ひょうご舞台芸術 第18回公演「おばかさんの夕食会」
＠渋谷・シアターコクーン(1999/5/27-6/6 12ステージ)
全指定前売り当日ともS6500 A5000 B3000
作：フランシス・ヴェベール 翻訳・演出：鵜山 仁
美術：倉本政典 照明 井口 眞 音響：深川定次 衣裳：黒須はな子
ヘアメイク：林 裕子 演出助手：今村由香 舞台監督：矢野森一
コーデイネイター：マーチン・ネイラー 制作：三崎 力ほか
プロデューサー：中谷友和 芸術監督：山崎正和 主宰・企画制作：兵庫県
出演：
坪内孝則 ：ピエール （出版者経営。遊び人）
白木美貴子：マルレーヌ （ピエールの浮気相手）
神野三鈴 ：クリステイー又（ピエールの妻）
田代隆秀 ：ルプラン （ピエールの友人）
塾 一久 ：アルシヤンボー（接骨医）
綾田俊樹［東京乾電池]：シュヴァル（国税省・査察担当官）
辻 萬長 ：フランソワ （当夜の招待客。国税省勤務）作：
1999/6/5(土)晴れ 7:05ｰ9:40PM(90/休15/50) １Ｆ中段より 客席9割(700人)
客層：とりどり、平均年齢は高そう。女性過半数。
客入れ：当日券は結構ありそう（枚数不明）。パンフ(800)。写真がただ大きいの
が△。
舞台。白亜なお屋敷部屋、絵画美術が置かれたラウンジ。前方、クリームと焦げ茶
色のソファ、テーブル、床クッション。奧にスツール３つのホームバー。上手側に
玄関までの廊下一部、壁には油絵。上手中ごろにギリシャ建築な柱、壁は淡い
ストライプ模様壁、下手の白壁と共にパースが掛かって歪んでいる。
お話。プレイボーイのピエールは悪趣味なパーティに最近いれこみ。ばかと思われ
る人物を招待、本人に主旨を知らせず、そのおばかぶりを笑い者にしようというの
だ。パーティ当夜、あろうことかぎっくりごしになってしまうピエール。その日の
おばかゲストを前もって自宅に呼んでいると知って、妻は呆れてでていってしまう
なんとか、妻の行方を捜そうとするピエールの苦境を見かねて、おばかゲストの
男フランソワは手助けを申し出る。だが、彼がやることはことごとく裏目に。居場所
がわからないばかりか、寝取った妻の元恋人、浮気相手の女性、おまけに国税庁
の査察官まで呼びいれてしまう始末。もうどうしたらいいのやら。
緩めのわかりやすい笑いのドタバタ。ちと教訓めいた話にはふーん。だれも悪意な
んてないのに、悪いほうに転がり続ける展開。猪突猛進ぎみのフランソワと冷めた
ピエールの対比、そのピエールさえ三枚目になってパニックする崩し具合もわかり
やすく、期待通りのおかしさあり。芝居っ気たっぷりのおやじギャグ、駄洒落にも
クールな受け答えありでポイントおさえ。駄じゃれ自体はこまっちゃったけど。
舞台全体が「おばかさんの夕食会」な仕掛けで教訓的。何をもってばかを笑うのか
、己はどうかという。まあ、そんなこと考えずとも、ばかはやっぱりばか、ちゃん
ちゃんなエンドなのもポイントで○。
役者。皆さん器用。浮つき気味の演技にも歯止めあり。辻 萬長さんのうざったい
おじさん演技。坪内孝則さんの美味しい三枚目ぶり。綾田俊樹さんのいつも通りの
びのび自由な演技が巧い、つうか好きねこ。
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