苦しみ。求めるところは一緒なのに、会えばいき違ってしまう。どこか繋
がるはずの立体交差。ふーむ、男女って大変ですね、と感慨する子供感想ねこ。
と、 シリアスさあるんだけど、悲しみを覆う笑いは終始あり。どこか寓話ぽくも
あって観劇後の印象は重くなし。それはよけれど、できなくてもなす、間隙を飛び
越える意志も観たかったねこは、ちと不満。
役者。新劇ぽい安定感と場にあったメリハリ、丁寧な演技。安心して、ちと眠くな
るねこ。週末金曜で疲れてたせいもあるかしら。
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